テラーノベル
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ユキ
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新しい年上の彼と旅行に行った帰りだった。
電車に揺られながら、ぼーっと窓の外を眺めていた。
すると隣に座る彼が、何気なく言った。
「今日、誰かのこと思い出してたやろ。」
思わず息が止まった。
図星だった。
その旅行先は、昔ヤマと最後に来た場所だった。
景色を見るたび。
歩く道を見るたび。
あの日のことを思い出していた。
結婚式帰りに再会したヤマ。
あの時感じた、時間が止まったような違和感。
そして、昔あれほど好きだった自分。
全部を思い返していた。
「……なんで分かったん?」
そう聞くと、彼は少し笑った。
「分かるよ。」
「この歳になったら。」
その言葉だけで十分だった。
見透かされていた。
でも、不思議と嫌じゃなかった。
コメント
1件
彼の「分かるよ」の一言にじんわりきましたね。見透かされているのに嫌じゃないって、よほど信頼関係ができてる証拠でしょう。ヤマとの思い出の場所だったのも含めて、過去を受け入れつつ今を生きる主人公の強さを感じられるエピソードでした。