テラーノベル
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曽野side
朝の日差しがカーテンから差し込み、目を開ける。
今、何時なん?
寝ぼけ眼を擦りながら、モゾモゾと布団の中で動くと背中にふと固い素材を感じ、そこに手を伸ばすとスマホが手にあたる。
最悪や、充電してないやん…
そう思いながら、スマホをタップすると異常な量の通知に驚きと同時に脳内をものすごい勢いで昨晩の出来事が思い起こされる。
そうやった!
寝るギリギリまで太ちゃんからの返信待ちをしていて、そのまま寝落ちしてしまったんや。
背中に冷や汗を流しながら、通知をタップすると案の定、塩﨑太智からの大量の文章と電話の数々。
内容を遡り、血の気が引く。
今一番まずい状況である事が読み取れる文章。
💙(柔ちゃんに告白してもーた😱)
💙(どないしたらええん?)
💙(おーい!)
💙(え?マジで?寝てる?)
💙(この状況下で寝てもうてるやん!)
💙(どうすんのよ)
と、まあこんな調子で…
やばい事してもたなぁ
どうしたらええんやろ…
あの人頼る…んは最後に取っといて、一旦は太ちゃんと会って話さなあかんかな。
山中side
突然の太ちゃんからの告白に驚きが隠せず、逃げ帰るようにその場を後にした。
あの場で自分が直ぐに断れなかった事が不思議としっくり来てしまって、もしかしたらという悪い期待をしている自分が腹が立つ。
脳内は太ちゃんとはやちゃんで埋め尽くされてしまい、何も他の事が手につかない
結局、その日は一睡もできずに朝を迎えた。
・・・
💛「何そのクマ、ひどっ」
朝からYJげーみんぐの打ち合わせで事務所があり、会議室に入ると開口一番放たれた一言だった。
🤍「ねぇ、普通はさ朝会ったら初めにおはようとかない?」
💛「いや、マジでお前鏡見た?」
言われてみれば、昨晩も今朝も鏡を見た記憶はない。
💛「一回顔洗ってこいよ」
仁ちゃんはグチグチ言いながら、無理矢理俺を会議室から追い出して、扉を閉められる。
ぶっきらぼうだし、オラオラしてるくせに、頼り甲斐のない瞬間も多いけど、こういうところはお兄さんだし俺らのリーダーなんだなぁって感じる。
ありがとう、仁ちゃん。 気を遣ってくれて。
そう思いながら会議室を背中に歩く自分の背後から、会議室に入る一人の影に気づかなかった。
・・・
鏡に映る自分は本当にアイドル?って言うような顔面で、顔を洗って少しはくすんだ血色が戻ったが、目の下の真っ黒いクマは消えなかった。
溜息を落として、会議室までトボトボと歩く。
扉の前まで来た時、聞いたことのある声が脳内に流れ込んでくる。
甘く、ほろ苦い、低く落ち着いた声の主。
今、一番考えたくない存在だった。
💛「マジで近いっ!」
🩷「別にいいだろ、何が気になんだよ 」
💛「お前離れろって」
🩷「はいはい、仁人くん反抗期でちゅねー」
💛「マジっでっ、触んなっ!」
俺は扉の前でズルズルと崩れ落ちた。
知りたくない、知りたくないけど知らなければ
そう考える度に自分の弱さを恨んでいた。
吉田side
柔太朗を送り出して、会議室の扉に背を向けると扉が勢いよく開く音がする
🩷「うぃーっす」
なんかめんどくせぇの来た
💛「勇斗じゃん、なんか用事?」
🩷「打ち合わせ中に二人が会議室に行くの見えたから来た」
💛「集中しろよ笑笑」
🩷「あれ?柔太朗は?」
💛「あー、トイレ…」
本当の事を言うと、多分勇斗は心配して気が気じゃなくなるだろうから言わないでおこう。
🩷「じゃあ、待とっかな」
マジかぁ…
聞こえないくらいに溜息をついて俺がソファに座ると、隣に遠慮なく腰掛けてくる。
💛「マジで近いっ!」
🩷「別にいいだろ、何が気になんだよ 」
💛「お前離れろって」
🩷「はいはい、仁人くん反抗期でちゅねー」
俺が耳弱いの知ってるくせに触ってくんなよ。
💛「マジっでっ、触んなっ!」
🩷「仁人の反応かーわーいーいー」
この状況を柔太朗に見られるのはすこぶるマズイ。
俺のそんな考えとは裏腹に扉が開く音がする。
🤍「ただぃま…」
その顔は顔を洗ったおかげか肌のトーンは明るいが、物憂げで少し瞼には涙を溜めている。
もしかしたら俺たちの会話を聞かれていたかもしれない。
嫌な想像が脳内を駆け回っていた。
🩷「柔!おかえりー」
🤍「はやちゃん…来てたんだ…」
🩷「お前クマすげぇな」
🤍「ん、遅くまでゲームしちゃったから」
🩷「ほんと、身体壊すなよ」
そう言うと、柔太朗の頭をポンポンと撫でる。
あれ?
こういう時、柔太朗はわかりやすく嬉しそうな顔になるが、今日は違う。
何処か複雑で何か遠くを見つめる目。
俺はその瞳にゾクっと身震いをした。
コメント
1件
第16話、読ませていただきました! 曽野くんの寝落ちからの「やばい」感、すごく伝わってきました…あの大量の通知を見た時の心臓のバクバクが目に浮かびます。そして柔ちゃんの一睡もできなかった朝の描写、仁ちゃんが無理やり会議室から追い出す優しさにじんわりきました。 最後、勇斗くんに頭を撫でられても「遠くを見つめる目」をしていた柔ちゃん…あの瞳の意味が気になって仕方ないです。4人の関係がどう動いていくのか、次が待ち遠しいです🌷