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七瀬🍏
7,120
22
塩﨑side
💙「んぅ…」
あの後舜太に山ほど連絡を入れたが、チャットも電話も返信がなく朝が近づいてしまい、眠気などないほどに慌てていた自分だったが、最後は緊張か焦りか張っていた糸がプツンと切れたかのように記憶もなくして、気づけば昼も回りそうな今な訳で、珍しくソファに突っ伏して寝てしまったらしい。
💙「今、何時?」
手探りでスマホを探す。
ふと四角いものが指先に当たり、手にとって画面を開こうとするが、画面は一向に明るくならない。
脳が覚醒をはじめて、電源が落ちていることに気づかされる。
充電コードを探り当て差し込むと次第に画面が明るくなり、充電を無くした犯人からの文字が浮かび上がる。
❤️(だいちゃん、話したいから電話出て)
まったく…。
誰のせいでこんな時間になったと思ってんねん。
❤️「もしもし!だいちゃん!
あーよかった、やっと出たぁ」
💙「ごめん、寝とった」
❤️「いつまで寝てんねん」
💙「誰のせいで朝まで起きてたと思っとんよ」
❤️「もー、ごめんやん」
💙「んで、どうすんよコレ」
❤️「えーっと、今の状況とりあえず全部知りたいんやけどさ」
💙「うちくる?」
❤️「わかった!準備するわ!!」
こっちの返事も待たずに切られた。
数十分後、舜太は息を切らしながら僕の家に転がり込んできたが、 あまりにも焦っている様子で話にもならないので、落ち着けるためにコーヒーを淹れてあげた。
💙「ほい、どうぞ」
❤️「ごめんなぁ太ちゃん」
💙「ほんまにどうしてくれるん?」
❤️「結局付き合ったん?」
💙「返事待ち」
❤️「ほんなら嘘やったって言おう!」
💙「言えるわけないやろ!
最近の柔太朗見たことあるやろ、抜け殻みたいで意識ない時もあるし、ずっと勇ちゃん目で 追いかけてて辛そうやねん」
❤️「そうやんな…」
沈黙が続く。
❤️「あーもう!どうしたらええんよ!!」
💙「やっぱり吉田さんにさぁ」
❤️「それはあかん!
仁ちゃん怒るに決まってるし、今の勇ちゃんは仁ちゃんにちょっかいかけたいモードやから、やっぱ太ちゃんは柔を気にして接して」
💙「ほんまにコレで余計にもつれたら、僕知らんよ」
❤️「とにかく!
柔にごめんなさいされても、柔に優しく接する
彼氏かの様にやで
そしたら勇ちゃんが嫉妬して、柔を狙えば万々歳!
もし、そうならんくても柔が欲しい温もりは勇ちゃんってちゃんと気づくから」
💙「付き合うことになったらどうするんよ」
❤️「そりゃ、ちゃんと付き合ってあげんと」
💙「もしキスしてって言われたら?
そういうこと求められたら?
どないするん?」
❤️「それは…なんとか乗り切って!」
💙「無茶やわぁ、この計画」
❤️「大丈夫!俺が全力でサポートするし」
そこが一番の懸念点なんやわ。
佐野side
一人、家で寂しさを纏いながら食事をする。
事務所に行ったら、大好きなメンバーに出会えてウキウキで会議室を覗いた。
いつも通りの反応の奴といつも通りではないあの子。
気にしかならなかった。
濃くついた目のクマ、少し青い白い肌、いつにも増して反応が返ってこない声、健康体とはどうにも呼べなかった。
何よりも、いつもは真っ直ぐ見つめてくるその瞳、少し口角の上がったその顔はぼんやりと俺越しに何かを見つめている様で、正直怖かった。
俺のあの子に対する庇護欲が警鐘を鳴らしていた。
すぐにでも抱きしめて、守ってやりたい。
でも、出来なかった。
そんな自分に腹が立つ、こんな時でさえ相手に嫌われるコトを大袈裟に恐れてしまう。
なんとか話を聞こうと食事に誘った。
一人は案の定お断り。
もう一人は今まで俺の誘いを断る事はなかった。
いつも俺に尻尾を振ってついてくるような可愛い子犬だった。
そんなあの子は俺の誘いをはじめて断った。
俺に背を向けてスマホと睨めっこを続ける。
何度も何かを一生懸命に打ち込んでは消している。
壊れたかの様に何度も何度も。
覗く様な事はするべきではない。
頭ではわかっていたが、俺は誘惑に負けて肩越しに、彼が触っていたスマホに映った人の名前に目が行く。
ー塩﨑太智ー
その名前に俺は目の前が真っ黒になり、気がついたら家に帰ってきていた。
俺のそばからあの子が離れてしまう。
溜息をつきながら、ふと流し見していたテレビをに目が映る。
そこに映るのは例のキスシーンだった。
忘れようとしていたあの光景がフラッシュバックされる。
少しぎこちなく感じるそのキスは俺が初めて受ける予定だったわけで、なんとも言えないやるせなさが全身を駆け回る。
その後悔は何よりも大きく、俺はすぐにテレビを消して暗い夜に溺れるように眠りについた。
コメント
2件
あおいです🌷 第27話、読み終わりました…!塩崎くんと舜太くんのやりとり、ほんと息ぴったりで笑うと同時に「この計画、大丈夫か…?」って心配にもなりました(笑)。でも、それ以上に佐野さん視点の重さが刺さりました。初めて誘いを断られた柔太朗、スマホに映った「塩﨑太智」の名前…一瞬で世界が真っ黒になる感じ、読んでるこっちまで息が止まりました。守りたいのに動けないもどかしさ、すごく伝わります。続きが気になりすぎます…!