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※ご本人様とは一切関係ありません
※qnmnです、短め
※マイクラ肝試し配信外妄想です。
【qn視点】
マイクラ肝試し。
今年はありがたいことにドズル社全員で招待を頂いて、みんなで楽しむことができる特大イベントとなった。
釣りを楽しむ人。
謎解きを楽しむ人。
お祭りを隅々まで堪能する人。
それぞれがそれぞれの楽しみ方をしている中、目当ての彼はいそいそと釣りに勤しんでいた。
ゲーム内ボイチャが存在しないため、LINEで彼を呼ぶ。
《めん》
〈どした?〉
《お祭り、一緒に回らない?》
〈いーよ〉
簡潔なLINEに、めんらしいと軽く吹き出す。
時間と集合場所だけ決めてゲームに戻る。
……時間を忘れてしまいそうなので、RTAの練習は辞めておこう。
配信外、discordを繋いで集合場所にたどり着けばそこには既に彼が待っていた。
『ごめん、遅くなった』
「……や、俺が早くついただけ」
心做しか上擦った彼の声に、少しでも楽しみにしていてくれたのかなと心が暖かくなる。
ここ最近、やれ撮影だのやれ生配信だのと忙しく、二人の時間が取れなかったのもあって寂しさを感じていた所だったので、彼のその反応はなかなかに嬉しいものがあるというものだ。
『じゃあ行こっか、向こうに面白そうな屋台がいっぱいあったよ』
好奇心の権化のような彼のことだ、恐らくもうほぼ全ての要素は周っているだろうが。
おう、と返ってきた返事はやはり少し嬉しそうな気がした。
「いやー!今回もやっぱすげぇな! 」
満足げな彼の一言に俺も頷く。
細部まで拘られたマップは、どれも期待のその先をいく出来栄えで見応えもやりごたえも抜群だった。
それに。
『めんと周れて良かったよ。』
やはり恋人とまわるお祭りは、ゲームの中であろうとひと味もふた味も違う楽しさがあった。
「ッ、おっまえ、なぁ……」
ふと傍を他の参加者が通り過ぎる。
ゲーム内ボイチャが付いていない今、彼は俺たちが会話しているとは思いもしないだろう。
『それに、こうでもしないとなかなか会えないでしょ』
MADTOWNの生配信が控えている今、これからはもっと話す時間が減ってしまう。
俺の気持ちが伝わったのか少しの無言の後、そうかもな、と少しトーンの低い返事。
『だから今日こうやって色々話せてよかった、ありがとう。めん』
めん成分を補給して、明日からも頑張ろう。
画面の前でうんうんと一人頷く。
「……俺も、おんりーと話せて楽しかった。誘ってくれて嬉しかったよ」
今にも消え入りそうな画面越しの声に目を見開く。
普段言葉にしないめんの最大限の愛情表現。
嬉しくないわけが無い。
『……うん』
「……ん」
沈黙。でも、嫌じゃない。
ふわふわとした時間はたったの数秒か、はたまた数分か。
『じゃあ、また撮影で』
「おう」
別れの言葉を口にしたはいいものの、離れるタイミングが掴め無かったのかそわそわと彼の分身が動いているのになんだか愛しさが沸き上がる。
『好きだよ』
思わず呟いた一言に、彼の息を飲む声が聞こえた。
言葉にするとどんどん会いたい気持ちが膨れ上がる。あぁ、良くない。
「……おれも、すき、だよ」
今日の彼は、俺をどれだけ翻弄したら気が済むのだろうか。
じゃあな!と捨て台詞のようにdiscordが切られ、彼の分身もまた世界から姿を消す。
その場に立ち尽くす俺の分身と、パソコンの前で顔を真っ赤にして口元を覆う俺が動き出すのは、撮影開始の通知が届く頃。
君と夏