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雪
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#なつこさ
かは
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朝晴ももか/新作出した✌️
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啓祐side
階段を駆け下りる音が響き渡り音が止むと奥のドアが外側から開きそこから息を切らしながら美容室のエリアへ入って来る公美子の姿がそこにあった。
公美子「お待たせ、、みんな揃《そろ》ったみたいだからはじめようか、、」
楓「え?なにいってんの?まだ揃ってないじゃん。啓祐と金堂さん、まだ来てないよ。なんで部外者がいるの?なんで後輩ちゃんも彼女も泣いてんの?そもそも彼女誰?どういうこと、、?」
???「(生唾《なまつば》を飲んで)、、ま、そろそろいっか、、」(オレにしか聞こえない小声で)
白いウインドーブレイカー姿の金堂秀がサポーターの変声機能を使って
秀「、、おほん、、坂出さん、、わたくしです。」
その声に腰を抜かして驚く楓をみてオレも同じく変声機能を使って
「楓、、オレだよ、、ヒック(泣)今まで黙っててごめん」
啓祐の声で泣きながら謝罪した。
楓「ホントに、、金堂さん?、、啓祐なの?」
何故か身体を震わせながらオレたちの顔を左右交互に確認しながら訊ねるので秀と同時に頷いた。
楓「お、、おったまげた、、公美子?いつから知ってたの?」
公美子「啓祐に告白したその日の晩に不思議な体験したんだ。楓は、信じられないかも知れないけど私と啓祐の身体が入れ替わったの、、あのクッキーのせいで、、入れ替わった時に知ったの、、はじめはショックで中々受け入れられなかったから朝倉さんのように泣き崩れてた、、で、、わたし、自分なりに考えたの、、これからは好きな人の相談役になろうって、、しあわせになって欲しいって、、女の子同士なら親友になれるし、なにかあったとき助けてあげられるって、、自分に言い聞かせたら自然と気持ちが穏やかになって、、その次の日に栞さん姿の彼に声をかけられて屋上でお昼一緒に食べることになってその時、秀くんの口から啓祐のお父さんに女の子に戻して欲しいと頼まれ女装することになった経緯や女の子に戻すために協力してほしいって言われて、私も助けたいと思ってたしね。朝倉さんも、、立ち直るのに時間かかるとは思うけど啓祐のために助けて欲しいの、、もうわかってるよね?啓祐がどれだけ長い間苦しい思いをしてきたかって事に」
楓「だからあのときふたりとも慌ててわたしもラッキーアイテム使おうかしらって言った途端、阻止したってことか、、わたしは二人とも同時にハモってたからひやかして弄《いじ》ってたけど(笑)」
秀「だけど、、公美ちゃん、、啓ちゃんが女の子に戻ること協力して欲しいとは言ったけどよりにもよって好きになった相手が悪すぎるよ。あの飛騨ってやつチャラチャラして女たらしでなんで啓ちゃん好きになったのか理解出来ないしいつも啓ちゃん悲しそうで見てられないよ、、僕なら啓ちゃんを泣かすような事はしないのに、、」
公美子「その事なんだけど、秀くん、、肝心な事いい忘れてたんだけど、、」
オレは公美子が誠の件を言おうとしてるのは頭ではわかっていながら、怒りが先走って到底おさえることも出来ず全身に込み上げてくると立ち上がり、再び涙腺が緩み、涙が溢れ出て気づいたときにはもう秀の頬っぺたを右手で平手打ちしたあとだった。
その勢いでサングラスとマスクが弾みでふっ跳んで床に落ちて行き顔が完全に露《あらわ》になると、秀は落ちたサングラスとマスクを拾いつけ直そうとするが間に合わなかったようでその瞬間、楓は完全に固まった状態で秀を見、美登里は、その場で項垂《うなだ》れたまま、殆《ほとん》ど微動だにせず、秀をチラ見し、同時に驚いていた。
楓「えー?も、、もしかして、、最近、週刊誌で行方不明になって騒がれて、世間の人に注目されてる俳優の近藤秀司さん?ドラマで初の主役に抜擢されてるのに関係者がめちゃ捜しても見つからなくて困ってるって記事とかに載ってたけど、名前も似てるし、、」
美登里「ヒック(泣)、、坂出先輩、、もしかして、、じゃなくて本人ですよ、、わたし、デビュー当時からファンですから間違いないです。」
「、、ヒック(泣)お前って、、やっぱりあの週刊誌に載ってた行方不明の俳優なのか?、、て、、そんなこと今はどうだっていい、、誠の事、悪く言うな、、誠の事、なにも知らないくせに、、(泣)」
オレは誠を侮辱された怒りと美登里を傷つけた罪悪感とが混じり合って涙が中々止まらず、しゃべり方を意識する余裕もなく普段通りしゃべっていた。
公美子「ふたりとも大丈夫?、、」
オレと美登里が未だに泣いてるので気にかけて言う公美子は今度は楓の方を見て
公美子「でもなんで楓、秀くんの芸名と顔知ってるの?週刊誌に顔写真なんて記事に載ってなかったじゃん、、」
不思議そうに訊ねる公美子のあとに続いて
「そうだよ」
鼻水をすすりながらオレも相槌を打った。
楓「ふたりともテレビ見てる?ここのところ毎日のようにニュースでやってるよ、、金堂さん、、本人ならこんなことしてる場合じゃないでしょ、、通りで見つからない筈よね、、うちの学校に女装して潜入してるし、まさか絶世の美女が男なんて誰も思わないでしょうから、、よく化けたわよね、、まんまと騙されたわよ、、啓祐にしたって」
そういや、ここのところしゃべり方の特訓、ストレッチ、ファッション雑誌読んだりとテレビ見てる時間なかったな~
ジーっとオレを見ると楓はニヤリとして
「い!?、、いきなりなにすんだよ、、」
オレの胸を背後から両手で鷲掴みしてきて揉み出してきた
「ちょっと止めろって、、そんな揉んだら痛いだろ」
楓「だって、半信半疑なんだもん。さわって確かめないと、、次は下の方も」
「下って、、まさか////(羞恥《しゅうち》)、、もう十分だろ、、止めろって、、秀だっているんだから、、止めてくれ、、じゃなくて止めてください。お願いだから、、お願いします(泣)」
美登里「坂出先輩、ヒック(泣)止めてください。啓くん、いやがってるじゃないですか、、」
楓「朝倉さんだって、泣くほどショック受けてるんだから触って確かめてはっきりさせた方が良いって、、ほら」
そういうといったん解放されてほっとするのも束の間、楓は美登里の両手を掴み、まるで二人羽織りの如く操り、オレの胸を触れさせようとするが、美登里は抵抗しようと必死でもがく。
美登里「や、止めてください。先輩、、そんなことしなくても、、もうわかってます。ただ認めたくなかっただけで、啓くんが女の子だって、十分すぎるくらいに、、ずっと啓くんだけを見てたから、、啓くんは、いつも飛騨先輩を目で追ってました。飛騨先輩が他の女の子に声かけてる様子を見るたび、凄く泣きそうな悲しそうな顔してたのも、、あたし、、知ってたけど、見てないふりしてきました、、啓くんが女の子だって、、今なら理解できると思うから、この手を離してください。これ以上啓くんに嫌な思いさせたくないし、、嫌われたくない、、それでも好きだから、、(泣)」
漸く楓は美登里の両手を掴んだ手を離すと
楓「、、朝倉さん、、ごめん、、はっきりした方が気持ちがスッキリすると思っただけで、、啓祐もごめん、、まだ未だに信じられなくて、」
「あれだけ触り捲《まく》っといて?、、」
秀「正直、目のやり場に困るよ////、、で、、公美ちゃん、、飛騨誠の事でさっき話かけてたよね?、、啓ちゃんには思いっきり叩かれて、、意味もなく叩く筈ないだろうし、、正直かなり痛かったから、、僕の顔腫れてない?、、」
公美子は秀の頬の状態を見て
公美子「大丈夫みたい、、赤いけど直ぐにひきそうだよ」
秀「ありがとう、、一応これでも役者だから、、僕、間違ったこと言ってたりする?それに啓ちゃんには恥ずかしくて役者になるために独り上京していること内緒にしてたのに結局ばれたわりには、啓ちゃん、あんまり驚いてないようだけど、、」
公美子「それは、、秀くんには言おう言おうって何度も思ってたんだけど中々タイミングが合わなくて、今朝メールするときに知らせたかったのは本当よ。でも時間が足りなくて、、ごめんね。啓祐には黙ってるって約束破ってしまって、でも黙ってても啓祐には何となくお見通しだったみたいだし。流石、幼馴染みだよね、、それと飛騨くんの事なんだけど、」
秀「うん、、メールでは啓ちゃんとプリンスショッピングプラザで偶然、飛騨誠に会ったって話だよね、、その続きが知りたい。短い時間では収まらない内容何でしょ?」
楓「会話してるとこ悪いんだけどさ、、公美子、、場所移動しない?立ったままこのまま話続きそうだから、、公美子の部屋で座って話そうよ、、」
公美子「ごめん、、気が利かなくて、、でも私の部屋物凄く狭いよ、、和室なら広いからそこで改めて話そう」
楓「和室あるなんて知らなかった。」
「うん、結構広かったよ。実は、和室借りて、修行のため寝泊まりしたことあるから知ってるんだ」
楓「修行ってなんの?」
「えっと、、たんま、、この声で話すのは何だか恥ずかしいからサポーター外させて」
楓「サポーター?なんの?」
オレは自分の首を指差した。
楓「え?首にサポーター着けてるの?全然わからなかったよ」
秀「僕も流石にずっとこの声は恥ずかしいから外すね」
楓「えー?金堂さ、、くんも着けてるの?」
秀は頷いた。
「お待たせ、、この声で話すのは楓にははじめてだよな、、親父たちが発明した変声器サポーターだよ。これで声を誤魔化してた。つまり親父と秀の親父さんも幼馴染みで親友で同じ大学で色々発明してるんだ。」
楓「うわー、、めちゃおったまげ~つまりその声が本来の声なんだ、、その声で男言葉は流石に違和感しかないんだけど、、あー、、わかった、、修行って女の子に戻る修行ってこと?」
「うん、それな、、じゃなくてそれだね。」
美登里「その可愛らしい声が本来の声?啓くんってよくよく見ると美人さんだったんだ。今まで勿体ないことしてたってこと?」
美登里はいつの間にか涙が止まっていた、オレも同じく。
面と向かって言われると何だか照れ臭い、、
公美子「ご名答、、漸く元気になったみたいでお姉さんは嬉しいよ、、さてと二階へ案内するね、、これからは美登里ちゃんって呼ぶね。私の事は公美子お姉ちゃんって呼んでね♪わたし、一人っ子だから妹欲しかったのよね♪嬉しいな、、そうだ!言い忘れたけど、みんなは猫大丈夫?名前はミルキーメス猫一才、、好奇心旺盛で人懐こいから和室にいるかも知れないけど大人しいから大丈夫だよ。」
美登里「えー、猫飼ってるんですか?うらやましいです。家は母が動物アレルギーなので飼えないんですよ、、あのお姉ちゃんって呼ばないとダメなんですか?あたし、恥ずかしいですよ」
公美子「それは、、残念、、でも私はちゃん付けで呼ばせてね」
美登里「それは、、構わないです。先輩」
会話しながら階段を上っていたのでいつの間にか和室の襖の前に到着した。
公美子が先頭に障子を横へ両手でスライドすると和室のど真ん中のちゃぶ台が置いてあるのが目に入った。
公美子、美登里、楓、秀、オレと順番に中へ入ると、早速、右端に積んである座布団を一つずつ両手で抱えると公美子はちゃぶ台の周りに一つずつ時計回りに置いていく様子を見て
「オレ、、ちがったわたしも手伝うよ」
公美子「こっちは良いから、座って待ってて」
秀「じゃあ僕が手伝うよ」
そう言うと右手で掴んでいたサングラスとマスクをズボン右ポケットに入れた。
公美子「秀くんも良いから良いから、、好きでやってるんだからさ」
楓「ふたりとも、、公美子は言い出したら聞かないから好きにやらせたら?」
そんなやり取りをしてる間に座布団が人数分ちゃぶ台の周りに置き終えていて
みんな適当に座布団の上に座り始める。
公美子「さてと、みんなをここに集めたのは啓祐の秘密を共有しつつ女の子に戻す手助けと飛騨くんとの仲を上手く行くように協力して欲しいの。あと飛弾くんの今までのキャラは仮の姿で本当は清楚で恥ずかしがりやで正義感が強く優しい性格だと最近知ったんだけど、、みんな信じられないって顔してるね(苦笑)飛弾くんは啓祐の事、はじめから意識してて自分はホモなんじゃないかと悩み、理性を保つ為に自分の性格をわざと変えようとしてただけなんだって、啓子ちゃんと言う存在で元の自分に戻れたって言ってた。つまりふたりははじめから両思いなのよ、、だから先ずは啓子ちゃんとしてデートを積み重ねて」
「話の途中で悪いんだけど、、誠から何度も啓子宛てに
lineくるから見るけどなんて返事出していいかわからなくて、、未だに返事出してないんだ。流石にずっとこのままだと、、不味いよね、、で、、みんなに相談なんだけどこう言うとき女の子としてどんな内容の返信するのが良いのかな、、」
楓「へぇ、、そこまで進展してるんだ、、なら普通に自分の気持ちを素直に言葉にして送ればいいんじゃないの?」
「でも、、オレだってばれないかな?」
楓「そんなこと気にしてるの?相思相愛なんだからバレたっていいじゃない。どうせ女の子に戻るんだから」
「でも、、バレたときのこと想像するとなんかこわいっていうか」
美登里「啓くん、、じゃなかった。啓ちゃん、、じれったいなあ、、もう、、やっと気持ちが通じたんだから素直な気持ちを言葉にして送ればいいだけでしょ、、」
「それは、、そうなんだけど」
公美子「で、、なんて内容だったわけ?」
「来週の日曜日デートしませんか?って誘われた、、上手くやれるか自信ないよ、、オレ、、ちがったわたし」
公美子「啓祐、、自信もって大丈夫だから、、今の貴女はどこから見ても女の子だから、、あれだけ練習したんだもの」
秀「啓ちゃん、ごめんね、、勝手にチャラ男で女たらしって決めつけて、、でも僕は凄く心配して言ったんだよ、、それだけはわかって欲しい。それに、、」
「それに?なんだよ?勿体つけて早く言えよ、、じゃなくて早く言えば、、」
秀「僕、他に好きな子出来たから、僕の事は気にしなくていいから、、」
楓「えー!それは、、マスコミが知ったら飛び付く情報だよ!パパラッチが追いかけ回すだけじゃ済まなそう、、それより早く事務所に連絡しないと、、折角ドラマの主役に抜擢されたのにこのままじゃ降板されちゃうよ」
美登里「そうですよ、、秀司さんの演技を待ってるファンのためにこんなことしてる場合じゃありません。好きな人正直誰だかファンとして気になりますが、、啓くんの事はわたしたちに任せて戻るべき場所に戻って下さい。」
秀「(冷汗)参ったな、、まさかそこまで名前と顔が知れ渡ってるとは思わなかったよ、、確かに男の僕より啓ちゃんと同性の君たちの方が女の子らしさを教えてあげられるよね、、僕はずっと演技だったから、、、」
楓「あれで、、演技って、、アカデミー賞モノだよ、、流石、子役からお芝居やってただけあるよね、、こっちは安心していいから」
秀「ああ、、あれはかなりしごかれたからね、、(苦笑)じゃあ、お言葉に甘えさせて貰おうかな、、公美ちゃん、////あとで連絡するね。じゃあ僕はこの辺で失礼するよ。」
そういうと立ち上がりポケットからサングラスとマスクを取り出すとつけ直し和室から退室した。
美登里「クス(笑)、、秀司さんが好きな人誰だか、、わかりました。」
楓「え?はやっもうわかったの、、誰だか教えてくれる?」
美登里「そ▪れ▪は、、秘密です。そのうち嫌でもわかりますよ(苦笑)」
楓「嫌でも?」
美登里「はい(苦笑)、、だって凄くわかりやすい反応してるんですもん」
美登里が公美子の方をみて話すのでオレも流石にわかってしまった。
公美子も何だか秀と会話するとき顔が火照っているように見えるし秀の方も同じように意識してる感じ
「なるほど、、オレ、、いや、、わたしもわかったかも、、」
楓「えー!気づかないのわたしだけ?」
公美子「////なんの話?そろそろ本題に入ろうよ」
丁度その時、障子を二回ノックする音が
公美子「はい、、どうぞ」
障子がスライドし、公美子のママこと陽子おばさんがお盆に5人分のマグカップと小皿に盛ったカットされたケーキを乗せて中に入ってきたと同時に白い毛むくじゃらももうスピードで入ってきた。
その事にオレ以外、みんな気づいていないようで
陽子「あら、啓子ちゃん、いらっしゃい。楓ちゃんもお久しぶりね。貴女は、、?はじめましてかしら?なにちゃん?」
オレと楓は軽く会釈し
美登里「はじめまして、朝倉美登里と言います。おじゃましてます。」
陽子「美登里ちゃんね、、宜しくね、、あら?さっきまでいた美少年は?折角、人数分持ってきたのに、、困ったわ、、一個どうしようかしら?、、それに、、公美子、はじめて男の子連れて来たから色々紹介してもらおうと思って楽しみにしてたのに~残念だわ、、啓ちゃん?もう映画見た?凄く参考になったでしょ?」
話ながらマグカップ、ケーキをちゃぶ台へ配膳していくおばさん、残りのマグカップとケーキはちゃぶ台の角に置いている、、そこへ猫のミルキーが忍び足で残りのケーキ近くまで来るその様子をみてから、、何か話さなきゃと我にかえると
「おばさん、ご免なさい。見てる暇がなくて」
未だにミルキーの存在に気づかないでいる楓たち
楓「え?何の映画ですか」
身体を前に乗り出して興味津々におばさんに訊ねる。
陽子「ミュージカル映画の名作よ、、ああ、、貴女たちにも見せてあげたいわ。」
うっとりしながら答えるおばさんに対して公美子は
公美子「あ~あ、、また始まりだした、、ママのミュージカル熱が、、こういう状態になったらママ、、ヤバイのよね、、」
やばい?どうなるんだろう、、そう思っていたら
大人しく身体を丸くしていたミルキーも何がはじまるんだとばかりに興味津々に身体を起き上がらせると、、おばさんが歌いだした。
陽子「夜明け迄も~♪踊りたいの~~♪ベッドはイヤよ~♪踵に翼が生えて~~♪舞い上がったわ~♪高く~~♪夢をのせて~~♪踊りたいの~♪夜の明けるまで~~♪」
え?歌詞日本語?確か借りてた映画って洋画だったよな?
「もしもし?おばさん?」
兎《と》に角《かく》、歌うの然《さ》り気無《げな》く止めさせないと、、
ミルキーはおばさんの歌声に合わせて小声で歌ってるみたいで、、
陽子「、、、(放心状態)え!?あ?わたし、またやってしまったのね。おばさんの大好きな劇中歌≪《夜明けまで踊り明かそう》≫って歌なの、、主人公がナマリの矯正教育特訓の末、漸く綺麗に話せる事が出来るようになりその嬉しさのあまり興奮しすぎて眠れそうもない時に口ずさむ名曲よ、、家で見れる時間無いなら、みんなで今晩一緒に見ましょう、、実は同じものもうひとつあるから、、舞台版だけどね」
なるほど、、映画と舞台版とあるんだ。それよりおばさん、テンションおかしくねえ?オレがそんな風に思っていると
公美子「ママ、、なに言ってんの?明日もわたしたち学校があるんだよ。ママ、、いい加減わたし怒るよ、、もう、、」
陽子「え?今日、土曜日じゃないの?仕事が忙がしいと曜日の感覚がおかしくなるみたいね。」
公美子「月曜日だよ、、ママ、、大丈夫?」
陽子「それはそうと、、はい、啓ちゃん」
そう言うとおばさんはどこから出したのかマジックのように本を1冊オレが座っている座布団の右横に置いた。
「おばさん?なんすか?これ?」
陽子「映画のワンシーンで主人公が骨盤を矯正するため頭に乗せて本を落とさないように真っ直ぐに歩く練習シーンがあるの、、それを体験して貰おうと思ってね」
「え?マジっすか?こんな分厚い本頭に乗せて歩く練習っすよね?、、ムズそう、、」
公美子「啓祐、、しゃべり方おかしいよ」
美登里「クッス、、やっぱり本物の啓くんだ、、」
楓「先ずはしゃべり方直す方が先じゃない?デート来週日曜日なんでしょ?行きなり本番は不味いって、、先ずはデートの予行練習しよう。先ずは誠役誰がする?挙手して」
美登里「はい(挙手)あたしがやります。」
楓「後輩ちゃんしか手挙げてないからこれで決まりね。その前に啓祐、飛騨くんにlineの返信しなきゃでしょ?」
「うん、、何だか緊張する、、」
スマホをバッグから右手で取り出すと電源を入れる、、
陽子「何だかわたし、おじゃまみたいね。みんな遅くなりそうになったら必ず前もって家に連絡するのよ。おばさんは泊まって貰っても構わないからね。」
おばさんは泊まって欲しい気持ちまだ諦めてないようで、そんな風に言うと再び歌いながら障子を開け、部屋から出、障子を閉めた。
公美子はホッと溜め息をつく。ミルキーは誰も構ってくれないから騒ぐかと思いきや秀が先程まで座っていた場所で丸くなって寝ている。
階段を下りる音と歌声がこだまのように聞こえる中、公美子は凄い真剣な顔になって
公美子「わたしの提案としては楓の言うように来週日曜日デートなんて邪道だと思うわけよ。だからその日は用事があるから行けないって断って来月に延期した方がかえって良いと思うよ。女物の服そんなに持ってないでしょ?この機会に洋服買いに行きなよ。ママに貰ったお金まだあるでしょ、、」
「あるけど」
美登里「はい!先輩あたしにも提案が浮かびました。来週日曜日はデートの予行練習も兼ねて、啓くんとブティック行って来ます。」
「美登里と?、、、なんか気まずい、、」
美登里「それってどういう意味よ、、(怒)わかった、、いつもみたいにキスしようとすると思ったからでしょ?でも安心して、、男の子の啓くんだと思ったからそうしてたけど、、女の子ってわかった以上するわけないじゃん、、あたし、これを機に新しい恋探すんだ、、」
「そうなんだ、、(安堵の溜め息)で何処いくつもり?、、秋っていったらどんなの流行ってるのかな?」
美登里「まあ、色々あるだろうけど、大きめのパーカー、オーバーオール、スニーカーが流行ってるらしいよ、、このあいだテレビでやってた。」
「ふーん、、そうなんだ、、オレ、、いや、、わたし全然わかんないからコーデ美登里に任せた。」
美登里「ちょっと啓くん、、じゃなくて啓ちゃん、、自分でチョイスしなきゃ意味ないでしょ、、デートなんだから、、」
オレはスマホに電源入れた事、すっかり忘れていた。
通知音が鳴り出すまでは、、
美登里「え?何の音?」
「わりー、、じゃなくて悪い、、誠からline着てる、、、電源入れてたんだった」
lineのアイコンをタップして友達一覧から誠の名前を選びタップしトーク画面に切り替えると内容を確認するのだった。
コメント
1件
よかったです…!ついに楓ちゃんにも秘密が明かされる瞬間、ものすごくドキドキしながら読みました。それにしても秀くんが俳優だったとは!確かにあの美貌、納得の裏設定ですね。公美子ちゃんの部屋に集まる雰囲気も良くて、みんなそれぞれの想いがあって温かい空間だなあと感じました。美登里ちゃんの告白シーンは切なくて泣きそうになりました…。これからデートの予行練習、どうなるのか楽しみです!