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💙💜【1話完結】
学生設定💙💜
学生時代の二人は、いつだって一緒だった。
くだらない悪さをしては怒られ、
意味もなく張り合って、勝負して、笑って。
口は悪い。
態度も素直じゃない。
でも、呼吸みたいに自然に隣にいる存在だった。
――そう、親友のはずだった。
いつも一緒にいるせいで、周囲は勝手なことを言い始める。
「全然女っけないよね」
「実は付き合ってたりして♪」
「ひゃ〜!BL最高!」
冗談半分のその声は、容赦なく二人の耳に届く。
💙「何言ってんだかw」
💜「好きに妄想させておけ」
💙「実際どうなの?」
💜「何が?」
💙「女子に興味はあんの?」
💜「はぁ?そりゃあるだろ…」
💙「ふーん…」
💙「なぁ……ゲームしねえ?」
─お互い先に惚れた方が負け─
💜「はぁぁ???何言ってんの?正気か?」
💙「お?初めて勝負から逃げる感じ?」
勝負事には本気になる。
それが二人のルールだった。
💜「は?ナメんな」
💜「わかった、やろう」
💙「そうこなくっちゃなw」
そこから二人は作戦を考える。
──────────────
渡辺はまず本屋に行き、BL本から手にする。
💙(おいおい、なんだこの行為)
💙(え?こんなこともすんの!?)
💙(いやいや、これは漫画漫画…)
かなり刺激の強い本を手に取ってしまったようだ。
──────────────
一方…
深澤は
ユーチューブや、SNSを漁る。
動画を見て勉強していた。
💜「へええwなかなか、面白いじゃんw」
お互い
どっちが先に、
どっちが本気になるか――
それだけを考えて。
──────────────
翔太からラインが届く。
💙「とりあえず、デートしてみねぇ?」
💜「いいよ、どこ行くの?」
💙「深澤の好きなゲーセン♡」
💜「ハートマークきもちわるっ」
💜「おっけー、じゃあ明日の放課後な」
──────────────
~放課後~
約束通り俺達はゲーセンに来た。
💙「あーー!取れねえ!!」
翔太は必死にクレーンゲームを操作する。
だが…なかなか取れない。
💙「このアニメのキャラ、めっちゃ好きなんだよ!!」
💜「ふーん」
💜「…ちょっとどいて」
クレーンを操る指先。
一瞬で人形が落ちる。
💜「ほらよ」
💙「は!?お前いつの間にそんな上達して…」
💜「惚れた?」
💙「は?誰がw」
笑い合いながら、
気づけばただの“楽しい時間”になっていた。
──────────────
💜「あー!楽しかった!」
💜「翔太、誘ってくれてありがとな」
💙「…」
💙「これじゃあ、ただの友達との遊びだな」
💜「ほんとだwふつーに楽しんじゃってたわ」
深澤は無邪気に笑う。
💙「……」
💜「次は俺がデートプラン考えるわ」
💜「楽しみにしてて、んじゃ!」
深澤は手を振り、走って帰っていった。
──────────────
後日
深澤からラインが届く。
💜「やっぱ、王道に遊園地だろ!
ここ行こーぜ!」
リンクが貼られる。
💙(こいつ、ガチで落としに来る気だな)
💙(負けてられねえ…)
──────────────
深澤は30分も早く待ち合わせ場所に着いていた。
💙「え?早くね?」
💜「気合い入っちゃってさw」
お互い私服を見合う。
💙「やるじゃんw」
💜「お前もなw」
💜「よっしゃ!まずはジェットコースターだろ!!」
ぐいっと翔太の腕をひっぱる。
💙「おい、痛えよ!!」
腕を掴んでいた手が、そっと形を変える。
指と指が絡み合い、拒む隙もなく、恋人繋ぎに変わっていた。
💙(こいつ、、さては色々勉強してきたな?)
────────
💜「翔太!!アイス食おーぜ!!」
💙「ずっとテンションたけぇな…」
💜「ん!この味うまい!翔太も食う?」
💙「いや、いいよ」
💜「はい、あーん」
💙「おい! むぐっ…」
無理矢理にでも口に運ばれる。
💜「どうー?」
💙「ふつーにうまい」
💜「お前のも、よこせよ」
💙「ちっ、、しょーがねえな」
翔太はそのままカップごと渡す。
💜「えー?あーんしてよ」
💙「…」
💙「はい、あーん…」
チュッ…
💙「…え?」
不意打ちのキス。
💜「俺は、本気だよ?」
その一言が、
胸の奥をぐちゃぐちゃにした。
演技なのか、本気なのか。
💙「………」
💜「どうしたの?黙っちゃって…
まさか本気にした?」
💙「え?」
💜「これ、俺の勝ちかー?w w」
あー…やっぱこいつは、勝負に勝てれば何でもいいんだ。
💙「もー帰ろうぜー 満足した」
渡辺は立ち上がり、出口へと向かう。
💜「…??うん?」
深澤は少し戸惑いつつも渡辺の後を追いかけた。
──────────────
薄暗い部屋の中、
翔太はベッドに腰を下ろしたまま、天井を見つめる。
💙(……あいつは、いつも一枚うわてだ)
気づけば、勝負でも、冗談でも、
いつも先を行くのは深澤だった。
自分はただ、その背中を追いかけていただけなんじゃないか。
それは
友情だったのか。
それとも、ただの憧れだったのか。
はたまた、別の感情かーー
答えは出ないまま、
頭の中には遊園地での笑顔や、
不意に触れた唇の感触が、何度も何度も蘇る。
💙(……女子には興味あるって、言ってたよな)
その言葉が、胸の奥に突き刺さる。
男の自分が、特別な存在になるわけがない。
そんなの、最初から分かっていたはずなのに。
どうして、こんなにも苦しいんだ。
気づけば、涙が止まらなくなっていた。
💙「…なんでだよ…なんで…」
独りきりの部屋で、
そう、何度も小さく呟いた。
──────────────
~深澤 Side~
💜「おい、翔太、おはよ」
いつもなら軽く返ってくるはずの声が、今日はやけに小さい。
💙「……はよ」
それだけ。
目も合わないし、声にも張りがない。
💜(……なにこれ。調子狂うんだけど)
昨日までは、あんなに普通だった。
いや、普通以上に――近かったはずだ。
💜(キス……結構、刺激強かったか?)
どう声をかければいいのか分からなくて、
いつもの軽口も出てこない。
初めてだった。
翔太との距離感が、分からなくなったのは。
──────────────
~体育授業バスケ~
体育館にはボールの弾む音と、
生徒たちの声が響いていた。
翔太はいつも通り動いている――
そう、思った次の瞬間だった。
ガターン!!
鈍くて重い音が、体育館に響く。
💜「……え?」
視線を向けると、
翔太が床に倒れ込んでいた。
女子「きゃー!!翔太くん大丈夫!?」
周りが一気にざわつく。
誰かが名前を呼んで、誰かが先生を探している。
💜「翔太!?」
気づいたら、俺は走り出していた。
考えるより先に、体が動いていた。
💜「おい、動くな!」
翔太の顔は歪んでいて、
足を押さえたまま立ち上がれずにいる。
💜「足ひねったのか?…」
💜「いいから、腕回せ」
俺は翔太の体を引き寄せる。
思ったより軽くて、
思ったより近い。
翔太の体温が、はっきり伝わってくる。
💜「保健室行くぞ」
返事を待たずに抱き上げて、
俺はそのまま体育館を出た。
周りの視線なんて、どうでもよかった。
今はただ
翔太が無事でいてくれれば、それでよかった。
──────────────
手当を終えた保健室の先生が、救急箱を閉じながら言った。
「じゃあ、お大事にね。
私ちょっと外出するから、深澤くん、
渡辺くんのこと、見ててあげて」
💜「はーい」
扉が閉まる音が、やけに大きく響いた。
💜「……なぁ」
💜「今日、どうしたんだよ」
ベッドに腰かけた翔太は、視線を落としたまま動かない。
💜「ずっと元気ねぇしさ。お前らしくない」
💙「…………」
沈黙が、胸に刺さる。
💙「……お前さ」
💙「もう、俺に近づかないほうがいい」
💜「……え?」
💙「俺の負けだ」
💙「この勝負も、全部」
💙「もう構うな」
💙「……気持ち悪いだろ?」
💙「この勝負を仕掛けたのも……
無意識に、お前のこと考えてたからだ」
💙「好きだった……」
声は震えていた。
保健室が、しんと静まり返る。
💜「……“だった”?」
💜「なんで過去形なんだよ」
💙「……は?」
💜「俺が彼女作らねぇ理由、なんだと思う?」
翔太が、ゆっくり顔を上げる。
💜「お前が好きだから」
💜「それだけ」
💙「は?……でも」
💙「お前、女子に興味あるって……」
💜「んなわけあるか」
💜「相手の気持ちも分かんねぇのに、
男が好きなんて簡単に言えるかよ」
💜「……気持ち分かれよ、アホ」
その瞬間、
胸の奥に溜め込んでいたものが、溢れた。
💜「……これからはさ」
💜「堂々と、デートしよ」
💙「……サウナとか行ってみたい」
💜「うん」
💙「あと、映画も」
💜「うんうん」
💙「とにかく…ずっと、隣にいてほしい」
その瞬間、
深澤は翔太を強く抱きしめていた。
💜「全部」
💜「ぜーんぶ、実現させよ?」
――今、この瞬間が。
人生で一番、幸せだと思った。
おわり。
コメント
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初めまして😊 良いですね✨ キュンキュンしました☺️💕