、←多めです。
続きます。
待ってて。
後半雑、すっっげえ雑。
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星導side
芸術的で、ドラマチックで、悲劇的で、でも、現実で、なぜか、時間の流れが、遅く感じて、赤い閃光が、目に焼き付いて、キミの、焦りを含んだ目が、なぜか、鮮明に見えて、ゆっくり、ゆっくり、重力に従う、キミを見て、俺は、ただ地面に対して垂直に、立っていて、重いものが、倒れる、音が、聞こえて。
「こやっ……なぎく……」
キミは、俺を見て。
その表情は、どこか、安らかで、どこか、諦め、ていて。
「…すまん、ゆだんした」
「星導、……あいしてる」
と、口角が弧を描いて、目を細めて、きれいに、笑ったキミは、其の儘、動かなくなって、顔がいつもより、青白くなって、対照的に、腹にある赤は、彩度を増していて。最後、の単調な、五文字が、耳に焼き付いて、どうしても、はなれなくて。
「…ロウ?ね、え?」
とおくで、だれかの、叫ぶこえがきこえる。其れは、自身から、発せられていて。
「う、あ、あぁ、ああああ”ああああ”あああ“ああ!」
喉なんて、気にもしなくて、目の前の、つめたい、キミの、前で、屈んで。
認めたくない。こんなの現実じゃない。
周りにいた、白黒を、宇宙に飲ませて。
赤で彩られた、冷たいキミを、だきかかえた。
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伊波side
西の拠点で、仲間二人の帰還を待っている。
「ねえカゲツ。二人遅くない?」
白髪が揺らめいて、こちらを見た。
「そうやなぁ…でも報告来とらんのやろ?なら…大丈夫やない?」
最悪は、未だ、目を覚ましていなかった。
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星導side
嘘だ、嘘だ嘘だ嘘だ。
必死に否定しても、鼓動を刻まない心臓に、自身の体温すら奪う、冷たさに。言い訳はできなくて。
腹にパックリ空いた穴が、何よりも存在を主張して。
泣いて、泣いて、泣いた。だきしめて、だきしめて、どれだけ願っても。現実は無情で。
自身が汚れるのにも関わらず、キミを抱きしめた。
嗚呼、世界は、ヒーローは、現実は、時間は、無情で、だれも助けてくれない。
どうすればよかったんだろう。
どうしたら、キミを救けれたの?
ねえ、だいすきだよ。ずっとずっとだいすき。
もっといえばよかったかな。キミと過ごせてた時間を、もっと大事にすればよかったかな。
ねえ、あいしてる、あいしてる、あいしてる。
ねえ、もどってきてよ。おねがい。
儚げに、笑う、キミが。
色素の、薄い、肌が。
照れて、火照る、頬が。
話すと、動く、唇が。
俺を、見る、瞳が。
華麗に、動く、手足が。
情事、上擦る、喘ぐ、声が。
俺にしか、みせない、優しさが。
ぜんぶ、ぜんぶ、たからもので、愛おしくて。
だいすきで、だいすきでだいすきで。
これが「人を愛す」、ということで。
……かけがえのないもので。
……いやだ、しなないで。そばにいて。はなれないで。
ああ、そうだ。隠してしまおう。この、無情な、現実から。
だれも、たすけてくれない、世界から。
俺たちのセカイで、ふたりだけのセカイで、ずっと、ずっと、シアワセに________、
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noside
「ライ、そっち居たか?」
「居ない…どこにも居ない」
「こちら佐伯、二人ともいなかった。」
「こちら宇佐美、テツと同じく。」
「こちら緋八、…同じく。」
「こちら赤城、…ごめん。」
ザザッと無線の音が四つ鳴る。
あの二人がいなくなってから二週間。
西も東のヒーローも、二人を探している。
「なぁんで、家の場所聞かなかったかな」
今更後悔しても遅い。
「家…か。…あ、家、!!」
「?どうしたの、カゲツ。」
「知っとる、家。星導の。」
「…なんで先に言わないの!?」
カゲツが乱雑に無線を取り、東に言う。
「こちら叢雲!星導の家行く!…すまん、今思い出した。」
「こちら佐伯。俺らも西行こうか?」
「こちら伊波。頼んだ!」
ブツリと無線を切り、先に行ったカゲツの跡を追う。
なんでさっさと思い出さないんだよこのバカ!!!
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星導side
小柳くんと一緒に住んでいた家。元々は俺の家なんだけど。
その中で、俺たちだけのセカイで、二人っきり暮らしている。
「小柳くん、俺今、すっごいしあわせです。」
『ん、そう、俺もしあわせ。』
「ずっと考えてたんですよね〜、いつかヒーローを辞めて、小柳くんと一緒に生涯暮らすって。」
『そうだな、ヒーローは、辞めたかった。』
「え?そうなんですか?ならさっさと辞めれば…と言いたい所ですが、まあ、仲間、が、いましたもんね。」
『…なあ、星導、俺たちいつまで逃げれると思う?』
「………逃げる?何言ってるんですか。今二人だけ暮らしてるんですよ。」
小柳くんを抱きしめる。
俺が好きなホワイトムスクの香りがした。小柳くんに目を向けると、儚げに笑っていた。
きれいで、夢のような光景。ずっと続いて欲しい、このセカイが。
あまりに純粋な愛。俺でさえウトウトしそうだ。甘くて、蕩けそうで。
小柳くんの、綺麗なブルーグレーの髪を撫でた。
『、そうだったな。』
「…ご飯、何がいいですか?るべち、今日はオムライスの気分なんですよね。」
『なら作れば?』
「了解です!美味しくなるように、愛情込めて作るね。」
『なあ、星導』
小柳くんの言葉を遮る。
「…今は、食べれなくて大丈夫ですから。」
…ピンポーンと、愉快な呼び出し音が聞こえた。
其れと同時に、セカイの、壊れる音が聞こえた。
『ほら、来客。早く出ろよ』
「いやだ、でたくない。」
『星導、「でたくない!」
「いやだよ、小柳くん、俺たちのセカイが、おわっちゃう。」
『ショウ。大丈夫、』
「…ロウ。…あいしてる」
『あいしてる』
よかった。今度はちゃんといえた。
俺、悔いはないよ。小柳くん。
ヒーローも、世界も、現実も、忘れて。
小柳くんと二人、シアワセなセカイで生きられたんだもん。
膝枕していた小柳くんを退けて、床にそっと置く。
そのまま立って、扉の前に立つ。
やっぱり、手足は震えて、動悸がひどい。
『星導』
きっと、最期の、呼びかけ。
「なあに、小柳くん」
くるりと振り向いた。
『きっと、あいつらは許してくれるよ』
「…許してくれるかな、」
『俺が言うんだから大丈夫』
「うん」
『…じゃあな、星導』
お別れの鐘が鳴る。理性が戻る。
セカイが崩壊する______。
『また、来世でな。行ってらっしゃい。逝ってくるわ。』
「ええ、また来世で。行ってきます。逝ってらっしゃい。」
完全なる崩壊。
俺は、幸せだった。
自分の妄想であっても、小柳くんの生をギリギリ迄伸ばして。
俺の、夢も、叶えられて。
ばいばい。小柳くん。
また来世で。
次はヒーローになんかならずに、幸せに生きようね。
コメント
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最後のいってきますトークすげぇ好き。 やっぱ天才だわ自分…