最近よく、怖い夢を見る。
痛いような朝日が窓から私を照らす
朝が来たんだな、そう感じる瞬間
そしてそれと同時に、夢を思い出す
「…ほんと、嫌な夢だな」
息が詰まって、苦しくなる
そんなことが日々毎日起きる
両親もいない、家庭がない私は助けられることなどない。
両親が建てた家で朝昼夜を過ごす
全てが嫌になる
だからまた、深い眠りにつく。
昼に起きて、何も考えずにボーッと過す
そんな日々が普通に感じてしまった。
楽しそうに笑う子供の声
そして転ばないように優しく声をかけ、注意する母親の声。
いじめにあって、助けを求めてる声
沢山声が聞こえる中、また眠りにつく
夕方頃になると準備をする
私が生きていく中で最も早くお金を稼ぐ方法。
母の形見のくしを使い、髪をとかし
父に貰ったネックラスを首にかけ
姉に貰った可愛らしい洋服を着て
祖父母に貰った赤色のヒールを履いて
甘い紅色の口紅を塗り
変なところがないか割れた鏡で容姿を見る
「…いい…かな。」
とても、綺麗に仕上がってる
そんなことわかってるのに。
何処か、変に気持ち悪く
これからすることに手間をかける自分が酷く憎くて、愛らしさの欠片もない
こんな自分が大嫌いだ
心の準備をして、夜9時ほどの街に出る
遊んでいる学生
帰る途中の社会人
浮気を働く既婚者
ナンパされている女性
家出をしてきた子供
ホームレス
そんな沢山の人が居る街
私は仕事をしに行く
『あ!○○ちゃんやっと来たの!』
「遅れてすみません…笑」
作り笑いで話す
20歳ほどの男性
婚約指輪をしていて、酒も飲んでる
『じゃあいつものとこ、行こっか?』
「…はい。」
当然かのようにボディタッチをしてくる
チラチラと胸を見てはニヤけてる
気持ち悪くて仕方がない
でも仕方ないから。我慢する
ついたのはホテル
LOVE という文字が嫌でも目に入る
『じゃあ先にご飯食べよっか!』
「はい」
『おじさんが奢ってあげるね♡♡』
「ありがとうございます」
一日の食事はこのようにとってる
十分な食事を取り、やっと時間は来る
「先、お風呂入ってもいいですか?」
『うん!いいよ!』
『綺麗な○○ちゃんが早く見たいなぁ♡』
「あはは…っ笑」
丁寧に、傷がつかないように身体を洗う
頭から、つま先まで
しっかり、丁寧に
「お風呂、上がりました」
『あ!やっとだねぇ♡』
『早く僕のでぐちゃぐちゃになってね♡』
何を言ってるんだろう
ぐちゃぐちゃになるのはそっちなのに
強気に出た男性は私を押し倒そうとする
その間数秒ほど沈黙が続く
『…あ〜…ッ…と、』
戸惑った顔が目の前にある
少し赤くなる彼の顔
ポタッ…と垂れてくる汗
ため息をつき、我慢出来ずに押し倒す
いつも、いつもそう
最初は気持ち悪い、早く帰りたい
そんなことを思うけど…
ベッドに着くと彼の表情に全てを乱される
怖くて、醜くて仕方がない
焦った表情でこちらを見る
私はどんな顔をしているのだろう
『○○…ッ…ちゃ…』
冷や汗と緊張でぐしゃぐしゃになった顔にキスをする。
悩んでる間が1番の困難で、苦しみだ。
『んッ…♡…ぁッ…ふ…っ♡』
「ッ…は…」
普通は女が喘いで
男が攻めるはず
だけど私達の関係はただのセフレ
男が喘いで
女が攻める
まるで漫画のような話
今にでもハートが浮き出すかのような目に眩んで、彼の服を焦らしながら脱がす
ピクッ…と、身体をはねらせ
必死に私の名前を呼ぶ
いつ見ても白く傷のない肌に嫉妬する
くっきり見えるキスマーク
そして物欲しそうにしている性器
私は少し興味本位で体に手を滑らせた
『ぁッ…///ピクピクッ…』
「…」
本番で感度が上がってる
涎が垂れ、目には涙を浮かばせ
林檎のように赤色表情をし、腰をはねらせ
シーツを手でギュッと掴んでいる
ゾクゾクッ…と、我慢出来ないという本能を体に感じ、私は作り物の性器を付け、彼の足をグイッと持ち上げた
『へッ…/// ま゛ッ…ぁッ?!』
「ッ…ふぅッ…//…待てない…ッ///」
『ん゛ぁッ♡ あ゛ッあぅ゛ッ♡ぉぐッ…きて…ぇッえ゛ッ♡うぅ゛うッ♡』
口元を即座に隠し、彼は声を我慢できずに鳴いている
愛しくて、可愛くて
恋愛感情なんてないのに
「もっと声聞かせて…ッ?///」
ズチュッ…
『あ゛ひぁ゛ッ?!♡ ゃらぁッ♡やらぁあ゛ッ♡聞かなぃッ…れぇ゛///』
「やーだっ♡///」
ゴチュッ…
『ぉ゛ッ♡?! んぁあ゛あ゛あ゛っっ♡♡』
ビュルルルルルッ…
あまりの気持ちよさに達する彼
いやらしい音が響いて、不思議な感覚に襲われる
『ぁッ…ん…ッ…♡』
「お疲れ様」
チュッ
おでこに口ずけをし、ぐちゃぐちゃになった彼をお風呂に入れた
『…変なことしないでよね』
「して欲しいんですか?」
『っっ…?!/// 違ッ…////』
ちょっと意地悪をしたりなんかもした
最初は嫌だったのに、やったあとはとてもいい気分で、清々しい
『あ、…今日のお代ね』
『はい、10万』
「ありがとうございます」
『…また、よろしくね』
「ハマったんですか?」
『違う…ッ…///…ストレス解消になるだけ…』
「奥さんとの子作り成功しますかねぇ」
『うるさい…///』
最初はあんなに調子に乗ってたくせに、事後はとても可愛らしく大人しい
普段もそうだったらいいのに
やっぱり私にはこの仕事が合ってる
でもあいつとじゃないと出来ない
そんなことを思いながら家へ帰る
「はぁ〜ッ…腰痛いなぁ…」
家に帰ると疲労感が強く出てくる
ぼふっとベッドにダイブして眠りにつく
そしてまた見る
微かに恋をしている彼と愛を育みたいという
欲望と、欲望と、叶わぬ夢が詰まった
嫌な夢を見る。
コメント
2件
性癖過ぎる。゚(゚´Д`゚)゚。