本来なら結婚の儀を行い、協定を結ぶはずだったこの瞬間に、俺はチェス盤を挟んでアゼベ王と向かい合って座っている。
手始めに白のポーンを動かし、スタートさせる。
初めは乗り気じゃなかったように見えたアゼベ王も手を進めるごとに、笑みを浮かべるようになった。
「ほう、その手できたか。となれば……」
攻めようとする俺の駒運びに、守りを固めるようにアゼベ王が応戦する。いつのまにか目の前の勝負に夢中になり、誰も一言も発することがないまま、ただただそこにいる人たちがチェス盤を眺めている。
「うむ。いつの間にか腕をあげたようじゃな。特訓でもしたのか?」
「ええ。彼女が付き合ってくれました」
「セレーネか」
「はい」
中央まで攻め込んでいたナイトの駒でビショップを取ると、アゼベ王がすかさずナイトを取っていく。そんな攻防戦が**********
***************
***************
*****************************
*************
*********************
******************
*************
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!