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「アンタを大将と呼んでいいか」
…
…
「え、えぇぇいいんですか…!?」
あまりの事に布団から飛び出してしまう
「ゔっ…」
「落ち着けって」
「あ、あの本当に良いんですか。これ夢じゃないですよね」
「夢じゃないぜしっかり現実だ」
そう言いながら頬をグイグイ引っ張ってくる
「痛い…現実だ…」
「だろ?」
「あはは…嬉しいです…」
あまりの嬉しさに口が緩んでしまう。懐かなかった猫が擦り寄って来てくれた時並に嬉しい。泣きそう。
「大将…その名に相応しい人になれるように…頑張りますね」
「あぁ期待してるぜ」
「ふふ…」
次目が覚めたのは…多分昼頃だろう。気が付けば眠っていたらしい日が登りきっている。
「いてて…全身痛過ぎる…」
まぁ慣れてないのにあれだけ霊力を出せばこうなるだろう。知ってたよ。
「お水…水を飲みに行こう…」
ゆるりゆるりと立ち上がりそのまま廊下を歩いて厨に向かう。
「あぁおはよう主!やっと起きたんだね」
「あぁおはようございます燭台切…」
ん?主?
「主!?」
「ダメ…だったかな?」
「え、あいやそんなことはないんですけど、急にどうしたんですか」
「僕も君を信用してるから。ただそれだけだよ。」
「は、はぁ…」
「それに!薬研くんだけ主呼びなんて何だかずるいからね。」
何が何だか分からないままコップを取り水道水を出して水をゴクゴクと飲み干す
「そういえば傷はもう大丈夫ですか?」
「うん。かすり傷も全部ないよもう大丈夫。」
「良かった…本当に心配したんですからね…もうあんなに怪我しないでください…」
「かっこ悪い所を見せちゃったね、昨日は本当にやらかしちゃって」
「謝らないでください、母屋の方で何かあったんですか?」
「うん…まぁそうだね、」
簡単に言えば燭台切が他の刀剣男子に私の所へ来てみないかと何振りか誘っていたらしいのだがそのうちの何振りかが裏切りだなんだと怒って刀を出す程の争いになってしまったらしい。
「…大変でしたね」
「まぁ裏切り行為という事には変わりないからね。前の主を僕は裏切ってしまった」
「燭台切は悪くありません。皆を救いたいからこその行為なんでしょう?それは悪なんかじゃない」
むしろ勇敢でかっこいいですよと言うと
「かっこいいか…ふふ嬉しいな」
あぁやっぱりこの微笑んだ顔が堪らなく愛おしい。守りたいこの笑顔。
「ところでさっきから何を作ってるんですか?」
「あぁこれね」
何やらいい香りが漂うこの料理に目がいってしまう
「昼餉のそぼろ丼を作ってるんだ」
あとはししゃもとか色々
「これは美味しそうですねぇ…」
流石燭台切。相変わらずとんでも飯を作り上げている
「早く食べたいな…」
「その前に服を着替えておいでよ。すぐできるから」
「はーい」
軽くスキップをしながら廊下を進んでいく
(そういえばあの3振りは起きてるだろうか)
着替える前に彼らがいる居間に寄ってみた。
「おはようございます〜…」
そこにはすやすやと眠る天使たちがいた。
「私ついに死んだか…」
昨日注文したパジャマを私は見ていないから知らなかったのだ。
五虎退さんはパステルイエローの虎柄パジャマ耳がフードがありそこに耳がついている。
秋田藤四郎さんは桃色のうさ耳がついたパジャマ。モコモコでマジ子うさぎ。食べたい。
薬研藤四郎さんは可愛いと言うよりかっこいい。黒や薄紫の入ったシンプルなパジャマ
3振りともありえないくらい尊い。わたくし気絶しちゃいそう。
「ん…大将か」
驚きで固まっていると薬研藤四郎さんが起きたらしく起き上がってこっちを見ている
「あぁおはようございます、すみません勝手にお邪魔して」
「いや気にせんでくれ」
「あ、そうだ。そろそろお昼ご飯できるみたいですからお早めに着替えて置いた方が良いですよ」
「お、もうそんな時間か、なら2振りもそろそろ起こさねぇとな」
「じゃあ私も着替えてきますね」
「あぁまた後でな」
「さて私も着替えるか」
着替えはネットで注文したジャージ。少し大きめだが動きやすさに問題は無い。まぁ絶妙にダサいが
「この審神者って刺繍どうにかなんないかな…」
「昼餉できたよ〜!」
燭台切が呼びかける
「燭台切さん目が覚めたんですね良かった…」
「目覚めたばかりだってのに凄いな燭台切の旦那は」
「本当に手入れって凄いですね…」
「冷めてしまうよー」
「はーい今行きますー」
急いでそれぞれ手を洗って厨に向かう。
「そういえば燭台切さんのご飯食べるの初めてです!」
「楽しみですね…!」
そうかまだこの子達はまともに燭台切のご飯を食べたことがないのか
「燭台切のご飯は絶品ですから期待しても良いですよ」
そう言うとわぁっとキラキラ目を光らせながらルンルンで厨に向かう
「ごめんね手伝わせちゃって」
「協力し合うのは普通の事ですからね 」
それぞれ自分の分を居間の机に運んでいく
「さてそれではいただきましょうか」
しっかり手を合わせて一緒に
「「「いただきます!!!」」」
まずは1口味噌汁からいただいてみる。
…美味すぎる。全身を芯から温めるようなそんな温もりと優しい風味と優しい味。びっくりするほど美味しい
「これは美味いな…」
「このそぼろ丼もとっても美味しいです!」
「絶品ですね…!」
「ふふ、お口にあったようで何よりだよ」
ぱくぱくと皆が食べ進める中私もゆっくりと箸を進めていく。少し前まで大量のレポートやバイトに追われ大変だった日々とは大違いだ。心地よいこの空間がいつまでも続けば良いのに…とは思ったがそうはいかない。
「あの、薬研藤四郎さん」
「薬研でいいぜ大将」
「え、と薬研…さん」
「さんもいらん」
「薬研…」
「なんだ大将」
見た目だけなら儚げに窓際で優しい風に吹かれながら本を読んでそうな彼だが意外と強気だ。だがしかしこのギャップがたまらんのだ
「えっと確か今母屋の方には穢れが溜まっていて過ごしやすい状況ではない…んですよね」
「まぁそうだな」
「ここへ来た時私がいればこの本丸の霊力が安定すると聞いてたんですがそれではどうにかならないのですか?」
「どうにかできない事はない。だが今あの屋敷には数十振りと元大将だったものの穢れが溜まりに溜まって本来霊力が通うはずの道が封じられて浄化ができなくなってる」
「解決方法は…」
「屋敷の穢れ全てを取り除く以外ないな」
「まじですか…」
これからも道のりは長そうだ。
「食事中にこんな話してすみません。先に食べちゃいましょう」
「しっかり噛んで食べるんだよ」
燭台切がこちらをじっと見てくる
「はい…」
焦って食べようとしているのがバレていたらしい
「ご馳走様でした」
とても美味であった…何度でも食べれそう…
「あ、あの!」
「わっどうしました?」
そこに居たのは秋田藤四郎さんと五虎退さんだった
「どうしたんですか?」
どうやら2振りとも何か言いたげな様子らしい
少ししゃがみ
「なんでも話してください」
そう言うと
「ぼ、僕達も貴女を主君と呼びたいです!」
「ほ、本当に?」
「はい…!」
「良いの…?」
こんな可愛くて素敵な子達に主と、そう呼んでもらえることが嬉し過ぎてついポロッと涙が零れてしまった。
「わ、わぁ大丈夫ですか!?」
何よりも色々と複雑な気持ちもあるだろうにそれを押し切って私に心を少しでも許してくれた事が嬉しいのだ
「ごめんね…ありがとう…」
あわあわとしながら行き場の無い手を振ったりしている姿が尊い
「えっと…それで主君とお呼びしてもよろしいのでしょうか」
「はい、もちろん!!」
嬉しすぎ過ぎて2振りを思いっきりぎゅーーっと抱きしめてみると
「あ、あるじさま僕潰れちゃいますー!」
「落ち着いてください主君ー!!」
と少し苦しそうだったが今だけはどうか許してほしい
「ふふふ……ん…?」
何かピンク色の花びらのようなものが手のひらに落ちてきた
「これは…桜の花びら?」
今は桜が咲く時期でもないのになぜ桜…?
「大将ここにいたのか…ってそれ誉桜じゃねぇか」
「ほまれさくら?」
「俺たち刀剣男士が嬉しいとか喜んで高揚したり戦場で誉を取ってきた時に出る桜の花びらだ」
「え、それってつまり」
「抑えていたのに…恥ずかしいです…」
アタイ決めた。この子達を一生幸せにする