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1話目
もうなんで生きているのかわかんない。
『生きたくない』なのか『死んでもいい』なのか。
その夜は、無性に外に出掛けたくなった。
気の向くまま、ただ、ただ、歩いた。何を見たか、何を聞いたか、何を考えていたのか、そんなことも覚えていなかった。
気づいた時には目の前に大きな森が広がっていた。もう街からずっと遠いところまで来ていた。帰ろうとは思わなかった。
だから、あるようでない道を歩いていった。
森は暗くて、時々変な音が聞こえて、人の気もなくて不気味だった。でも、ネオンの光る眩しい飲み屋街よりずっと良かった。
しばらく歩くと、目の前に大きな門が現れた。驚いて、周りを見渡すと1つの古びた看板が置いてあった。『ukikissa』喫茶店…?
何がともあれ、今は帰り方が分からない。人がいることを信じて、勇姿を出して中に入った。
門から洋館までには庭があった。
すごく大きな庭。でも、噴水は壊れていて、植物もげんなりしてお世辞にも綺麗とは言えなかった。
洋館の入口には大きな一枚空きのドアがあった。木の色は濃く、金色であっただろうドアノブは、緑色になるまで年月が立っているようだった。
1度大きく深呼吸して、ドアノブをそっと引いた。
中に入ると1番最初に目に入ったのは、大きな鏡。でも、割れてる。左上が割れてる。何かに導かれるようにその鏡に触れた。何かが起きた訳じゃない。でも、気づいた。これは合わせ鏡だ。なんだか、気味が悪い。
廊下は静かで自分の心臓の音だけが大きく響く。その中で、声が聞こえた。笑い声。この雰囲気には全く合わない、まるでボードゲームでもしているかのような笑い声。その声の聞こえる方へ歩くしかなかった。
進むごとに床が軋み、音は響き、1つ1つ不気味な品が増えてゆく。割れた合わせ鏡から始まって、割れたのティーカップとカトラリー、額縁の破かれた絵、それから、埃まみれの破れた人形、床には枯れた花と割れた花瓶、そんなものが次々目に移り、どうにも薄暗い月光のせいか、光の反射がおかしく見えた。
1番奥の部屋、ここまでたどり着いた。
ここからだ。ここから楽しそうな声が聞こえる。
目を閉じて、思い切りドアを開けた。
中は本当に喫茶店だった。カウンターに座っていた、金髪の男が話しかけてきた。
「Hi! How are you? I’m Sonny Brisko! please tell me your name,」
彼はとてもフランクで馴染みやすかった。
「My name is Alban Knox,nice to meet you,」