テラーノベル
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シャワーを浴び、いつも通り念入りに化粧水と乳液を肌に叩き込む。
普段ならこのスキンケアの時間は、俺にとって一番心が落ち着く時間のはずだった。
なのに、今日は全然集中できない。
髪をタオルでガシガシと拭きながら、俺は吸い寄せられるようにベッドへ向かい、スマホを手に取った。
画面を開き、ブラウザの検索バーに指を走らせる。
▸『男同士 恋人 何する』
……自分で打ち込んでおいて、急激に恥ずかしさが込み上げてきた。
何やってんだ俺。マジでバカだろ。
でも、気になっちゃったんだから仕方がない。アイツは「恋人らしいことなんて分かんねぇ」って笑ってたけど、世の中の男同士のカップルってのは一体普段どう過ごしてんのか。
検索結果に出てきた恋愛コラムや掲示板のサイトを、あーでもない、こーでもないと眉間にシワを寄せてスクロールしていく。
「『一緒にゲームをする』……いや、それは普段からやってる」
「『お互いの服を貸し借りする』……服の系統ちょっと違うしな」
「『夜のスキンシップ』……っ、飛ばす飛ばす!」
一人で画面にツッコミを入れながら指を動かしていると、ある記事の見出しでピタッと指が止まった。
『・カップルでお揃いのものを身につける』
お揃い。
ペアリング、ペアグラス、色違いの鍵輪……。
「……お揃い、か」
画面を凝視したまま、ぽつりと呟く。
もし、俺とふっかが普通に付き合ってる本物の恋人同士だったら。
「これ、色違いで買おうぜ」なんて、軽口っぽくお揃いの何かを買ったりできたんだろうか。
でも――。
「無理だろ、俺には」
画面を消して、スマホをベッドに放り投げた。
仰向けに倒れ込み、天井を見上げる。
俺は昔から素直じゃない。
自分の気持ちを言葉にするのが下手くそで、いつだって強がりばかり言ってしまう。
「お揃いの買おう」なんて、ガラじゃないことを言える度胸なんて俺にはない。
それに、今の俺たちの関係はあくまで「お試しの恋人ごっこ」だ。
重いって思われたらどうする?
佐久間の穴埋めだとしても、ふっかに嫌われたくない。調子に乗って本気だと思われるのが怖くて、一歩踏み出すのが足すくむほど恐ろしかった。
「言えるわけねぇじゃん、バカ……」
湿ったタオルを顔の上にバサッと被せる。
暗闇の中で、さっき繋いだふっかの手の温もりが、まだ右手のひらに残っている気がした。
素直になれない自分が心底嫌になる。
ただ「お前と恋人らしいことがしたい」って、それだけのことなのに。
タオル越しに漏れた俺の溜め息は、静かな部屋の中に虚しく消えていった。
コメント
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みぅです🤍🥀 第5話、読み終えたよ…。 検索バーに「男同士 恋人 何する」って打ち込んじゃう主人公、めっちゃ可愛いけど切なかったなあ。 お揃いのもの、欲しいのに「言えるわけねぇじゃん」って自分で蓋しちゃうところ、胸がギュッてなった。 右手に残る温もりっていう表現がすごく響く…言葉にできない気持ちが溢れてて、もどかしいけど愛おしいよ。 めんぼうさんの書く主人公の不器用な優しさ、ちゃんと届いてるよ🌙

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KamassKRRR (くらリ
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