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それでは早速作品です。
どうぞ!、?
この物語は繝#%繧]繧[キ魎?繝@!です。
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「このパフェおいしー!湊、ありがと!」
明るい声の主へと目線を上げる。目の前には幸せそうな笑みを浮かべる女子高生。俺の彼女━━━━━━━━━因幡美津紀だ。無垢な笑顔をこちらに向けている。
「どーいたしまして。美津紀、パフェ好きだもんなぁ。」
俺の言葉にはにかみながらえへへ、と笑う。可愛いなぁ、と呟くと、顔を真っ赤にして恥ずかしいじゃん、やめてよ!と照れる。彼女の笑顔は、暗い世界など一度も見たことが無いような無邪気さを感じる。俺にとってそんな彼女は守りたいと思う程に大切な存在になっていた。付き合って半年が経とうとしている今でも、その思いが消える気配は未だ無い。きっとこれからも無い、と思っていた。
━━━━━━━━━あの日までは。
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キーンコーンカーンコーン キーンコーンカーンコーン
四限の終了を知らせるチャイムが鳴り響き、クラスメイトががやがやとしながら席を立って散っていく。昼休憩の時間は食堂に行く奴、購買に行く奴など、人によってまちまちだ。俺は母親が健康、特に俺の体に気を遣うので、毎日弁当を持たされている。ありがたいとは思うものの、何となく気恥ずかしい。何故俺の体にあそこまで気を遣うのかもよく分からない。そもそもこの疑問を持つのは高校生活でもう何度目か分からない。
そんなことを考えながら暫くぼーっとしていると、ハク達がやって来た。
「湊、一緒に食べよーぜ。」
「ん、食べy「湊、一緒にお昼食べよ!」
返事をし終わる前に元気な声が割り込んできた。声の正体は顔を見ずとも分かる。
「美津紀。」
「湊、早く行こ!」
「おいおい、俺達が先約だぞ?」
「えー、でも私湊と食べたい。いいでしょー?」
美津紀がハク達をじっと見つめる。
「......あ、あぁ。」
「ふっ......ははははは。」
思わず吹き出してしまった。
「お前は何笑ってんだよ。」
「ごめんごめん。」
美津紀がいいでしょ、と言えば、ハク達が苦笑いしながらしぶしぶ承諾する。見慣れた光景。相変わらず美津紀のかける圧力はいつでも効果抜群だ、なんて思いながらこの光景を見ているといつも自然と笑ってしまう。
━━━━━━━━━ただ今日は、ハクだけ笑っていなかった。少し俯いて、何かに悩んでいるような、躊躇っているような、そんな表情を浮かべていた。ハクがこんな顔をするのは珍しい。何か悩みでもあるのだろうか?
「……ハク?どうした?」
声を掛けると、はっとしたように顔を上げて、笑った。その笑顔が取り繕ったものに感じたのは、考え過ぎだろうか、いや、きっとそうだ。ハクに限ってそんなことはない。アイツは本能のままに生きる、自由奔放奴を体現したような奴だ。
「あぁ、ごめん。一寸考え事してた。」
考え事とは珍しいな、と思う。
「そう?じゃぁ、ごめん、また今度で良い?」
「オッケー。それじゃ、お幸せにー。」「じゃぁなー。」
口々に別れの言葉を告げて立ち去っていく友人達を見送る。
その背中を見て、強い違和感を感じた。
_______まただ。ここ最近、ふとした時に感じるようになった。図書館など静かな場所では特に強まる。何か、忘れているような、何かが足りないような、違和感。その正体は分からないし、分かってはいけないような気もする。自分が知るのを拒絶しているだけだろうか。
何かとてもくだらないことを延々と考えている気がして、気持ちを切り替えるために上を見上げ、天井を仰いだ。
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帰り道。いつものように美津紀と歩いていた。ただ、昼に感じた強い違和感への疑問と好奇心が頭を占領していて、会話が頭に入って来ない。美津紀の声に適当に相槌を打っていると、
「なと、湊!……どうしたの?」
美津紀俺の顔を覗き込み、心配そうな表情を浮かべていた。
「っ、ごめん。聞いてなかった。何だっけ?」
心配させてしまったことと話を聞いていなかったこと両方に申し訳なさを感じつつも、特に理由もなく咄嗟に誤魔化してしまった。出来れば何も無かったことに……。
「……なんかあったの?」
バレた。そして……これは話さないと許してくれないやつだ。
「……最近、違和感を感じるんだよ。」
「違和感?」
「そ。何かが頭から抜け落ちてるような、何か忘れてるような。そんな感じ。」
きょとんとした顔を浮かべる美津紀。俺の悩みなんて軽く受け取って欲しいんだが。
「美津紀?」
急に美津紀が黙り込んだ。不思議に思って美津紀の顔を覗き込もうとすると、美津紀がぱっと顔を上げた。……その顔は、引き攣った笑みを浮かべていた。
「な、何でもない。ごめん。そっかぁ、何か忘れてるような感じかぁ。なんか不安だね。」
何かを覆い隠すように言葉を捲し立てる美津紀。どうしたのか聞きたいが、深入りしてほしくなさそうなことが見て取れる。単に俺の相談を重く受け取ってしまっただけかもしれない。どちらにしろ、トラブルになるのも嫌なのでスルーしておくのが得策だろう。第一無駄に介入して美津紀を傷つけたくない。俺は最低な人間だろうか。
「美津紀はそういうこと、無い?」
「私は無いかなぁ。」
「普通そうだよな……。最近ずっと感じるんだよ。」
「記憶喪失で、今思い出しそうな感じ……みたいな?」
「それ、漫画でよくあるやつじゃん。」
「思った。まぁ、疲れてるんじゃない?」
「だよな。厨二病じゃあるまいし。」
「だといいけどねぇ。」
「可能性あるみたいに言うなよー。」
「www。あ、家着いちゃった。じゃぁ、明日ね!」
「おー、じゃぁまた明日。」
いつも通りマンションのエントランスに消えていく美津紀を見送り、また歩き出す。
結局何がこんなに違和感をもたらしているのかは何も分からなかった。当たり前だ。俺の脳内のことを誰に聞いたって分かる訳がない。きっと諦めるしかないんだろう。それに今すぐ思い出す必要なんてない。その内ふっと思い出すことがあるハズだ。
ごちゃごちゃ考えていたら家に着いていた。家のドアを開ける前に、あ、あ、と声を出し、口角を上げる。悩んでいるような様子を母さんに見せてはいけない。このことをこの一年間で学んだ。そのような素振りを見せた途端、母さんの顔が今すぐ泣きそうな表情に変わるからだ。何故かは分からない。急にこうなった。俺の体の健康に対する意識が過剰になったのもこの頃からだ。ただ、何があったのかと聞いても、誤魔化すばかりで答えてくれない。母さんがあまりにも根気よく誤魔化し続けるものだから、いつしか聞き出すのを諦めてしまい、そのまま今に至っている。
よし、大丈夫。声も表情もOKだ。
家に入り母さんにただいま、と挨拶をし、二階にある自室に入る。荷物を降ろしてくつろごうとした時、スマホが鳴った。着信画面を見る。
ハクからだ。
めっちゃ変なところで切りましてすみません。
想像以上に長かったです。
続きはすぐに出します。
ここまで読んで下さり本当にありがとうございました!