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僕はみんなの会話に参加せずにキッチンのテーブルで、子供の生きたバラバラの部分は時間が経つと、人形になるのだろうかとも考えていた。

もしそうなら、昨日の朝に埋められていたのであれば、合点がいく。

でも、そんなことがあるのだろうか?

子供たちの切断面は赤黒く、血が固まっていた。それに、人形には胴体と顔がなかった。

それでは、子供たちの生きているけれどバラバラの部位を、掘り出してから人形の手足を埋めたのだろうか?


そして、犯人は子供たちをいつ埋めたのだろう。臭いは確かにすごく薄いから、通りの砂利道までは漂わない。広い裏の畑は周囲を砂利道で覆われているけど、僕の家だけが面していた。

毎日、子供のバラバラの部分を少しずつ畑に埋めていても誰も気が付かないかも知れない。

亜由美はさっさと、話に加わらずに二階の自室に行ってしまった。


「まあ、確かに事件というよりは不気味なだけでも事件ですからね。いや、不気味過ぎるから事件か」


内田はそう言うと少し目を細めて呟いた。


「盗品……?」


「まあ! あの手足が盗品だとしたら、大人が埋めたと仰るんですか?」


内田は目を瞬いて、


「いえ、失敬。独り言を言ってしまって、すみません。でも、盗品の可能性もあるかも知れないので、その線で捜査をしてみますよ……」


「本当に、不気味だわ……」


父さんとおじいちゃんは普段は見せない険しい顔を見合わせていた。




内田が帰ると、僕はおじいちゃんに呼ばれた。何かいい知恵が入るかも知れない。

母さんは夕食に野菜を使おうかと迷ったけれど、結局、熊笹商店街で買った野菜だけは使うことにしたようだ。


おじいちゃんは、和室の隅っこのちゃぶ台で番茶の用意をしていて、僕が部屋へ入ると番茶を勧めてきた。将棋盤の位置はちゃぶ台に変わる場所だった。

そして、正座して僕にゆっくりと向き合った。

おじいちゃんは、番茶を啜ると話し出した。


「なあ、歩。いいかい……。これから、俺の言うことをしっかりと聞いてくれよ。まだ、お前にはよく解らないところや、嫌なところがあるだろうけれどな……。」


おじいちゃんは、少しの間冷静な表情をした。そして、意地悪そうに見える皺だらけの顔を引きつって、

白いスープと死者の街

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