TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

❄さん詰め

一覧ページ

「❄さん詰め」のメインビジュアル

❄さん詰め

3 - 🌷❄

♥

463

2024年10月30日

シェアするシェアする
報告する

なおるな

年齢差あってどっちも敬語なの萌える

マイクラのシェアハウスイメージ。




バーカウンターテーブルを丁寧に拭いて一息つく。普段はメンバーが好きに使っているけれど、週に一回、土曜日だけは僕がバーテンダーとして直々にお酒を作らせてもらっている。

席に座って頬杖をついていると、ついさっきここを出ていったシヴァさんの大きめの声が聞こえる。相手の声は小さくて聞き取りきれないが、お開きにするにはまだ早かったようだ。

カラン。

控えめにドアが開き、最近雰囲気づくりです、とのあさんが買ってきたドアベルが音を鳴らす。

そこから覗いたのは胸元までストンと落ちた水色の髪に、眠たいのか目尻が少し下がった同じく水色の瞳。

いつも聞くよりゆったりとした口調で彼女は言った。

「こんばんはぁ」

「るなさん。」

壁にかかった時計を見ると、もう短い針は2を指している。ずいぶんと遅くまで起きているんだなあ。

いや、それより。

「貴方まだここ来ちゃだめですよ。まだ18さいでしょ」

「えとちゃんたち、居なくて」

「うーん、この時間じゃ誰も起きてないと思いますよ」

居ない、というのはよくのあさん、えとさんとココア会と称した女子会をしているサンルームだろう。

ツッコミを受けたるなさんはそうそう、と頷いた。

「そうなんですよ、さっきシヴァさんと廊下で会ったくらいしか」

そうだ、シヴァさん。会ったんなら何かしら注意してもよかったんじゃないかい?いや、無理か。めっちゃ酔ってたし。

「勉強してたら結構時間経っちゃってて。誰か居ないかなあって。そしたら、土曜日にはバーに誰かしら居るって聞いたなあと思ってですね…」

ドアの影から完全に全身を写したるなさんの手元には水色のマグカップと中で揺れるツヤのある白い液体。

「もしかして」

「その…飲み物持ってきちゃって」

完全準備バッチリってことか。どうしよう。

「あの、それで。これ、飲み終わるまででいいので話し相手になってくれませんか?」

眉尻を下げて困ったような顔でコテンと首を傾げる高校生に、ぐっと言葉が詰まる。

いつかのおねだり選手権とかいうふざけたドッキリのような企画を思い出す。気づいたときにはこう返していた。

「仕方ないですね」

そういって僕が笑うと、安心したように彼女も微笑んだ。



「…それでね、クラスメイトの子が喜んでくれて、るなも嬉しかったんです。」

「そうですか。るなさんは優しいね」

「えへへ…。そういえば、この前の話なんですけど、女子組でおでかけに行ったんです、そこで…」

やばい。全然終わらない。ちょっとした軽い愚痴から他愛もない話、学校の行事の話などどんどん話が広がっていつの間にか時間は2時30分を過ぎていた。マグカップの中身が無くなってからも話を続けていたときから薄々感じては居たがここまでとは。テンションが上がるとおしゃべりになる、というのは前々から聞いては居たけど、こんなにずっと喋っていられる程だとは思っていなかった。

僕を前におしゃべりになれるというのは嬉しいことではあるけれど、流石にこんな時間まで起こしていると女子が怖い。

「るなさん、流石にもう寝たほうがいいんじゃないですか?ほら、肌の調子とか…」

「なおきりさん。それを女の子に言っちゃだめですよ」

「すみません」

ジト目で見られ反射で謝る。そういうところデリカシー欠けてるよねと某元ヤンにバッサリ切り捨てられたのを思い出す。

「じゃまですか?」

「それはずるいだろ…」

うるっとキラッとした表情で言われたら何も言えなくなる。カウンターに突っ伏すと上から笑い声が降ってきた。

「優しいですよね、なおきりさん。るなのワガママに付き合ってくれて」

「女子高生の悩みを無視したらのあさんに殺されますので」

嘘です。本当は嘘です。貴方と僕の年齢を考えて今は言えないけど、本当は貴方が。

「好きですよ」

「…え?」

呟くように落とされた小さな声。聞き間違いか?今のは。思わず顔を上げると、少し頬を赤くした可愛らしい少女がそこに居た。

「その、ありがとうございます。久しぶりになおきりさんと話せて楽しかったです」

カウンターチェアから降りてにこりと笑うるなさんにぼくも柔らかい笑みを零す。

「いえ。こちらこそ。まさかバーに未成年が来るとは思っていなかったので新鮮な感じでした」

段々とドアに向かっていく背中を見つめる。

表情は見えない。それなら。

いっそ勝手に勘違いしておこう。

「るなさん」

少しばかり甘さを含んだ声で名前を呼ぶと、少し上ずった声で返事を返される。

「はい?」

カウンターからるなさんの方に近づくと、ぴくりと肩が反応した。

「寮の入り口まで送っていきます」

「…いいんですか?」

存分に大人の武器を使って。

「大切なお嬢様をほっぽりだしたら紳士失格ですので」

触れずに、ただ余裕たっぷりに微笑んで口元に人差し指を当てる。

「怒られたくないので、静かにね」

頬と耳を赤く染めて分かりやすく照れる彼女に、心の中でてへぺろ、といたずらっぽく笑っておいた。

loading

この作品はいかがでしたか?

463

loading
チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚