「俺に話して」
「さ、 佐伯(さえき)さん……」
「あ、あの…」
三上姉と妹が、同時にうわずった声をあげる。
うろたえるふたりを見ていた佐伯は、やがて壁から身を起こした。
「あんた、体はもう平気なの?」
近付いてきた彼は、ほかのだれでもない私に声をかけた。
動悸が加速する。
偶然出会えたらいいとは思っていたけど、 三上姉妹(みかみしまい)がいる状況なら話は別だ。
「佐伯さん! 今日の相手ってだれですか?」
明るい声で 三上妹(みかみいもうと)が佐伯に駆け寄った。
それを見て、今日佐伯が引いたカードはハートだったと知る。
同時に彼が「今日の相手」を選ぶためにここに来たんだとわかった。
佐伯は傍に立った三上妹に目をくれず、私と 三上姉(みかみあね)が並ぶほうへ足を進めた。
三上妹は慌てて引き返し、佐伯はちらりと後ろを振り返る。
私は急いでうつむ*********************
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