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創来神「お目覚めですか」
ここは…何処だ…。
「貴方の名前は裏空処(りくうしょ)今日から私達の仲間です」
裏空処「仲間…」
風蒼導(ふうそうどう)「突然の事で驚いてるかもしれないが、な」
草山聖(そうざんしょう)「私(わたくし)達は天世界(てんせかい)に暮らしている神ですの」
突然周り囲まれ、歓迎された自分。皆んな自分に喜んでた。
映像のような、水溜まりのような。映し出された綺麗な地面。
「これは…」
「これは、私達が統治している神話創造ノセカイです」
「なんだか、楽しそうだ」
自分は映っている地面に跪いて眺めていた。
「行ってみたいな…」
「あら。そうですか、一年に一度、そこへ行けます。短時間だけですが、よろしいでしょう」
「楽しみだな」
ある日、訓練をいくつかやってもらうようにと言われ、最後までやってみせた。
雷日丹(らいひたん)「見事な術力。これなら麻呂らについて来れるぐらいの威力はあるんじゃないかしら」
「私達には少々劣るようですけども、、、ですが、そうですわね、この子にとって初めての任務へ早速行きましょう」
「ここの下、神話創造ノセカイと言う人間達が暮らす場所があるのですけれど、魔物がここには現れますわ。そこで私達がセカイに侵入して来ないように毎日出現する魔物を倒しているんですの」
「なんだか大変そうだな…」
「そうなのよ。セカイの統治は創来神が主にやってくれているわ。それに、創来神はアコトって言うもう一人の管理者を生み出したの。その子は主に生誕祭をしている間、ここの管理をしてもらったりしてくれているわ」
「生誕祭…?」
「生誕祭は一年に一回神話創造ノセカイが誕生した記念日を祝う為にできた日ですわ。その日に私達は下界に降りて一緒に祝うのですわ」
「なるほど」
「話しているうちについたわよ」
「えいっ!これでもくらうと良いですわっ!」
「雷光電落!!」
「ごめん、自分は何をすれば良いのか…。突然の事すぎて…」
「は、初めはそんなものよ。こういうのはだんだん慣れていくの」
「二人は、その、何か凄い能力が…」
「そう言えば、貴方、麻呂らのような能力はないのかしら」
「…多分」
「あると思っていましたわ…そう言えば訓練の時、渡した槍や蹴り殴りだけでクリアしていましたわね…」
「貴方達…」
後ろから声が聞こえた。声の元は創来神。その隣には水海彩(すいかいさい)、風蒼導がいた。
「一体、何をされていたのですか」
「えっと、私達は裏空処と一緒に初めての、」
「あたし達が見ない間に…裏空処が死んじゃったらどうするの!まだ、来て間もないのに」
「自分は…その、大丈夫、怪我してない」
「今回は偶々だ。今後もしかしたら大怪我じゃ済まないかもしれないぞ」
「一旦、戻りましょうか」
この後、創来神からちょっぴり説教があったみたい。二人を連れた創来神が自分の元に来た。
「申し訳ございませんわ」
「魔物退治は貴方にはまだ早いです」
二人にも申し訳ないと思った自分がいた。
「でも、自分も何か役に立ちたいです!武術を身につけて、、、それで」
「そのお気持ち。大変嬉しく思いますが、貴方はまだまだです。能力だって無い。それでは到底魔物一人に対抗できるほどの力はないと私が断言しましょう。私は貴方を心配しています」
「少しでも成長してみたいんだ」
「…分かりました。少しでも成長したいと言うのなら、雷日丹、突然ですが、面倒を見てもらえないでしょうか」
「良いわよ」
「ありがとうございます。今日から雷日丹が貴方の師匠にあたる存在です。稽古をつけて来てください」
「は、はい…」
「誰かをこうして教えるって事、やった事がないのだけれど、創来神が麻呂を選んだって事は期待してくれてるのかしら…?」
「これからお世話になるな」
「ふふっ、私について来れるかしら?」
それからというもの、毎日雷日丹に稽古してもらうことになった自分は、如何なる時も挫けず、立ち向かい続けた。
「凄いわね…力、以前とは比べ物にならないぐらい成長している気がするわ」
「そう?だったら嬉しいな」
「能力がなくともここまで付けれるなんてね、驚いちゃったわ」
「…うん、凄いんじゃないか?体制もしっかりしているし、能力を多少受け止める事もやってのけれるんだ。これなら、交渉してみる価値はあると思うぞ」
「おぉ、あの中々褒めない風蒼導でさえ認めたわ。誇りに思いなさい!」
「…これは、思っていたより相当力を付けてきたようですね。心配ではありますが、、魔物退治に参加する事を許可致しましょう」
「良かったじゃない。努力が実ったわよ」
「…やったっ!」
それから、仲間達と魔物退治へ毎日行くようになった。傷を負う事もあったけれど、仲間とならそれは擦り傷同然だった。
やがて、複数体の魔物を一人だけで倒せるまでに成長した。
しかし、しばらくして、突然災いが降りかかった。
今までとは比べ物にならないぐらいの敵が現れたらしい。自分は魔物退治をした帰りに、水海彩の知らせでようやく気がついた。
辺りは暗い曇り空。近くで雷日丹、水海彩が倒れていた。
「雷日丹!水海彩!」
「貴方…離れてなさい!ここは麻呂らにっ!」
無理に立ちあがろうとする雷日丹を止める。水海彩は起きあがろうともせず、呆然としていた。
「やめろ!無茶をするな!」
「退きなさい、貴方までもっ、」
「それでも…」
「水海彩は少し離れたここで避難させているわ。だけど連れてる途中で被弾にあって、水海彩は意識が朦朧としているわ。隣にいてあげられないかしら…」
「…っ、でも」
「良いからッ!…っよっと!」
勢いよく立ち上がった雷日丹は敵目掛けて鈍い雷を纏いながら全力で走った。だけど、弾き飛ばされてしまった。
「雷日丹!!!」
自分は急いで駆け寄る。
「言ったのに…」
意識を失っていた。
「そんな…」
自分も、自分も、助けなきゃ、向こうに戦ってくれている仲間がいる。懸命に。
でも、ここで二人をすっぽかしていては何が起こるか分からない…。
どうしたら良いのか、自分でも分からずにいた。
「危ないっ!」
創来神が自分の方へ近づいて来たところまでは覚えてる。自分も打撃を受けたのだろうか。
ぼんやりとしている。まさか、自分は生きていた。信じられない。
敵は…?
辺りを見渡したが、居なかった。しかし、そこには仲間の横たわる姿が。
駆け寄って起こそうとしたが返事はない。気を失っているのだろうか?分からない。
鼓動は…。しない、死んでしまったのだろうか。
落ち込んでいる自分の周りに飛び交う何かが見えた。見覚えがあるキラキラとした…これは、カミノカケラ。以前、創来神が教えてくれた、このカケラで能力を扱っている。なぜ自分の周りに…?
そのカケラは光を放ち、融合し、そして一つの装飾品となり、気になった自分は手を伸ばしてみた。
なんと掴めたのだ。五色に光るカケラ。
これは仲間の形見だと。
アコト「それは聞いた事がないな」
「まさか一つになるだなんて。相当な威力があるんじゃないか?」
「これは新たな発見だ」