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「ここは…」


数分前、墓の中で眠ってる皆に話をして別世界のワープゲートを作った。

上手くいくかどうかという不安と同時に、また皆を見ることができるんだというワクワク感を感じながらワープゲートから少しだけ頭を出してみると、懐かしく感じる見慣れた景色が広がっていた。


「…スクールの屋上じゃん」


一応、この世界の俺たちと接触してもいいらしいけど、それは少し抵抗感があるので少し髪型や服装を変えている。さらに上からフードを被ってるので、パッと見分からないはずだ。


「…今の時間帯だと、昼か。」


_うわ、めっちゃ不法侵入じゃねーか。仕方ないな。


「座標変えるか _って、うわっ!!」


俺が戻ろうと後ろを向いた瞬間、後ろから力強く引っ張られ、ワープゲートが閉じてしまった。

ゲートが床より少し上だったこともあり、尻餅をついてしまった俺は何事かと上を見上げると_


「え、っと…ミスター銀さん?」


_と、すまない先生が問いかけた。

てか俺、一応髪型変えてるんだけど、秒でバレたじゃねーか。まだまだってことかな…。

そんなことを考えてると、すまない先生が俺を立たせて_


「_って、ちょっと!!何してるんですか!?」


急に被ってるフードを下ろしたと思ったら、何故か俺の髪に鼻を埋められて、俺は慌ててすまない先生を引き剥がそうとした。

一応、今は神の力があることもあるだろうが、毎日鍛えてはいる。あっさりとすまない先生を引き剥がせた。すまない先生は俺の力に同様したのか、少しだけ固まっていた。


すま:「_あ、あぁ、すまない。ところで君、風呂って入ってるかい?」


_あ、風呂。そういえば。


「えっと…三週間以上入ってない、かも…」

「「三週間!?」」


俺が答えると、すまない先生と一緒に別の声が聞こえて来た。

俺とすまない先生が一緒にそっちを見ると_


「あ、”僕”だ」

「「!?」」


またしく二人揃って驚いたようで。

_まぁ、そりゃあ知ってる人の一人称が変わったら、驚くのも無理はないか。


すま:「…っ、ね、ねえ、君ってさ、もしかしてだけど別世界の銀さん…なの?」

「あ、はい。そうですよ。」


俺はさらりと答えると、二人は信じられないと言いたそうな顔で俺を見てきた。

_別に信じろって言ってねえだろ。 てか、先生ってちゃんと別世界のこと知ってるんだな。

そんなことを考えてると、突然すまない先生に腕を掴まれた。


すま:「とりあえず、君の話は後で聞くよ。今は風呂入ろう」

「…えちょ」


そう言われると、腕を引っ張られながら三人で屋上からグラウンドまで連れて行かれた。

そして数分かけてこっちの世界の俺が風呂を作ってくれた。

そして今は_


「あの、僕一人で入れますよ!?」

すま:「ダメだ!君一人でその長い髪洗うのは大変だろう!僕が嫌ならもう一人の銀さんでもいいんだぞ」

「理不尽!!」


_とまあ、もう一人の俺を放ったらかしにしてすまない先生と言い争っている。

結局すまない先生に押し切られて二人で一緒に入ることになった。


「ぅぅ、一人で入れるのに…」

すま:「だって君、三週間も入ってないんだろう?それに髪も切ってないじゃないか!」

「うっ」

すま:「後君、寝てないだろ!」

「うぐ」


すまない先生にド正論を言われて何も言い返せない。






「はぁ、散々な目にあった…」

銀:「あはは」

結局すまない先生に力強く洗われて、俺の頭がめっちゃ痛い。まじであの人の力どうなってんだよ。

しかも風呂から上がったら「君のやつ、いくつか洗っとくね」って言って服とか洗われたし。最悪なことに傷を塞ぐ為に使ってた俺のハチマキまで洗われた。まじでふざけんなよ!

ちなみに今は同情の目で見ながら苦笑いをする俺にすまないスクールの制服を渡されたので、それに着替えている。


銀:「なぁ、どうして俺は一人称変えてんだ?」


突然、もう一人の俺に聞かれた。


「あー、なんて言うか…少しでも別世界の僕と区別を付けたかったから…かな?」


_まあ、別の理由もあるけど。

それは後で話すからわかるだろ。


銀:「…そうなのか 」

正直信じてないような感じだが、どうやら納得して貰えたみたいだ。






「ぅぅ…」

すまない先生に誘導されるまま、俺は懐かしの教室の中に連れてかれて、そこで皆の圧を感じながら事情聴取が始まった。

_地獄かな、これ。早く帰りたいんだけど。

まあ、そんなことが叶うわけがないので、俺の世界で起こったことから俺がこの世界にくるまでのこと全て話した。

皆は凄く驚いた顔で聞いていた。

まあ、一番驚いてたことは_


「「一人でヤマタノオロチを倒した!?」」


_うん、やっぱそうだよな。


赤:「まじかよ…」

銀:「ずげぇな」

「…そうかな」

レド:「そうだろ」

「うーん…でもなー…僕、意識はあったとはいえ、体のコントロール効いてなかったし…」

「「え?」」


これは本当のことだが、正直俺もわかってない。


すま:「うーん…なるほどね。つまり、銀さんは意識があるまま覚醒したってことかな」

「覚醒…」


_そんな中途半端な覚醒ってあるんだな。でもまあ、確かに、父さんと母さんが暗黒シンジゲートに殺されかけた時、俺の意識なかったからな…なるほど。


すま:「さて、それじゃあそろそろ君の目的を教えてもらおうか」

「目的…」


_これ、言っていいやつなのか?


すま:「まあ、言えないってことなら無理に言わなくてもいいよ!」

「あ、そっすか」


_ならよかったかな。

ていうか、そもそも俺は皆を救いに来たんだから、言ったって笑われるだけだろう。


レド:「じゃ、次は俺が質問するな。お前、なんで姿と喋り方を変えてるんだ?」

「別世界の僕と区別つけるため。後もう一人僕いたらややこしいからって理由もあるけど、まず今日は初めてのことだったから少し様子見してから帰る予定だったんだよ」

ブラ:「嗚呼、それですまない先生に無理矢理こっちの世界に引っ張られたってことですか」

すま:「それは…すまない。悪いことをした」

「いや、気にしてないです」


_そもそも俺の不注意だったしな。次は気をつけよう。


バナ:「ちなみに君はこっちの銀さんと区別をつけると言っていたが、名前も変えるのか?」


_あー…名前、ね…

そういや全然考えてなかったな。


「…皆がいいなら、一応偽名で通すけど」

ブル:「まあ、銀さんが二人ってのも呼びずれーよなぁ…」

マネ:「別に偽名でいいのではないか?」


マネーの言葉に皆が頷いた。


銀:「なぁ、ところでさ、偽名の当てはあるのか?」

「うん」

ブル:「即答かよ」

赤:「ちなみに、どんな名前なんだ?」

「翠。白銀 翠」


真っ先に思い付いた名前を出す。ちなみにこの偽名は過去にミスターマネーの依頼でミスターブラックと一緒に執事として働いた時のやつだ。


すま:「それって君の過去の時の偽名かい?」

「はい」

レド:「誰が考えたんだ?」

「ミスターマネー」

マネ:「何!?」

バナ:「君の世界のミスターマネーはなかなかセンスがあるな」


_嗚呼、確かにそうだな。俺も最初聞いた時は驚いたな。


すま:「それじゃ、もう決定でいいな!これからよろしくね、翠君!」

翠:「はい!」


そうして、俺は今日から【白銀 翠】として、皆と生活することになった。





続く

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