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恋愛短編集
始まり~
ーー堕落ーー
『僕は今日人を殺した』
『只々苛立った良いと思った』
インターホンを押されたと思えば
彼は急に淡々と話を進めた
『もう僕は此処に居れないから』
『遠い遠い街にでも行ってくるね』
暑い暑い夏の日
彼の言葉に冷や汗をかく
俺が何とかしなきゃ、そう思った
「一緒に行こうよ」
『僕と君は宛もなく彷徨う旅人だ』
『旅を最後まで楽しもう』
鞄に水、着替えの服、簡易な食事
要らないものは全部置いていこう
『本当に一緒に来ていいの?』
「大丈夫大丈夫」
不安そうな君に少し優しい言葉
をかけるとふわりと微笑む
とても人殺しとは思えない 其の
笑顔に吸い込まれそうだった
『何処かで共に最期を遂げよう』
「嗚呼、勿論だ」
有望だった2人が 堕落した人生を送る
大きな地球の内の小さな2人の話
『犯罪者なんてそこら辺に』
『うじゃうじゃと居るんだよ』
「そうだね」
人を殺して金を奪って
人間としてダメダメな人生は意外と
楽しいのかもしれないと思った矢先
『僕は1人で死ぬ、君は元いた場所に』
『戻った方がいいよ』
「一緒に終えようって言っただろ?」
「なんで?僕じゃ不満か?」
『僕はこの汚れた手で 自分の最期を』
『迎える、君はまだ綺麗だ』
綺麗?俺も君も同じなんだよ
綺麗だなんて言わないで…
汚れたなんて言わないでくれ
「一緒に地獄の旅をしよう」
二人寄り添って過ごそう
堕落した二人で永遠に居よう
『旅か…』
どれだけ汚くても運命を終える事が
全てではないのだよ
生きて償う
その行動が
1番大切なのだ
ーー堕落ーー
また次の話で
なう(2025/09/20 09:46:58)
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