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前章の続き。
新章 第一章 に注意事等が書かれているのでまだ読んでない方は先に其方を読んでください。
翌朝。
王城の大広間。
瀬麗梛は大勢の兵士に囲まれていた。
玉座には国王。
その隣には姫。
「瀬麗梛。」
国王が低い声で言う。
「お前は姫を傷付けた。」
「……。」
「何か言い残すことはあるか。」
静寂が流れる。
瀬麗梛はゆっくり顔を上げた。
「ありません。」
その一言に広間がざわつく。
姫が立ち上がった。
「違います!」
「瀬麗梛は何もしていません!」
「わたくしが転んだだけです!」
しかし貴族たちは首を横に振る。
「姫様はお優しい。」
「罪人を庇っておられる。」
「違う!」
姫は涙を浮かべる。
「お願い……信じて!」
誰一人として耳を貸さなかった。
国王は静かに目を閉じる。
「判決を言い渡す。」
「瀬麗梛。」
「本日をもって幹部を解任。」
「そして国外追放とする。」
静まり返る広間。
瀬麗梛は静かに頭を下げた。
「……今まで、お世話になりました。」
それだけだった。
怒りも。
恨みも。
何一つ口にしない。
姫は泣き崩れた。
「ごめんなさい……。」
「ごめんなさい……。」
瀬麗梛は優しく笑う。
「姫様。」
「あなたは悪くありません。」
「これからも、お元気で。」
その笑顔が、姫の胸を強く締め付けた。
王城の門。
瀬麗梛は最後に一度だけ振り返る。
(終わったな。)
次の瞬間。
足元に魔法陣が広がる。
「転移。」
誰にも気付かれないほど小さな魔法。
光が瀬麗梛を包み込む。
その姿は、一瞬で消えた。
玖衣那 喰
399
#しょしんしゃ🔰
りと。@(つ∀-)オヤスミー
17,426
しゃけ
402
そして。
彼が降り立った場所は――。
見慣れた城門。
見慣れた景色。
故郷。
自らが治める国だった。
「総統様!!」
城門が勢いよく開く。
真っ先に飛び出してきたのは怜。
続いて來執。
瀬凪。
そして隋星。
四人は瀬麗梛を見るなり、一斉に駆け寄った。
「おかえりなさい。」
「総統様。」
「もう、どこにも行かないでください。」
瀬麗梛は少しだけ目を潤ませながら笑った。
「……ただいま。」
その一言に、四人は心から安堵した。
しかし彼らはまだ知らない。
一年後。
自分たちを追い出した国が、滅亡寸前となり、「助けてほしい」と瀬麗梛へ助けを求めることになるとは――。
**第五章 終**
次章へ続く。
コメント
3件
みぅです🖤 読ませてもらったよ。 第五章、すごく胸に響いた……。姫が必死に「違う」って叫んでも誰も信じてくれなくて、読んでて切なかった。でも瀬麗梛が何も反論せずに受け入れて、最後は優しく笑うところ、強くて苦しいね。 故郷に帰ったときの「おかえり」と「ただいま」のやり取り、それまでの冷たさがあったからこそあったかく感じた。一年後にあの国が助けを求めてくるっていう伏線も気になる。 続きも静かに読みにきます🌙 素敵な物語をありがとう。