4話【バレた真実】
真琴?「……….」
スズ(蝶と…戯(たわむ)れてる…)
アルマ「スズ?どしたの?」
スズ「…….ううん。なんでもない。」
アルマ「そう?ならいいんだけど…」
真琴?「♪______♪_____」
スズ(今日は歌ってる……)
アルマ「メイ、歌上手くない!?」
「ずっと聞いていたいくらい!」
スズ「そう…だね。」
スズ「メイ。」
真琴?「はい。何かご用でしょうか?マスター。」
スズ「貴女、まさかとは思うけど…..」
〜森〜
監督生「ここ、荒すぎでしょ…!!」
「森ってこんな感じだったっけ…!?」
お琴🎀「道が険しいのは仕方のないことじゃ。我慢せい。」
監督生「蚊に刺されたんですけど…!?」
お琴🎀「薬を持ってきておるから塗れ。」
監督生「ありがと〜💧」
リドル「気が抜けすぎじゃないかい?💧」
ラギー「いいんじゃないっスか?にぎやかで。」
トレイ「2人のちょっとした心遣いなんだろ。」
ケイト「やっぱりマコトに似てるなぁ…((ボソッ…」
お琴🎀「!!みな、止まれ!」
『!!!!』
お琴🎀「誰かいるぞ…っ!」
ラギー「このにおいからして、あの時のヤツらっスね…」
お琴🎀「常に身構えて、警戒心を持つのじゃ…」
???「♪______」
監督生「歌…?」
???「♪______♪___」
お琴🎀「…………」
ケイト「この歌…..」
???「…..あ、やっぱ森と言ったらこの歌か…?」
???「ようこそ〜♪深い森の奥〜♪」
お琴🎀(っ….どこから来るのだ…!?)
???「珍しいお客さんね〜♪」
お琴🎀「誰だ!!姿をあらわせ!!」
???「悪いけど〜♪ここから先では〜♪」
監督生「皆さん伏せてください!!」
監督生が防御魔法で矢をはじく
監督生「っ…!」
???「森でのマナーがあるの〜♪」
お琴🎀(どこだ…位置を特定できぬ…!)
ケイト「位置の把握は任せて☆」
お琴🎀「!!」
ケイト「舞い散る手札(スプリット・カード)!」
ケイトA「呼んだ〜?」
ケイトB「どうしたの〜?」
ケイトC「ってか、なんで森!?」
ケイト「あのね、敵の位置を探って欲しいんだ〜。お願いできるかな?」
ケイトA・B・C「まっかせて☆」
お琴🎀「!!」
(そうか!ケイトのユニーク魔法なら敵がどこにいるのか把握できるんだ!!)
ケイトB「オレくん、あそこにいる。」
ケイト「オッケーありがとう!」
リドル「じゃ、攻撃開始!」
アルマ「いたた…….💧」
『!!!!!』
監督生「またお前か…!」
ケイト「……….」
アルマ「…アンタたち本当に懲(こ)りないよね…」
「いい加減諦めたら?」
「メイは私たちと一緒に過ごすの。」
「だから…」
監督生「っ!!」
監督生がアルマを殴る
アルマ「っ!?」
『!?!?』
デュース「か、監督生…!?」
アルマ「いきなり何すんの!!」
アルマ「っ!」
監督生「真琴ちゃんの事を何も知らないくせに、適当な事を言うな!!!!」
ケイト「………」
アルマ「……アンタ、何言ってるの?マコトじゃなくてメイだよ。」
「アニ様が名付けてくださったんだから、”昔の名前なんか,,を捨てて、アニ様から貰った名前を誇(ほこ)って生きていくの。」
監督生「”昔の名前なんか,,…..?」
「本物の家族から貰った、とても…とても大切なものじゃない!!!」
『!!!!』
監督生「名前には、家族からの愛が沢山詰まってるの!!それを簡単に捨てて、他人から貰った名前を誇れ?ふざけるな!!!!」
リドル「………」
〜1か月前のお話〜
〜ハーツラビュル寮〜
エース『そういえば、監督生の名前の由来って何?』
監督生『ああ。それはね、”ユウ,,って名前は、私の世界だとこういう風に書くの。』
デュース『これで”ユウ,,って読むのか?』
監督生『うん。これは”漢字,,っていって、音読みと訓読みがあるんだけど、”ユウ,,は音読みで…』
『訓読みが、”やさしい,,。』
エース『へ〜。』
監督生『”心優しい子に育って欲しい,,そういう想いで、”ユウ,,って名前を付けてくれたの。』
デュース『良い家族だな!』
監督生『うん…本当に…』
リドル『………』
リドル(監督生は、自分の名前を誇らしく思っているんだね…)
監督生「あなた達にはないの!?本物の家族から貰った、大切な名前が!!!」
アルマ「ある訳ないでしょ!?そもそも私たちは記憶を失ってる身なんだから!!昔の事なんか覚えてないわよ!!!!」
監督生「………え?」
アルマ「わからないんだよ…本物の家族に、どんな名前を付けてくれたのか…..」
監督生「……..」
アルマ「私もスズも、記憶を失ってるの…」
「だから、家族の想いなんて…愛なんて知らない…」
「………っ……」
監督生「…..なら私たちが、アルマたちの記憶を取り戻してあげる。」
アルマ「…..え?」
エース「監督生何言ってんの!?」
ジャック「コイツを仲間にしろってことかよ!?」
セベク「僕は反対だ!!!!」
デュース「セベクに同意だ!!そもそもソイツは、僕たちに殺意むき出しでかかってきたんだぞ!」
エペル「監督生サンらしくないよ!!」
お琴🎀「みなの言う通りじゃ。」
「もし同行している時に裏切られたら、ひとたまりもないぞ。」
監督生「わかってる。…..でも、放っておけないんだよ…」
アルマ「……….」
監督生「アルマ、貴女は私たちにどうして欲しいの?どうしたいの?」
アルマ「私は……っ……助けて欲しい…」
「失くしたものを全部……全部取り返したい!!」
監督生「……..うん。わかった。」
「アルマもスズも、私たちが助ける。」
お琴🎀「はぁ…..」
「アルマと言ったな?」
アルマ「!!」
お琴🎀「もし怪しい行動をとった時、タダじゃ置かぬぞ。」
アルマ「っ!!」
(この圧…メイとそっくり…)
監督生「行こう。アルマ。」
アルマ「…..っ…ありがとう…(泣)」
〜???〜
スズ「貴女、まさかとは思うけど…」
「本当は、意識があるんじゃないの?」
真琴?「仰(おっしゃ)っている事が理解不能です。」
スズ「そう…なら簡単に言うわ。本当は”操られているフリ,,をしているんでしょう?」
真琴?「その根拠を教えていただけますでしょうか?」
スズ「根拠…ね…じゃあ質問。昨日の深夜2時、貴女は何をしていた?」
真琴?「その時間は寝室で眠っていました。」
スズ「嘘だね。貴女は外にいた。外で、歌っていたでしょ?アルマが珍しく歌っていたもの。」
真琴?「………」
スズ「本当は操られていないんでしょう?」
真琴?「………….ふっ」
スズ「やっぱり…..でもそこが謎なの。外にいたなら逃げ出せたはず……どうして逃げなかったの?」
真琴「それは……..この暮らしも、悪くないと思ったからです。」
スズ「え?」
真琴「スズ様とアルマ様が楽しそうに過ごしてるところを見て、自分と…..比べてしまいました。」
スズ「比べた…?」
真琴「私は昔、姉がいました。両親が死んでから、2人で頑張って生きていこうって決めてたのに、喧嘩して、姉は鬼に殺されました。」
スズ「……….」
真琴「スズ様とアルマ様を見て、あの時の私とそっくりだなって思って…..」
真琴「だから、守りたい。そう…思ったんです。」
スズ「!!」
(自分の意思で…!?)
真琴「私は、貴女たちを助けたいと思っています。」
スズ「助ける…?」
真琴「はい。貴女たちはアニ様に…..」
アニ「”騙されている,,とでも??」
『!?!?』
スズ「アニ様…!」
真琴「っ!!」
真琴がアニに襲いかかる
アニ「遅い。」
ボタボタ…
真琴(何?今の…..速…っ)
傷が少しずつ治っていく
アニ「やはり興味深い…”血を飲んで,,正解だったかもな…」
真琴「…..は?」
スズ「血を…..飲んだ?」
アニ「こいつの血を飲めば強くなれるのではないかと思ってな。そしたら想像以上に速く動けた。さすがだ。」
真琴「……….」
(アニは半鬼である私の血を飲んで平気だという事は…アイツは今、鬼になって…!?)
アニ「メイ、お前はいつになったら”あの姿,,になってくれるんだ?今の俺ならお前と戦えるぞ。」
真琴「だから…感覚が覚えてないんだって…ずっと言ってるでしょ…っ」
アニ「そうか。なら”あの時と同じ,,ようにすれば、感覚を取り戻せるか?」
アニが真琴の左足を折る
真琴「っ!!!」
アニ「右腕は…..潰せないとなるなら、斬り落とすか。」
真琴「ぐぅっ…!」
アニ「どうだ?感覚を取り戻せそうか?」
真琴「コレで取り戻せたら…苦労しないよ…っ」
アニ「そうか。あの姿にならないならもうお前は必要ない。その辺で眠っていろ。」
真琴「ゴフッ」
スズ「っ……」
アニ「スズ、行くぞ。」
真琴「だ、め….行っちゃ…だめだよ…..っ」
スズ「…..っ…..」
アニ「スズ、どうした?」
スズ「…….」
真琴「スズ……!!」
アニ「さっきからうるさいぞ。」
真琴に刺した剣(つるぎ)をねじる
スズ「!!!」
真琴「う…….グッ…..っ」
アニ「スズ、行くぞ。」
スズ「……..はい。」
真琴「ス……ず………..」
スズ「っ………」
(メイ…ごめんなさい…..っ)
お琴🎀「っ!!!!」
監督生「お琴ちゃん!?」
アルマ「ちょっ!どうしたの!?!?」
お琴🎀「はぁ…..はぁっ…..!!」
ケイト「コトちゃん!!」
お琴🎀「……….い….」
ケイト「え?」
お琴🎀「……まずい……っ!!急が、ないと…真琴の身が…..もたない…..っ」
監督生「真琴ちゃんが…!?」
アルマ「っ!急ごう!!早くしないとメイが…」
??「アルマ。」
アルマ「っ!?」
アニ「お前、何をしてるんだ?」
アルマ「アニ…様…っ」
スズ「アルマ…」
アルマ「スズ…..」
スズ「帰ろう。」
アルマ「……….」
監督生「っ……」
アルマが手を伸ばす。
監督生「アルマ…!」
アルマが手を止める。
スズ「??アルマ?」
アルマ「………アニ様……私は….ううん…」
アルマがスズの手を掴み、
グイッと引っ張る。
スズ「!?」
アルマ「私とスズはこっち側に立つ!!」
監督生「!!」
アニ「つまり、裏切るというのか?」
アルマ「そうだよ!私たちは、この人たちと協力して…メイを…..マコトを連れ戻す!!」
監督生「アルマ…」
アニ「ほう…お前はこの俺に敵意をむけるのか…」
スズ「アルマ……」
アルマ「……….」
アニ「なら、もうお前は必要ない。」
アルマ「やっぱりね。マコトの言う通り、女をただの物としか思ってない。」
アニ「なんだと?」
アルマ「だってそうでしょ?使えなくなったら捨てる。使えなくなっても、最後まで一緒に過ごさないで、どこかへ放つ。『こいつはもう使えない』ってね。」
アニ「貴様っ!!!」
スズ「っ!」
アニ「スズ……お前…」
スズ「私の”妹,,に…..気安く…手を出さないでいただきたい。」
アルマ「…….え。」
監督生「妹…?」
スズ「………」
アニ「……ふんっ。そんなに連れ戻したいか。できるものならやってみろ!!!」
スズ「……….」
アルマ「スズ、どういう事?私がスズの妹…?意味がわからないんだけど…」
スズ「………」
監督生「スズ、何か思い出せたの?」
スズ「……..はい。私とアルマは、双子の姉妹です。でも、両親に名前を付けて貰えませんでした。その理由は、私たちが生まれてすぐに、死んでしまったからなんです。父も、母も…」
監督生「!!」
スズ「名前を付けてくれたのは、私たちのめんどうを見てくれた看護婦さんなんです。」
アルマ「!!」
スズ「でもある夜に、アニ様が私たちを攫(さら)った。」
アルマ「そ、それで…….アニ様は、私たちの名前を変えたって事……?」
スズ「うん……」
フロイド「その看護婦さんが付けてくれた名前は覚えてねーの?」
スズ「それは….まだ…」
ジェイド「そうですか…」
スズ「メイの事、本当に…本当に申し訳ないと思っています。私も、みなさんと協力します。」
監督生「!!本当に?」
スズ「はい。騙されたのは、私たちですから。」
ケイト「ありがとう….」
お琴🎀「ならば、急ごう….!!」
𝓽𝓸 𝓫𝓮 𝓬𝓸𝓷𝓽𝓲𝓷𝓾𝓮𝓭(続く)
コメント
1件