天使病&悪魔病
太敦です
下手注意
僕は今川辺にいる
孤児院から追い出されて10日が経とうとしていた
そろそろやばいかも…
敦「ゴホッゴホ…風邪かな…ゔっ」
背中が…痛い…
なにか確認するもの…川の反射で…
敦「えっ何此れ…翼?」
其処には白い翼が映っていた
そう云えば最近巷で天使病と悪魔病と云うものが流行っていたような…
嗚呼…僕もそろそろ死ぬのかな
…………ん?川になにか刺さっている?
いや、流れている……それも人が
助けるか?でも体力が限界に近い…
敦「ええい!どうにでもなれ!」
引き上げた【人】を見てみると
砂色の長外套、黒い篷髮、ひょろりとした痩躯の男だった
その男は起き上がった途端
太「君かい?私の入水を邪魔したのは…チッ」
舌打ちをされてしまった…
助けたのに何故だ?…
太「まあ私は誰にも迷惑をかけない自殺を目指しているからね」
敦「はぁ…って自殺?!」
太「っっ……まさか…君天使病かい?」
敦「はい…そうですけど…」
あ、そうか…天使病の人は除け者にされるんだっけな
太「…まあ其れは置いといて何か助けてくれたお礼をしよう、少年何が食べたい」
敦「えっあ、えっと……できれば…茶漬けを…」
すると彼は笑って茶漬けを食べさせてくれた…同僚の人の金で
彼の名は太宰と云うらしい
太宰さんは僕に職や住居、仲間たちをくれた
そして生きる意味をくれた
敦「あの…太宰さん」
太「何だい敦くん?君も自殺の素晴らしさに目覚めたのかい?」
敦「あ、いえ…そうじゃなくて…」
それはずっと気になっていたこと
敦「何で僕を助けたんですか?」
天使病の人は伝染る可能性があるから近づく人はなかなか居ない
その証拠に探偵社に入ったときも最初はみんなの目が気になった
そんな僕を太宰さんは助けてくれた
太「最初に言っただろう?助けてくれたお礼だって」
敦「で、でも!自殺したかったんじゃ…」
太「理由2つ目」
敦「え?」
太「親友からの遺言でもあったのだよ」
太宰さんの親友…
敦「仲が良かったんですね」
太「まあね…」
国「おい、太宰!さっさと仕事をしろ!」
太「もぅ、くにきぃーだくん、今敦くんの質問に答えていたのだよ」
国「そうか、おい敦、太宰を借りて良いか」
敦「あ、はいどうぞ」
国「だそうだ、行くぞこの唐変木が」
行ってしまった…
地味にはぐらかされた気もするけど
なんかスッキリしないなぁ
乱「如何した敦、不満そうな顔をして」
敦「乱歩さん、実は―」
乱「成程、僕が莫迦でも判るように二つ助言してやろう」
敦「本当ですか?!」
乱「嗚呼、一つ目、太宰は僕の推理からすると悪魔病だ」
敦「えっ、暴力や暴言を吐く…」
乱「其れだ、実際に其の姿は見なかったがよく姿を消した」
其れはいつもの事なんじゃあ…
乱「二つ目、悪魔病は天使病の者と話すことで治すことができる。之で分っただろう」
ってことはつまり…
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私が彼を助けた理由
其れは簡単な事だ
ゴン
きっと乱歩さんも気づいているだろう
ゴゴン
私は悪魔病だった…っと云っても
他の人にはバレていないだろう
ゴンッ
太「国木田くぅぅん?ちょっといいかな?」
国「何だ包帯無駄遣い装置」
太「そんなに引きずらないでくれ給えよ、鳴っちゃいけない音してる」
国「知らん、我慢しろ」
そう言いながらもちゃんと歩かせてくれる
そう云うところは優しい
先刻の話に戻るけど
助けてくれたこと、親友の遺言
此の二つで私は彼の、敦くんの天使病を治そうと思った
そして天使病の治し方は最高の幸せを知ること
きっともうすぐだろう
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敦「ビクッ」
乱「如何した敦」
敦「厭、何だか背中に違和感が…」
乱「敦、背中を見てみろ。鏡は此処に在る」
敦「あ、はい」
最近あの羽根を見るのも嫌で暫く見ていなかった
覚悟を決めて見てみると
羽根はなくなっていた
敦「羽根が…ない?」
乱「天使病を治す方法を知ってるか」
敦「そう云えば…無いですね」
乱「本当に君は莫迦だなぁ」
乱歩さんの云うとおりだから何も云えない…
乱「最高の幸せだよ」
敦「最高の幸せ?」
乱「嗚呼、敦は今最高の幸せを知った。だから治ったんだ。きっと太宰は知ってただろうな」
ってことは…
太宰さんはずっと僕のために
これで僕は病気で死ぬことはなくなった
太宰さんが帰ってきたら感謝を伝えよう
何か御馳走とまではいけなくても
花を送ってみようかな?
僕は前とは違う
僕は今幸せなんだ
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