青黒
昨日色々ありすぎてまだ疲れがとれない。
重い体を起こして学校に向かう。
『だる…。』
『昨日の青ってやつはもう教室におるんかな…。』
『あーゆーやつは不登校なる気もするけど。』
靴を片付け、教室に向かおうとしたとき。
「っ、黒…!!!」
『ゔわっ!?』
後ろから急に抱きつかれた。
『え、は?』
「あ、す、すみませ…。」
『っあ、お前か。』
『変なやつに抱きつかれたと思ったわ。』
まぁよく考えたらこいつも変なやつか。
『…スキンシップえぐいなお前。』
「そ、そりゃ好きな人に向いてもらいたいですし…!」
『好きな人…か。』
普通に話してたから忘れてた。
こいつ俺のこと好きやったんやわ。
『ま、せいぜい頑張れよ。』
「頑張ります…!!」
『…腰に手回すのやめてくれん?』
「な、なんでですか…!?」
『いや友…。』
言いかけたところで止まる。
こいつに友達っていう単語言わないほうがいいかもしれない。
好きな子から友達だから、とか言われたら悲しいやろな。
だからここは…。
『な、なんか…恥ずいやん。』
「えっ。」
「す、すみません!!!!」
『声でっか…!?』
「あ、あ、あ…。」
『なんでお前が顔赤くしとんねん、!?』
「っ…、可愛くて…。」
『…は、?』
不意にそんなことを言われて頬が赤くなる。
男になんて興味ないけど。
『…と、とりあえず手離せ…。 』
「わ、分かりました…。」
『っ、!?』
『お、おまっ、さりげなくケツ触んな…。』
「だ、だめですか…こういうスキンシップ…。」
『いやダメやろ…!!』
「ご、ごめんなさい…。」
『…。』
なんか少し気まずくなった気がする。
『ぁ”ー、疲れた…腹減った…。』
「…。」
『おい、昼飯一緒に食わんか。』
「えっ。」
『別に、嫌やったらええけど…。』
「ご、ご一緒させていただきます…!!!」
『ふふ、じゃ行こ。』
教室はガヤガヤしてて落ち着かない。
だから外のベンチで食べることにした。
『ん、ここにしよ。』
「分かりましたっ…!」
『…お前それで足りるん…?』
「え、あ、はいっ…!」
『まじか…だからこんな痩せとるんか…?』
青のお腹を触ってみる。
「っ、!?」
『お前痩せすぎやろ。もっと食えばええのに。』
「あ、は、はい…。」
『…なぁ。』
「どうしました、?」
『これ食べれへんで食べてほしい。』
「きのこ…ですか…?」
『ん、お願い。』
青の口に近づける。
嫌いだったら申し訳ないけど。
「え、ぇっ…んっ…。 」
『あんがとっ。』
「…。」
『どしたん、顔赤いで?』
「か、間接キスで…。」
『あぁ、全然気にしとらんかったわ。』
『嫌やった…?』
「えそんなことないです…!!」
『んふ、なら良かったわ。』
「(罪すぎる…可愛い…。)」
やっぱこいつおもろいわ。
『今日も濃い一日やったなぁ…。』
『青、友達として結構ええやつかも…。』
そんなことを考えていると、急に雨が降ってきた。
『うわ、まじか。傘持ってへんし…。』
「黒、!濡れてる、!」
『えおまっ、お前も濡れてんで!?』
「黒に傘渡したくて…。」
『いやお前…。』
「はい、どうぞ…!」
『…ん。』
傘を左に寄せて2人で入れるようにする。
「え”っ。 」
『お前も濡れてたら意味ないやん。』
「そ、そう…ですね…。」
『…服ひっついて気持ち悪いねんけど…。』
「よ、良かったら僕の家来ませんか、!」
「お風呂も着替えもできるので…!」
『ええん?親に怒られへんの?』
『出会ってほぼ1日のやつ家に入れるなんて。』
「あ、親は仕事で今日はいないので…」
「きっと、大丈夫だと思います…!」
そういう問題じゃないだろ、と言いたかったが。
濡れて気持ち悪いしさっさと着替えたかったからそいつの言葉に甘えた。
『そうか?なら行かせてもらうわ。』
『青の家なんか落ち着く雰囲気やなぁ。』
「こ、このまま泊まっても…。」
『なにゆーとん帰るに決まっとるやろ。w』
『そ、そうですか…。』
なんか、泊まったら変なことされそう。
「せ、せめて…一緒にお風呂入りませんか…?」
『風呂?ええけど…。』
『狭くね…?』
「それがいいんです…!!」
『…意味わからんなぁ。』
『あんなぁ…?』
「はい…?」
『そんなジロジロ見んなや…。』
「目に焼き付けときたいのでだめですか…。」
『だめに決まっとるやろ!!』
「ぅ、わ、分かりました…。」
体洗ってる最中ずーっと視線感じてたら誰だって嫌やろ。
「…。」
『どこ向いとんねん…。w』
「ちょっと黒の顔見ると…やばいので…。」
『俺の顔なんかついとん?』
「いや、着いてはないんですけど…!!」
『じゃあなんでや。』
『そんな避けられてる感じなの好きじゃない…。』
「…勃っちゃいそうで…。」
『…は?』
立つ?勃つ?
頭の整理が追いつかない。
男で勃つのかと聞きたいが。
それ以上になんで俺で勃つのかが気になる。
『…うん、まぁ、聞かなかったことにしておくわ。』
「す、すみません…。」
また気まずくなった。
『ふー、いい湯やった…。』
「…可愛い…本当に…。」
『んぁ?なんか言ったか? 』
「あ、いえ…。」
『…待って、雨まだ止んでへんの?』
「朝まで降り続くみたいですね…。」
せっかく綺麗になったのに。
また濡れて帰らなくちゃいけない。
『…コンビニで傘買うか…?』
「ここから歩いて5分ですね…。」
『傘買っても意味ないな。』
「と、泊まりませんか…?」
『えー…。』
もうここまで来たら言葉に甘えたほうがいい気がする。
けど俺の股間見て勃ちそうになるやつと一夜過ごしてみたらどうなるか。
襲われるに決まってる。
まだ女も抱いたことないのに。
…でも、こんな雨の中帰れないし…。
『…んなら、泊まらせてもらうわ。』
「ほ、本当ですか…!?」
『こんな中帰れへんし…。』
「分かりました…!!」
さよなら、俺の童貞。
『…。』
「黒くん、寝れますか…?」
『寝れる…。』
なんか…。襲われるかと思ってたのに。
全然そんなことなかった。
ベッドでお話しながら一緒に寝るだけ。
まぁそれが普通なんだけども。
『…青はさぁ。』
『俺のこと抱きたいとか思ってんの。』
「えっ…。」
眠くて、自分が何を言っているのか分からなくなってくる。
「そ、そりゃ…。抱きたいですよ…。」
『んぅー…。』
『抱かへんの…?』
「え…?ど、どういう意味ですか、!?」
『やからぁ…一緒のベッドの上にいて距離近いのに…。』
『抱かへんのって…』
「…抱きたいです。」
あれ、今なんの話…眠たくて適当に会話を…。
「好き同士になったら…抱いてもいいですか。」
『ぅー…いいよぉ…。』
「っ…黒くん…。」
『ちゅ、すんの…?』
「…しませんよ、眠たいんですか?w」
『んぐ…わからん…。』
「眠たそうですよ…。w」
だんだん…。ふわふわして…。
『…。』
「…おやすみなさい、黒くん。」
「可愛いですね…本当に…。」
「いつか、…。」
『…Zzz…。』
「…大好きです、黒くん。」
目を開けると、眩しい日差しが入ってくる。
『あ…?朝…?』
「おはようございます、よく寝れましたか?」
『めーっちゃよく寝れたわ…!』
「ふふっ、良かったです…。」
『…そろそろ、帰る準備するわ。』
「分かりました、…。」
『いやぁー、今日が土曜日でよかったわ。』
「ふふ、明日も休みやから気が楽ですよね。」
『ほんまになぁ…。』
『泊めてくれてありがとっ。』
「こちらこそありがとうございました…!」
『次は俺の家泊まりこいよ。』
「え、い、いいんですか!?」
『ええで!お前は俺の親友やしっ!』
「し、親友…。」
『ほな、また学校でな!』
「はい、また…!」
またすぐにでも会いたいなんて思ってしまった。
コメント
1件
うわん好きです 😭( 神作ありがとうございます 。。