カラスの落し物を拾ってから数ヶ月
あれから手紙の返事も、そのカラスを見かけることも無く、時間だけが過ぎていった。
最初は通学路を見渡しながら歩いていたがそれも次第に無くなり、手紙の存在も忘れかけていた頃だった。
「たぁんじろぉぉ。今日ご飯付き合ってぇ~。今日パン屋の手伝いもないんだろぉ。親友の相談きいてくれよぉぉ。」
「どうした?善逸。今日はパン屋の手伝いも休みだから空いてるけど…。また禰豆子になにかするのか?」
しがみついてくる親友にため息混じりに目を落とす。
「それもあるんだけどさー…最近付き合い悪かっただろ?だから久しぶりに行かないか?」
「確かにそうだったな…じゃあ伊之助も誘って3人で行くか!」
「よし、じゃあ伊之助呼んでくる!おーい!いのすけぇぇ」
伊之助を呼びに入っていったのを確認して自分も下校の準備をし始めた。
3人でファミレスに行こうかと話しながら校門を出るとまたあの時のような強い風が吹いてきた
「…っ!?」
周りをみてもあの時のカラスは居ない。
やっぱり気のせいかと思い、前を歩く2人に追いつこうとすると
「カァー!カァー…」
微かにカラスの鳴き声が聞こえた。
あの時のカラスか確証は無かったが何故か炭治郎は気になって仕方がなかった。
「っ…善逸!伊之助!ごめんっ!用事があったことを思い出した!この埋め合わせは必ずするからっ!ほんとごめん!」
「え?ちょ、たんじ… 」
善逸の返事を最後まで聞かず炭治郎はカラスの鳴き声のする方へ足を向ける
何処から鳴き声がしたのかハッキリしないが、炭治郎は前に手紙が落ちていた所へ迷うことなく走っていった
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