元々太宰と中也は、身体だけの関係だった。
そんな中、中也から太宰に告白した。
中也は、断られると思っていたが、「良いよ」とあっさりOKしてくれたのだった。
その後は、行為に至る回数が増えていただけだったが、それでも俺はとても嬉しかった。
太宰から時々、俺に対しての愛情が伝わってくることもあった。
「はい、これ」
「何だこれは?」
「今日は中也の誕生日でしょう?」
「まぁ、貰い物だけど、要らないからあげるよ。」
「い、いいのか?」
「君へのプレゼントだと言ってるじゃないか。」
「あぁ、ありがとう、、太宰、!」
太宰は、入水も心中の誘いをすることは、付き合ってからも続いていた。
そのことは、中也は目を瞑っていた
でも、、ある日、何時もの喧嘩じゃなく本当に
喧嘩をした。
太宰の女癖の悪さのことで喧嘩になった。
その日から太宰は変わってしまった。
「太宰、そろそろ辞めてくれねぇか?」
「何のことを?」
「他の女性と関係を持つことだ、、、」
「はぁ、そんなこと気にするの?それは私の癖というか、日課なのだから仕方ないことなのだよ。諦めて理解してくれ給え。」
「、、、どういう考え方してるんだ。俺の何処が駄目なんだ?というか、俺だけが太宰のことが好きみたいなことになってるじゃねぇか。今までのは、何だったんだよ、、」
「中也が告白してきたからOKしただけだよ。今まで、気づかなかったの?森さんが、二人の仲を少しでもよくしてこいって言うから、丁度良いと思って付き合ってたんだよ。」
太宰はもう、疲れたよーーとオーバーリアクションを見せる。
「っつ、、、、、、そう言うことか、、最低だなっ、、、」
太宰に全てを裏切られ、耐えきれなくなり涙を流した。
「じゃあなっ、、」
ひとこと残して、窓辺から異能力を使って飛び立った。
その後から、太宰との仕事は減った。一緒になったとしても、最低限の会話しかしなかった。
その数年後に太宰はポートマフィアから姿を消した。お祝いにペトリュスを開けたが、あまり味が分からなかった。
その四年後
武装探偵社に入社した太宰と会った。
お互い、久しぶりに会い、昔に身体に植え付けられた快感がフラッシュバックし欲に満ちた瞳で見つめ合った。
その後からは、あまり覚えていない。太宰に腕を引かれ路地裏に行き濃厚なキスをした後、部屋で一晩中、お互いを求め合った。
その日から、太宰とよりを戻した。
太宰は、昔と少し変わっていた。
そのせいだろうか?少し、怖く見えてしまう。
行為の時も快楽と共に恐怖が植え付けられる。
最中に過呼吸を起こすこともあった。
そんな中也に太宰は暴力を振るった。
そうして、今のような関係になってしまっていた
その日は、寝室でひっそりと
涙を流して眼を瞑った。
次の日
探偵社にて
「敦くーん、仕事やっておいてくれない?」
「えっ!嫌、駄目ですよ!太宰さんの仕事なんですから自分でやって下さい。というか、何かありました?」
「いやー、ちょっとね、」
言うことを躊躇う太宰に敦は気になっていたが、関わると良くないことがありそうな気がしたので問い詰めるのは止めた。
「太宰、お前って奴は、、本当に馬鹿だ。」
いきなり、乱歩が太宰に話しかける。
「乱歩さん?!どうしたんですか?」
いきなりの乱歩の発言に驚く敦を置いて、2人は話し始める。
「どういう意味ですか?」
明らかに不機嫌な表情を見せる太宰に乱歩は怯まずに言った。
「馬鹿な太宰に助言を与えよう。」
何でもお見通しな乱歩にとって、太宰は馬鹿な子供なのだろう。
「いや、遠慮しておきます。何かよく無いことが起きそうな気がするので。」
太宰はすぐさまキッパリと断る。
そんな太宰にあきれて乱歩は言う。
「その選択は良く無いよ?名探偵の僕の助言を無視して聞かないなんて。まぁ、でも良いよ。太宰が決めたことであって、僕は関係ないから。1つ聞いてもいい?」
わざとらしく言う乱歩に太宰は嫌な予感が拭えずにいた。
「良いですよ。何ですか?」
「太宰は、素敵帽子君のことは本当に好きかい?」
「どういう意味ですか?何故、中也が出てくるんですか?」
「まず、どうなのさ?」
直ぐに答えない太宰に少し苛立つ乱歩。
「それは、、一番嫌いな奴です。」
少し間を置いて答える。
「ふーん、そう答えるかぁ、太宰お前は1回痛い目見るね。」
そう、キッパリと乱歩は言った。
「どういういm、」
「太宰!!お前は何回、仕事をしろと言ったら分かるのだ!!!」
お怒りモードの国木田がタイミング悪く、太宰の言葉を遮った。
「国木田君っ!ちょっと、後でにして!!」
今、聞かなければならないと、感じた太宰は焦り始める。
「乱歩さんっっ!!どういう意味ですか!!教えてくださいっっ!」
焦って前のめりになる太宰に乱歩は冷静に答えた。
「言わないよ、太宰。お前は断ったじゃないか。まぁ、精々頑張れよ。」
乱歩は諦めたように話す。
「わかりました。」
頑なに話さない乱歩に痺れを切らして、諦めることにした太宰は国木田に連れて行かれた。
「太宰、、お前って奴は、、素敵帽子君が可哀想で仕方ないよ、、」
小さく呟いた言葉は
誰にも届かずに消えていったーーーー
ある日、太宰に一件のメールが入ってきた。
「んー?誰だろう?花屋の可愛いあの子かな?」
メールの送り主は、中也だった。
「げっ!あの蛞蝓からメールが来てる、、無視しておこう」
そう呟き、探偵社のソファーで眠りに着こうとすると、
「太宰、そのメールを見ろ。お前にとって大切なことが書かれてる。早く返信するんだ。まだ、素敵帽子君のことが好きならね。」
乱歩が余裕の微笑みで助言する。
「中也のことは一番嫌いなやつですけど、乱歩さんがそう言うなら、、」
渋々、蛞蝓と書かれているトークルームを開く。
「えっ?」
太宰へ
このメールを見てくれると信じて書いてる。
長ったらしい文は好きじゃないよな?
簡単に言うと、俺と別れて欲しい。
そもそも、付き合っているかすら分からねぇけどなぁ。
俺は太宰のことが好きだった。でも太宰はどうだ?俺のことは好きじゃなかったよな。
分かってたんだ。太宰に期待して待ってた。でも、もう限界だから諦めることにしたんだ。
太宰の部屋にある荷物は、少なかったから簡単に段ボールに入れて纏めておいた。5日後に退去するから太宰の住所に荷物を送っといた。
じゃあな。相手の女の子と仲良くしてけよ。
中原中也