康二『めめ?なにやってるん?』
目黒「寝てるの。疲れたから 」
康二『ふ~ん、』
目黒「…一緒寝る?」
康二『!ええの?』
目黒「どうせ寂しいんでしょ?笑、ほら」
ポンポンッ…
康二『~~ッ!ありがとさん!』 ポフッ!
目黒「んはっ笑笑」
(…変わらないな昔と)
『“蓮”?』
「なに?“康二”?」
康二『シチュー作ったんだけど食べる?』
蓮「おっ!うまそーじゃん笑、食べるっ」
康二『いっぱいあるから、沢山食べて!』ニコッ
蓮「うん、ありがと康二っ!」ニコッ
懐かしいな。
前は一緒に住んでて、ご飯は毎日同じの食べて、喧嘩なんかもして、お風呂も一緒に入って、ドラマや映画見て、康二は“関西弁”じゃなくて………
康二『どう?』
蓮「ん!めっちゃおいひぃ!」
康二『なに?その「おいひぃ」って笑笑』
『可愛いんだけどっ笑』
蓮「俺はカッコいいのっ」
康二『ふーん?あのド天然蓮が??笑』
蓮「俺を馬鹿にしたいなら人のこと言えないぞ??」
康二『蓮よりマシだから!』
蓮「いーやっ同じだよ。“血”のこと“ブレット”とか言っちゃって笑」
康二『それは先に蓮がDNAを“血”って言ったからでしょ!?笑』
蓮「えー?そうだったかなー??笑笑」
康二『しらばっくれんなぁ!笑』
蓮「あははっ!!笑」
こんなくだらない会話も楽しい。康二は一つ一つの話を拾ってくれるからすっごい話しやすい。今日もまたそんな話をして…
あぁ…楽しい毎日だったのに………。
康二『蓮が悪いだろ?!俺が悪いのか!!?』
蓮「言い方ってもんがあるだろって俺は言ってんの!!」
康二『言い方は今の話だ!!なんでお願いの1つや2ついっつも忘れるの!?』
蓮「だから!!言い方を…!!」
康二『今関係ない!!話逸らすな!逃げるな!』
蓮『康二!!!』
くだらない喧嘩。
俺が悪い。100悪い。
でも認めたくなかった、情けなかった、大人気なかった。
そんなの分かりきっている。
でも、どうしても認めたくなかった。
康二『もう蓮なんて知らん!!!』
『顔も見たくないっ!!』
バダンッ!!!
蓮「あ!!康二待って!!」
「……はぁ…何やってんだよ俺ッ!!…」
康二はリビングを出ていった。追いかけたかったけどまた拒絶される、怒鳴られる。 足が動かなかった。
本当に俺はちっぽけで惨めで何もできない男だ。
蓮「康二…?」
“現在”なら多分、時間が経てば寂しくて、泣いちゃって、一人で反省して、自分が悪くなくても謝りに来る。
でもそんな康二、俺は知らない。泣いてる康二なんて、泣き虫な康二なんて“知らない”。
蓮「……!」
「靴がない、外に行ったのか……待てよ、傘がある。雨降ってるのに?」
「まさか!!?」
家を飛び出した。傘を、“2本”持って。
蓮「ハァ!ハァ、康二ッ!!!どこ!?」
必死に叫んだ。
あの日大雨だった。
視界が悪かった。
見えなかった。
蓮「こーじ!!こーじッッ!!!」
居なかった。
どこにも。
走り続けた。
服が濡れた。
顔が濡れた。
髪が濡れた。
どーだっていい。
康二は“心”が濡れているんだから。
蓮「ハァ…ハァっ………!!、こーじっ!!!」
康二『……れんっ…』
見つけた。悲しそうな顔、怯えている顔。
俺のせいだ。謝りたい。
俺が悪かったって言いたい。
蓮「ハァ…ハァ…こーじ…!………」
「………こー…じ??、どこ立って……」
康二『…れんっ……!』
蓮「!?馬鹿っ!早くこっち来いっ!!!」
…信号が、青になる
視界が悪い中、はっきり見えた“赤い何か”…
蓮「ッッッ……!!!こーじっ!!!!!」
「あぁっ……!!!こーじ!!だめッ!!こーじッ!!!」
「こーじッ!!!……だめ…!ご”ーじッッ!! 」
「ダ”メだって”“ッ!!おれ”…!おれッッ!!!!」
「あ”“ぁぁぁぁ”ッ”ぁぁ”ぁ”“ッッ”!!!!!!!!!!!!……」
…キランッ………
蓮「……なんで…………ナイフがッ………」
どこからともなく現れた刃物…
何を意味し、何を意味したのか
天からの贈り物かもしれない
そこに落ちている刃物に、俺は手をかける
蓮「こーじ……こーじッ…俺も、すぐいくから」
「…1人になんてもうさせない…」
「絶対もう一度会うんだ…その世界じゃ絶対1人になんかにさせない。」
「だから……ごめんなっ………?」
胸元,一瞬の痛みが走る
が、もう何も感じない
康二を抱き寄せたハグをする
来世でも一緒になろうと
最後の力で額にキスを落とす
蓮「………これで、…“お相子”……だ…ッ…」
雨の中
視界が悪い中
人けが無い中
2つの魂がこの世を去った
パチッ…
「……こーじっ…」 ポロポロッ…
『ん?どないしたんめめ…泣いとるで?』
「…もぅ、1人にしない」 ギュッ…
『……おん…?』
康二に前世の記憶があるか分からない。でも俺は聞かない。ききたくない。
たった2人の、“蓮と康二”しか知らない話を…
話したくない。たとえ、記憶があったとしても…
『もう離さんでな……“お相子”…なんやろ?』ボソッ
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