親
「無人?お友達になれた?」
無陀野
「まぁ、、普通だ」
あの後、無陀野は母親の部屋に呼び出されたのである。まぁよくある事だという
無陀野
「それで、何のようだ…」
親
「これから、神の子の一族の方々に会いに行くわよ」
無陀野
「分かった…(あの老人が言っていたやつだな)」
親
「これに着替えてちょうだい…」
親
「なら、このお菓子を持っていきましょうか…」
無陀野
「…」
部屋は2階にある。渡された純白の丈の長い服を着て、階段を降りて廊下を渡る、すると
京夜
「あ、ダノッチ…もしかしてご挨拶? 」
無陀野
「ああ、」
親
「あら、花魁坂さん…はい、これから神の子の一族の方に挨拶をしに行きます。」
京夜
「そうなんですね…
気をつけてね、ダノッチボソ」
無陀野
「コク」
そう無陀野が頷いたと同時に、大広間から数人の声がした
真澄
「京夜ぁてめぇ逃げようとしてんじゃねぇぞ」
馨
「次、京夜さんの番ですよ。」
紫苑
「なぁ唾切は?あいつも逃げたん?」
京夜
「逃げてないっての!!つばっち?知らないよ〜 ごめんダノッチまたね!」
無陀野
「賑やかだな…」
京夜は廊下を小走りで走って大広間に入って行った。
親
「若いっていいわよね…それじゃ待ってもらっているからいきましょうか…」
神の子がいるとされているところは、数十分ほど歩いた山奥にあるという、、
無陀野
「遠いな…(どの木も背が高い、、暗いな)」
さっきまで太陽が地上にいる自分たちを見張っているようにジリジリと照っていたのに、神の子がいるという所に続く山道を歩いて行くと、だんだん陽の光は届かなくなり、信じられないほど暗く、涼しい
少し肌寒いくらいだ
親
「何だか、神秘的ね」
無陀野
「…(何が神秘的だ、、)」
さっきも言った通りここには太陽の光が届いていない。暗闇がずっと続いていた。
神秘的と母親は言ったが、無陀野にとってはまるで閉じ込められたようにしか感じない。
人の気配は一切ない…
ただ、静かな森に動物達の鳴き声が響くだけ。その鳴き声さえも無陀野にとってさっきの太陽同様、こちらをさげすんで、嘲笑っているように感じていた。
無陀野
「は…?」
そう言って足を止めた無陀野
目の前には寺のような建物。
ただ普通の大きさじゃない…まるで威嚇されているかのように、、足がすくむ程に大きく、周りには狛犬が2体、その後ろに仁王門、そして本殿のような建物が奥にあった。
門は開き、歓迎しているようにもとれるが、どうにも足が進まない…
親
「行きましょう」
グイッ
無陀野
「ッ」
無陀野は抵抗しず、母親についていく
ミシィ
そう音が鳴り、室内へ足を踏み入れた。
管理人
「お待ちしておりました…こちらへ」
そう案内されたのは、2人しかいないのに広すぎる客室。奥には椅子が一つぽつんと置いてあるだけ
管理人
「ここの部屋で待っていれば大丈夫です。もうそろそろですよ、、、」
ガラガラ
そう言われて、床に座った途端、待っていたかのように障子が開いた。
一族
「無陀野家ですね…」
親
「はい、今日は貴重なお時間を使っていただきありがとうございます。これからこの村に住まわせてもらうことになった、無陀野ですペコ」
無陀野
「ペコ」
一族
「頭を上げてください…きっと辛いことがあったのでしょう?この村はあなた方を拒否する者は誰もいません。皆、同じ傷を持っているのですから…チラッ」
無陀野
「(なぜ俺を見る…)」
一族
「すみませんが、お子様を別の部屋へ案内しても?ここからは、お母様と我々で話したいのです」
無陀野
「はッ」
親
「もちろんです!ね、無人?」
無陀野
「わかりました…」
拒否権はない。
俺にとっては母が絶対。
管理人
「では、お子様はこちらへ」
パタンッ
無陀野は背を向けて出て行った。障子が閉まる音はどこか悲しそうで弱々しかった。
一族
「それではお母様、あなたにはーーーー」
無陀野
「これからどこへ行くんですか?」
管理人
「この部屋です…」
その部屋はさっきと同じだが、大きさが小さかった。と言っても、50人程度は余裕で入りそうだが…
管理人
「またお呼びします」
無陀野
「はい…」
管理人
「いま、お呼びがかかりました」
無陀野
「わかりました…」
スタスタ
管理人
「お連れしました…」
一族
「すまないね…そこに座ってくれ」
無陀野座
一族
「君は無人くんという名前なんだね。とてもいい名前だ、そしてお母様から話は聞いたよ…辛かったね。」
無陀野
「…」
一族
「ここでは、みんな幸せに暮らせる。君も、神様を信じていれば今まであった学校でのいじめや暴力、暴言も忘れられるよ。
また、会おうね、無人くん」
親
「本当にありがとうございました…」
一族
「いえいえ…また何かあれば、無人くんも。」
親
「それでは…」
そうして、2人は客室を後にし、出口へ誘導された。
すると____
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「ねぇ…あれ誰?」
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「“君の”信者だよ…」
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「そっか…また増えちゃったね」
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「そうだね、、」
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「それにしても、今日は静かだな…晴かな」
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「晴だったよ…ほら、部屋へ戻ろう、、」
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「うん」
そう話している2人がいたそうだ…
お終い!
なっっっが…2000文字超えてんだが、、
こうやって長くなると思うのでご了承ください。
正体不明な方が今回2名でしたね…
うん、わかりづらかったらすんません!!
あと、皆様が思ってる感じと違ってたすみません
それでは、また次回!
コメント
6件
!!めっちゃ不気味、 無陀野さんの言えない親への悲しみとかが、めっちゃわかりやすかったし、最後の2人がめっちゃ気になる!!
怪しい閉鎖的な空間の表現が細かいし、寺の中の妙な一体感が流れてる感じとかめっちゃ想像しやすかった! 無意識に親に助けを求めようとしちゃう無蛇野さんの言えない哀しみを音とかで表現してて書くの凄い上手!! 謎の2人もめっちゃ気になる!