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「夜撫でるメノウ」ノベル化


登場人物

すっちー:現在23歳

こさめ:現在23歳

設定

二人は恋人同士。

⚠️微BLです!地雷さんは回れ右!


「別れようか」 「うん、そうだね」

この選択を後悔はしていない____


こさめ視点

~2年前~

「ねぇーえ!すちくん遅い~!」「待ってよぉ、こさめちゃん~」

「次はあの店行こ!」「ええっ?まだ行くの?明日の大学は?」

「ん~?そんなの平気平気~!明日のことなんて考えないで、今を楽しも?」

「ふふっ、こさめちゃんらしいね~、じゃあ行こうか!」「やったぁ!!」

「これおいし~!」「よかったぁ」「好きだよ」「こさめも!」

いつから関係が崩れ始めたんだろう?もう思い出せないや。


すち視点

~現在~

体を起こす。懐かしい過去の夢を見た。

遮光カーテンがかかっている窓を一目見て溜息を吐いた。

もう戻れないよな。そう思いながらカレンダーを眺める。

そこには今日の日付のところに「こさめちゃんと出かける」と書いていた。

もう夢のように夜に出かけることはなくなっていた。一緒に終電を逃すこともない。

出かけること自体も減っていった。

重い体を起こしながら服を着て朝食や支度を軽く済ませて家を出る。

待ち合わせ場所に行くとこさめちゃんはまだ来ていなかった。

しばらくしてこさめちゃんがきた。いつしか笑顔で駆け寄ってくることもなくなった。

「行こうか」「うん」

手をつなぐこともない。でも昔からの癖で歩調だけは合っていた。

「あっ、この公懐かしいねぇ」「そうだね」「覚えてる?ここで昔一緒に遊んでたの」「んー、なんとなく?」

「そっか」

こんな感じで会話も続かない。こさめちゃんと話すのは諦めて景色を見やる。

公園はどこも変わってなかった。昔のあのころと同じ。

確か2年前の付き合いたての頃は親に許可もらえなくて昼間に遊ぶことしかできなかった。

だから二人でちょっと寒いけどお菓子パーティーをこの公園でしたんだ。ベンチの場所も買ったお菓子も、

こさめちゃんに貸してあげたマフラーのことも全部全部覚えている。

景色は変わっていないのに、俺らの心や関係、思い出は色褪せて変わってしまった。

しばらくしてこさめちゃんと別れるとふとスマホが鳴った。会社の事務連絡だ。

本日2度目のため息をつく。そして急いで会社へと向かった。

~~~~

「よっ、お疲れ~」「お疲れ様です。」「お前も大変だな、休日に急に呼び出されて。」

「いえ、全然。」「彼女とか大丈夫なの?」「まあ、、」「あっ、そんなすっちーくんにご褒美!はい、これ!」

「なんですか?」「俺の奥さんがさ、ストーンアートにハマっててなんか誰かにあげたら~?っていうから!」

「ありがとうございます。大事にします。」

~~~~

結局、終電ぎりぎりになってしまった。

電車を待つ間暇だったのでさっきもらったストーンアートについて調べてみることにした。

一つだけすごく目立つ大きめの石があった。

「メノウ」という石らしい。よく見るととても綺麗な石だった。何十にも色が重なっている。

それはなんだかこさめちゃんとの日々や関係性を連想させた。

何度もケンカして傷つけあった。ケンカだけじゃない、日々の生活でも知らないうちに傷つけあってたと思う。

それが重なってメノウのように歪みながら積み重なった。

俺らは子供だった。そう言い訳し続けていた。もう少し俺が大人になれば、、そうやってやってきた。

けどもうその言い訳もやり方も通用しなくなっていた。

「なんでこうなっちゃったのかな」

そう何度目かわからないつぶやきを漏らした。

やがて電車が来て乗り込み最寄り駅で降りる。

すると目に飛び込んできたのは準備中のイルミネーションたちだった。

少し肌寒いと思っていたらいつの間にか11月の最終週に達していたらしい。

「すっちー!」昔の無邪気で笑顔でかわいいこさめちゃんの声が耳に響いた。

昔はここでイルミネーションを見て、帰りにピザ屋とケーキ屋によったりした。

すると今ままでの思い出がどんどんこぼれでてきた。

俺なりに愛を伝えたくてケーキのプレートはいつも手作りして「大好きだよ」っていうプレートしたり、

プレゼントを用意したりした。店の予約とかも頑張った。

俺はそういうのが苦手なのに。

でも、それでも努力できたのはこさめちゃんが好きだったからだ。

でも今は?今までの愛した時間は美しくて尊いものだった。

それを否定したりはしないし、恋しなければとも思っていない。

けど、けじめをつけなきゃいけないとわかっていた。

「こさめちゃん、今から来れる?駅。」

数分後に

「いいけど」

そして俺は告げた。

俺からの最後の言葉は

「元気でね」

だった。


こさめ視点

~現在~

だるい体を無理やり起こしてスマホの画面を見る。

「元気でね」という一言がメッセージ画面に浮かんでいた。

そのLINEを返す力もなく、スマホごとベットに倒れこんだ。

昨日、すべてが終わった。

昨日すっちーから「こさめちゃん、今から来れる?駅。」

とLINEが来た。「いいけど」と返しこさめは駅に向かった。

すっちーとはいつからかわかんないけどうまくいかなくなった。

出かけても会話が続かない。出かける回数は減り、LINEの頻度も減った。

なんとなく話の内容はわかっていたけど考えないようにした。

すっちーは駅の柱に寄りかかっていて一緒に反対口まで行った。

すっちーはいつもより口数が少なくて一度こちらを振り返ったときは小さな微笑みを浮かべた。

ねぇ、すっちーは今何を考えてるの?

わからないようなわかるようなあやふやな感じだった。

すっちーがまとっている雰囲気によってか周りの空気は萎れていた。

それで確信した。

それなのに、今から何が言われるかわかっているのに、少し息が震えた。

そしてちゃんと告げられた。

「こさめちゃん、別れよう」

後悔ともなんともいえぬ気持ちとが胸を襲ったが

それと同じくらいここで拒否する権利はこさめにはないという想いが胸に広がった。

「そうだね」

そう言って最後に抱きしめあってからこさめたちは別れた。

その後のことは覚えてなくて、気づいたら次の日になっていた。

起きてからずっとスマホの画面の「元気でね」の文字を眺めている。

どうすればよかったのか、どこがいけなかったのか、そんなの明白だった。

確かにお互い仕事について、しかも離れた場所で。それもあったかもしれない。

でも一番は当たり前すぎる言葉を忘れていたことだ。

これはどちらが悪いとかではないと思う。

こさめたちは次第に、「ありがとう」「ごめんね」「大好き」とかの言葉が言えなくなっていた。

言わなくても伝わると思い違いをして、そこからずれ始めた。

こじれ始めたらもう元には戻れなくてもっとそういう言葉を言うのが億劫になった。

すっちーと別れた最後の日、抱きしめられたときにわかってしまった。

もう取り返しがつかないことくらい、

億劫になってしまうこと=遅いということもわかってる。

でも、ごめんねをもう一度だけでいいからこさめに言わせてほしかった。

~~~~~~~

その日は何もやる気力がなくてずっとベットにうずくまっていた。

するとスマホが鳴った。電話はすっちーからだった。

「昨日ぶりだね、、俺さ、この町を出ることにしたんだ」

「えっ?」「パリに行くことになったんだ。俺の服をほめてくれてある先生がいて、

その先生がパリに住んでるらしくてね。だから明日、最終便で飛び立つ。」

「そっか、、」「本当にお別れだね。」「うん」「それだけ」「そっか」

少しの沈黙の後ぷつっと切れた。

そっか、本当にお別れなのか、そう思うと後悔やらなんやらが押し寄せてきた。

するとふと気が付いた。まただ。また、こさめは当たり前の言葉が言えなかった。

「いってらっしゃい」とか「元気でね」とか「じゃあね」とか。

今度こそ言うって、もうどうにもならなくても言うって、決めたのに。

ふと最終便に乗るってことは電車も終電に乗るってこと。と思い立った。

すっちーはこさめとは反対口に住んでて、すっちーの家から駅までは15分かかる。

こさめは起きて支度を始めた。


~~~~~~~~~

こさめ視点

こさめは走っていた。走って走って駅のホームにつく。そこにはキャリーケースを持ったすちくんが立っていた。

電車はあと10分でついてしまう。終電だった。

「すっちー!」「こさめちゃん!?」「見送りに、来た、、」「そっか、こっちに来おいでよ」「うん」

すっちーの隣に立つ。何か言葉をだしたいのに一人で進んでいこうとしているすっちーを見ると言葉が出てこなかった。

沈黙が続く中、すっちーの顔を見る。するとこちらを見て微笑んでいた。

そして

「出会わなければよかったなんて思ってないよ。出会えて、よかった。」

その瞬間、すっちーの瞳から涙がこぼれた。とても静かに。

その涙には後悔や謝罪が含まれているように見えた。いや、絶対にそうだ。

こさめの瞳からも涙がこぼれていた。でも、最後の思いを振り絞って言う。

「最後くらい、笑って。笑ってよね。」

そうするとすっちーの涙はひどくなり、でも、その中で笑顔を作った。

こさめも今できる最高の笑顔で泣いた。

そして本当のお別れをした。

「じゃあね」「じゃあね」


すち視点

~~

最後の別れの言葉を言って電車に乗り込んだ。

そして席に座ってスマホのアルバムを開く。

そこにはこさめちゃんとの思い出が詰まっていた。

その一つ一つに愛や暖かいぬくもりがあった。

口下手で愛を伝えるのが苦手だった俺を受け入れてくれたこさめちゃん。

今の今までケンカしても見捨てないでくれたこさめちゃん。

俺と出会ってくれて好きになってくれて愛してくれたこさめちゃん。

ああ、俺はなんて素敵な人に恋したんだろう。

さっきの涙がまたぶり返してきた。

この恋は本当に美しくて、尊かったと、改めて思った。

悪いことばかりではなかったと心から思えた。

でも、この道を後悔はしていない。

そして最後のメッセージを送る。

考えに考え抜いた。

謝罪でもなく、今までの思いでをぶり返すでもなく

ただ一言。

「ありがとうね」

そう、送った。




~番外編~

こさめ視点

すっちーが乗り込んでいった電車を見送りながらこさめは泣き続けた。

家に帰ったころには目がパンパンに張れていた。

玄関でスマホが鳴り、そのまま開くとすっちーから一言

「ありがとうね」

と来ていた。その瞬間ぶわっとまた涙が出てきた。

そしてそのままアルバムを開いた。

そこにはすっちーがいた。昔の、笑顔だったすっちーが。

こさめと出会ってくれたすっちー。

こさめのおしゃべりやわがままをずっと聞いてくれたすっちー。

ケンカしても一方的に怒っても静かに微笑んでくれたすっちー。

ああ、幸せだったなと思う。

でもそこに後悔はなった。

こさめは今までの後悔と謝罪を込めてそして前に進む誓いとして

「ありがとう」

そう送った。そのメッセージにはすぐ既読がついてそこから返信が来ることはなかった。





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