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真っ暗な闇の中。
月明かりが木々を照らす。
風で自然に揺れ、鳴るざわめきの中に、
不自然な音が2つ。
音の元へ一直線に駆け寄り、木の上から見下ろせばそこには、人影が2つ。
「見つけた」
返してもらおう、我らの書物を。
遡ること15分前。
僕、些屋縁肋とほか数名の金透忍者隊員は隊長から書物を取り返すように命じられた。
どうやら城が襲撃にあったようで、大切に保管されていた書物が奪われたらしい。
それから捜索をし、今に至る。
見つけた2人の人間の上から襲いかかり、苦無を構える。短髪の方へ切りかかれば、鉄双節棍で止められた。後ろに跳ね、もう一度体制を直すが、長髪の方の顔に紙が張り付き、グダっている様子だった。その隙を狙ってあっさり書物は取り返し、敵は縄で縛って後始末を考えていると、後ろに気配を感じた。
持っていた苦無をそのまま後ろへ勢い良く回せば、腕を掴まれ、書物はまたもや敵の手へ渡った。離れたくて目一杯力を入れても、相手はビクともしない。(どんな怪力だよ)と思っていると、まだ仲間がいたようで、縄は解かれていた。計6人の敵に囲まれて絶体絶命の状況だが、諦めず抵抗を続けていれば、なにやら布を口に当てられ、意識を失った。
6年生side
現在、絶賛忍務中です!
伊作“こっちを追ってきてるね”
留三郎“そうみたいだな”
伊作“計画通りだ”
僕たちの計画はこうだった。
1、書物を奪う
2、六はが囮になり敵を誘き寄せる
3、おびき寄せられた敵を潜伏してる六い・六ろチームで倒す
4、学園へ帰還 報告する
今は作戦2の最中である。
仙蔵“敵数5名。そっちに向かってるのは1人だけだ”
文次郎“他4人の方へはろ組が行った”
伊作“分かった”
六いの2人が、囮の僕らの周りを見てくれている。その報告に合わせて、僕らも道を変えていく。
仙蔵“そろそろ来そうだ”
留三郎“了解!”
報告を聞き武器を握る留三郎。
僕もいつでも対処可能なように手をかける準備をする。そして誘うように走るスピードを落とす。
そうしたら直ぐに、敵は降りてきた。
敵の苦無の先は留三郎の方へ向き、留三郎は鉄双節棍を使って苦無を受け止めた。
敵は後ろに飛び、体勢を直す。
その瞬間月明かりが差して、敵の顔が見えた。僕は思わず動きを止める。
その姿が、いつも戦っているような大の大人では無く、僕達と何ら変わりのない歳の子供に見えたからだ。
呆気に取られていると、どこからか飛んできた紙が顔に張り付く。
留三郎“伊作!!なにしてんだ!”
伊作“すまない留三郎!”
文次郎“ボケっとするな!”
その隙を狙われ、書物を奪われる。
相手の苦無は僕の喉元に当てられ、身動きが取れなくなった。
“丁度良い、そのまま捕まっておけ”
“もうすぐ小平太達もこっちに着く”
と言われたので、大人しく縄に着く。
敵は僕らを見下ろしている。恐らくどうするのか考えているのだろう。
留三郎“小平太達もう着きそうか?”
仙蔵“あぁ。直ぐにな”
と答えられた時。
“いーけいけどんどん!!”
木の上から小平太が降りてきた。敵もそれに気づいたようで、左手に握っていた苦無を後ろに振るが、軽く腕を掴まれていた。少し後から来た長次が書物を取り返す。
そんなことをしている間に僕らは六いの2人に縄を解いてもらう。
小平太“あっちに居た4人はやっておいたぞ!”
長次“もそ、、眠らせておいた、 ”
伊作“ちょっと強めだけど眠り薬持ってるからこの人にはそれを使おう。”
直接そのまま飲ませるのは恐らく効き目が強すぎるので、持っていた布に染み込ませて敵の口に当てる。数秒ほどすれば、体の力は抜け、眠りに落ちた。
文次郎“で?連れて帰んのかこいつ”
伊作“そうだね。ここに置いて行くと危ないだろうし、薬の効力の確認もしたい。”
長次“モソ、なら増援が来る前に急ごう、”
僕らは、眠った彼を長次に預けて足早にその場を去った。