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ひねもす
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たんぽぽ
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snjn すみません長いです
※モブ女が多少出しゃばる所あります
ーーーどうして来てしまったのだろう、と後悔した。
今日恋人である勇斗は先日オールアップしたドラマの共演者、スタッフの人たちとの集まりという名の飲み会があるというのは前から聞いていた。異性もいるとも言っていたけど、だからと言って集まりに行くなと引き留める権利が自分にはないので「いってらっしゃい」と送り出した。勇斗のことは信じていたから。
「遅くなると思うから、仁人先に寝てていいよ」
「うん、気をつけて。飲み過ぎんなよ」
「わーってるって」
チュッと軽くキスされて、身バレ防止対策してる勇斗は家を出て行った。長年付き合っているから分かるが、今日の集まり楽しみにしてたんだろうな、というのは雰囲気でわかった。大勢で集まることが苦手な自分には良さが理解できない。でも理解できないことを勇斗に強制することはしたくなかった。束縛みたいだし、嫌われたくなかったから。
「……なにしよ」
とりあえず柔太朗誘ってオンラインゲームでもしようかなぁ。
『ちょっと今日荒れてない?よっしー』
なんかあったの?という問いには曖昧な返事をしてしまった。ただちょっと変にイライラしているのは自分でも気づいてはいた。
「そんなことないよ」
『どうせ勇ちゃんのことでしょ?』
「なにもないってば」
『……まぁ、そう言うならこれ以上聞かないけど。夫婦喧嘩は他所でやんな』
「喧嘩してねーっての」
ヘッドホンの向こうで柔太朗が楽しそうにあははッと笑う。他人事だと思って…
『そういえば勇ちゃんは?まだ仕事?』
「いや、ドラマの人たちと飲み会」
『ふーーーん、なるほどね』
「なに」
『本当は勇ちゃんに行ってほしくなかったんでしょ』
「……ッな、」
ドキッと心臓が跳ねる。本当変なところで勘が鋭い。
「そんなわけッ…」
『自分の気持ち、ちゃんと伝えればいいのになに遠慮してるの?別に勇ちゃん怒らないと思うけど』
「そんなの、わからないじゃん…」
『そうかなー』
嫌われそうなことはしたくない。
ただでさえ、こんな自分と付き合ってくれてるのに勇斗に少しでも自由でいて欲しい。それにもしかしたら勇斗は女性と付き合いたかったり……
ーーあぁだめだ、どんどんマイナス思考になっていく。
『あまり深く考えなくてもいいんじゃないかなーって思うけど』
「……ごめん、風呂に入るから切るね」
『……そ。なんか相談があったら言ってよ』
「ありがとう」
ぷつん、とゲームを終了させて電源も落とした。暗くなったデスクトップにはぼんやりと浮かない顔をしてる自分が映った。なんだかんだ、柔太朗は優しい。
ブブッとスマホが震える。
メッセージかと思ったら断続的にバイブ音がするのでどうも違うようで電話みたいだ。画面を確認すると『勇斗』と表示されていて、終わったという連絡かなと思いタップして電話に出る。
「もしもし勇斗?」
『…あッ…もしもし?』
「………はい?」
聞こえてきたのは、明らかに女性の声だった。自分に冷静になれと言い聞かす。
『あの、勇斗くんのお友達の方でしょうか?勇斗くん飲み過ぎちゃって、今お店で横になって寝ちゃってるんです…仁人に電話とかなんとかって言ってて、やっとあなたに電話することができて…』
「…すみません、うちのがご迷惑お掛けして…今から迎えに行くので場所教えてくれますか?」
『はい、場所はーーーー』
プツンッと電話を切った。メモをした場所に向かう準備をする。
ーー勇斗くん
電話を掛けてきた女性は一体誰なんだろう。仲が良い人なのかな。どれくらい?下の名前で呼び合うくらい親密なのか?
ぐるぐるぐる…小さい黒い渦がとまらない。悶々とした気持ちを抱えたまま家を出た。
※
言われたお店に到着すれば、自分を知っているスタッフが勇斗のところへ案内してくれた。襖を開けると畳の上で横になって顔が少し赤くなって寝ている勇斗が居た。ずかずかと近づき頬をペシッと叩く。身を捩らせて唸るとやがて閉じられていた瞼がゆっくり開いた。
「あれぇ仁人じゃん、どぉしたの」
「どうしたもこうしたも、何してるの?他の人に迷惑掛けるなよ」
「えぇ〜?というか、おれ仁人に電話したっけ?」
「わたしが掛けたのよ、勇斗くん」
ふたりの会話に入ってきたのは、先程電話越しで聞いた声。小柄で清楚な雰囲気を纏ってる可愛いらしい女性だった。
「えーそうなの?ありがとうね〜」
「ふふっ、あ、吉田さんですか?私普段はアイドルをしてまして、ドラマで勇斗くんと共演した者です」
「…ぁ、どうも……」
女性アイドル事情に疎い自分は申し訳ないが、知らない方だった。脳がうまく回転しない。とりあえず返事をする。唇が小さく震えているのがわかる。
「……お忙しいのに、連絡くれてありがとうございます。勇斗は僕がこのまま連れて帰ります」
「そうですか…勇斗くん、私を庇ってお酒、たくさん呑んじゃったんです。怒らないであげてくださいね」
「………庇って?」
「私お酒だめなんですが、呑むようにある役者さんが言ってきて…でもそれに気づいた勇斗くんが役者さんの相手をしてくれたんです。…優しいですよね」
薄ら頬を赤くさせ、チラリと横目で見つめる先には再び寝入る勇斗がいた。明らかに好意を抱いてる瞳だった。どうしようもない焦燥感に襲われる。
「勇斗くんって本当に素敵な方ですよね。優しいし、かっこよくって…私好きになっちゃったかもしれないです」
「吉田さん、どう思いますか?」
ーーーこの人、気づいてる
俺と勇斗が恋人同士だというのを。
「……ッあ、…いや、」
見透かされてる彼女の瞳に動悸がとまらない。動揺しているのがバレてる。
何か言わなきゃ…って思えば思うほど脳内はパニックになる。
「…不毛な関係って勇斗くん可哀想」
ポソっと呟いた鋭利な言葉が胸に突き刺さる。
その場に居たくなくて部屋の外にいたスタッフと一緒に勇斗を呼んでいたタクシーまで運ぶのを手伝ってもらって自分のことを敵視している彼女から逃げるようにその場を後にした。
※
「あーーーッ…つっかれた……」
ソファーに体を預ける。明日はきっと筋肉痛だろう。ドッと疲れがでてくる。
スタッフには玄関まで来てもらって、ふらふらになりながらもなんとか家の中に勇斗を入れて寝室のベッドに投げるかのように寝かせることができた。うぅ〜ん……と唸るようにしてなかなか起きない彼に一体何杯呑んだんだと呆れる。
だから飲み過ぎるなって言ったのに。
シン…と部屋が静かだとどうしても考え事をしてしまう。帰る時に一瞬だけ彼女を見たがあの時の表情がどうしても忘れられない。睨みつけてくるような、そんな目だった。
「…不毛、…か」
何年か前に勇斗と恋人同士になった時、メンバーにだけは報告しとこうってことで5人だけ集まった時に伝えた。
舜太は「おめでとう〜!」と大号泣で、太智は「勇斗やったやん!」って肩組んで喜んでくれたし、柔太朗は微笑んで静かに拍手してたけど、薄ら泣きそうな顔をしていた。
俺らふたりの関係をこんなにも祝福してくれる人たちが居るんだということに、あの日帰ってひとりで泣いた。
でも今日の出来事で、現実を突きつけられた気がした。そう甘くないんだと。
「縛りつけてるのか?俺が」
このまま勇斗と付き合い続けていいのかと不安になることは度々あった。
スタッフさんの子どもを愛おしそうに抱っこしてる時、ドラマを見て綺麗な女優さん並んでる時お似合いだなぁと思った時、変にプライドが高く扱いづくて面倒臭い自分と喧嘩した時……
でもやっぱり、好きなんだ。
勇斗のこと。
それだけなのに。この世の中が憎い。
※
「仁人、昨日ごめんな」
「…いいよ、スタッフさんに手伝ってもらったから今度謝っとけよ」
翌日、朝風呂を終えてタオルで髪をガシガシ拭きながら出てきた勇斗を見ることができなかった。どうしても昨日の言葉がチラついてしまう。
「どうした?」
「…え、」
「なにかあった?」
ソファーにいる自分の横にどかっと座り込んで顔を覗き込まれる。メイクしなくても綺麗で整っている顔にドキッとする。
「なにもないよ」
「……そう、なにかあったらすぐ言えよ」
優しい勇斗にすぐ返事はできなかった。
黙っていると軽くキスされる。
縋りつくように上半身裸の勇斗に抱きついた。ふわっと爽やかなボディーソープの香り。それでも微かに昨日にお酒の香りも感じる。
「なに〜甘えたなの?」
ぎゅうって抱きしめてくれてひどく安心した。このままずっと包まれていたい。
ずっと離さないでいてほしい。
「かわいいなぁ仁人は」
でも今はどんな言葉を言われても心は満たされなかった。
※
なんとなくあの日から勇斗をちょっと避けるような生活を過ごしている。
ありがたいことにグループとしても個人としても忙しい日々を送っている。勇斗は新しいドラマもクランクインして、他の様々な撮影もスケジュールに入り相変わらず多忙だった。お互いすれ違う日々。ふたりで過ごす時間は少ないことは今は落ち着くというか、ありがたかった。1週間怒涛のスケジュールをこなした日の夜、勇斗は帰りが遅いというので久しぶりに柔太朗とオンラインゲームをしていた。どうも柔太朗と話してると悩みごとを相談してしまう。
『なにその女、うざッ』
「いやいや、らしくないじゃん、口悪いな」
『だってそうじゃん、さのじん厨として邪魔者は許せない』
つい先程までゲームをしていて、休憩がてら雑談中。この間のことを相談してみた。いつから柔太朗そんなヲタクみたいになっちゃんだと呆れつつもちょっと嬉しかったり。
『気にするなって言ってもよっしーは気にしちゃうんだろうね』
「うん…」
『だから勇ちゃんに相談しなって言ってるのに』
「言えないよ……迷惑というか負担かけたくないというか」
『嫌われたくないって?』
「………ッ」
『よっしーは勇ちゃんと別れたいの?』
「……やだ、別れたくない…好きだから…」
大好きだもん、って消え入るような声で言い俯いていると背後に人の気配がして急いで振り返る。あ、っと思った時はもうヘッドホンは取られて、デスクに静かに置かれた。ブツンってと指先で電源ボタンを長押ししてると強制終了されて、
画面が暗くなる。
「…勇斗……」
「ずいぶん楽しそうだね」
振り返った先には帰宅したばかりの勇斗がいた。目の下にはうっすら隈があり、疲れてるのだろうか少し機嫌が悪そうだった。その雰囲気につい怯んでしまう。
「…ッあ、…帰るの遅くなるんじゃなかったっけ…」
「思ったより早く終わった。連絡したけど見てないの?」
「…ごめん、気づかなかった」
柔太朗と話し込んでて、携帯ずっと置きっぱなしにしていて気づかなかった。
はぁッと重い溜め息をされる。
久しぶりのふたりきりなのにどうも居心地が悪い。それになんだか今日の勇斗がなんだか怖くて声を掛けづらい。
「さっきの誰と話してたの」
「えっ、柔太朗だけど…」
「なんの話?」
「………色々…」
「…なに、俺に言えない話?」
フッと呆れるようなそんな笑い方だった。確かに勇斗に言えないことだが、なんで笑われなきゃいけないんだと小さい怒りが湧いてくる。こんなにも勇斗のことで悩んでるのに……でも、
「うん、言えない…」
「ーーーそうかよ」
聞いたこともない低く冷たい声だった。
それから勇斗は「飯、外で食べてくる」とそのままこちらを見ずに出て行こうとするので、引き止めようと腕を掴んだ。
でも、それは強く振り払われた。
痛い。
「………はやと」
名前を呼んでも返事はなかった。
お願い行かないで
ひとりにしないで
バタンッと遠くで玄関の音がした。
無情にも勇斗は行ってしまった。
もうだめなのかな俺たち
※
「…なんて顔してんの勇ちゃん」
「誰のせいだよ」
「いきなり呼び出されて、来てみればガチギレってどういうこと?」
場所は家から割と近い個室がある飲食店。あぁ〜怖い怖いだなんてふざけて言いながら向かいの席に座る柔太朗に少し苛立つ。
家を出た後、すぐに柔太朗に電話をした。すぐ来いと有無を言わせないような圧を電話越しに感じ取ったのか「すぐ行くよ」返事をしてと来てくれた。
とりあえずドリンクを注文した。
なにがいいかなぁとメニュー表を柔太朗は見ているが自分はとてもご飯なんか食べられる状況じゃなかった。
「ちょっと…こんな雰囲気じゃあご飯美味しくないよ」
「……単刀直入に聞くけど、柔太朗って仁人のこと好きなのか?」
ブッ!て注文したドリンクを口にした柔太朗は問いかけに対して飲み物を吹き出した。
「おいきったねぇな!」
「…ゲホッ、ごめ、勇ちゃんが、変なこと言うから…」
むせるのを落ち着かせてからふぅっとひと呼吸おいて「勇ちゃん何言ってるの?」と不思議がられた。
「よっしーは人としては好きだけど、恋愛感情は誓って一切ないけど?」
「え…?…じゃあ俺が帰ってきた時、ふたりなんの話してた?」
「あーー…さっき勇ちゃん居たんだ」
急に気まずそうにする柔太朗。
やっぱり彼は何か知っている。
俺には言えなくて柔太朗には言えることってなんだ?
「頼む…教えて欲しい……仁人と別れたくないんだ…でも俺になにも言ってくれるないんだよ」
「そりゃそうだよ、勇ちゃんが関係してるんだから」
「……俺のこと?」
仕方ない…と言い微笑んで腕を組む柔太朗。
「さのじん厨の俺が手助けしてやりますかー」
「ヲタクみたいなこと言うな」
※
お金だけ置いて店を飛び出して走った。
1秒でも早く仁人のことを抱きしめてあげたくてひたすら走った。
柔太朗が全部教えてくれた。
俺は勝手に柔太朗と仁人の関係を勘違いして、とんだ大馬鹿野郎だった。
あんなにも仁人が悩んでいたことに気づいてあげられなかったこと、大事な人を守れていないことにとても自分に腹が立っている。
ーー悲しい想いをさせてごめん
慌てて鍵を開けた。
玄関は暗くてリビングの方はほのかに明るかった。
「……仁人?」
はぁはぁと走って乱れた呼吸をなんとか落ち着かせる。
いつも座ってるソファーにも仁人の部屋にもいなくて、もしやと思い寝室へ向かった。ゆっくりと扉を開ける。部屋は真っ暗で、電気のリモコンで常夜灯にした。ベッドの端の方で掛け布団がこんもり盛り上がってるのを見て、安心する。
ギシッとベッドに上がると音が鳴る。
そのまま仁人のこと抱きしめた。その時ビクンと反応があって、でも出てくる気配もなく……
「仁人…顔、見てもいい?」
ふるふるって震えたから、きっとダメってことだろう。でもここで諦めちゃダメだ。
「お願い、俺、ちゃんと顔見て謝りたいんだ。」
「……」
しばらく無言であったが、観念したのかもぞもぞ動いて仁人の髪見えた。
常夜灯から普段の電気の明るさに戻す。
「…仁人」
泣いていたのか、両目とも赤くて少し腫れていた。俺の顔を見るとぽろぽろ涙が溢れ出てきていた。泣かせてしまった。
ひどい罪悪感に襲われる。
「全部柔太朗が教えてくれた…ごめん、さっきも冷たい態度取って泣かせて…というよりも、不安にさせて、気づいてあげられなくてごめん」
ベッドの上で頭を下げた。
「俺、あの女性とは本当に何もない、確かに困ってたから助けてあげたけど…でも下心なんて一切ない。でもそのせいで仁人に迎えにきてもらったり迷惑かけたし、嫌な思いもさせた…」
「…おれら」
喋ってる途中で仁人が口を開く。
声は掠れていた。
「不毛なんだって」
「…仁人」
ヘラって儚げに笑う。
でも唇を噛んで耐えてるようだった。
「勇斗とこのまま付き合っていても、いいのかなぁって時々考えてた。堂々とデートなんて無理だし、勇斗の好きな子どもは産めないし、可愛げもないし、わがままで面倒くさい性格してるし、俺が勇斗の将来の邪魔になってるんじゃないかって、別れた方がいいのかなって…だから…」
「仁人ッ!!!」
大きな声で名前を呼ばれてビクッと跳ねる。肩を押されてベッドに倒された。
口元を勇斗の大きな手で覆われる。
「言うな」
勇斗は泣いていた。
ぽたりと涙が頬に落ちてくる。
「それ以上は言うな」
そっと手が離れる。
勇斗が泣いてることに驚いて声が出なかった。
「俺は仁人が隣にずっと居てくれればそれで幸せなんだ。他人から不毛だと思われようがなんだろうが関係ない。俺らのことあいつら3人がお祝いしてくれたんだから、味方なんだから、それで充分じゃないか?だから……頼むから別れたほうがいいなんて言うな…」
グスッと鼻を啜り目を擦る勇斗はまるで子どものようだった。腕を伸ばして指先で涙を拭ってあげた。そのまま頬を撫でる。
「ごめん、勇斗…泣かないで」
「……好きだよ、仁人。…本当に…愛してる」
「俺も……」
勇斗の顔を引き寄せて、唇を重ねた。
※
長い夜だった。
あの後体をも重ねて愛を何度も確かめ合った。
ふと目が覚めた。
起き上がると隣で寝ていた勇斗は居なくて。事後の体は綺麗になっており、きちんと服も着ていた。きっと勇斗が拭いたりして着せてくれたんだろう。
「……いたっ」
動くたびにズンッと腰に重みがくる。
昨日の激しい行為を思い出して顔が赤くなってくるのがわかった。お互い多忙で久しぶりだったのもある。
リビングに行けばキッチンの方から良い香りだする。忙しなく動いてる勇斗にくすりと笑ってしまった。
「あ、仁人おはよう」
「おはよ」
「いつも朝メシ作ってもらってばっかで悪いからさ、下手くそだけど…食べて?」
「嬉しい、ありがと」
ちょっと焦げた食パンとか、淹れてくれた薄めのコーヒーとか入れる分量をたぶん間違えた塩っぱめの卵焼きとか…ちょっと不器用なところも全て愛しい。
「美味しいよ」
「マジ?超嬉しい!」
「すごく幸せ」
「俺も」
向かいに座ってる勇斗がさっきからソワソワしているのが気になった。
どうしたの?と聞くと席を立って、こちら側に近づく。
急に跪くものだから目を丸くする。
「なに、急に」
「仁人、左手」
「?」
すると突然、勇斗が左手の薬指に口付けをした。何が起きたかわからずぽかんとしてしまう。
「俺、仁人のこともう悲しませたりしない。一生かけて幸せにする。だから、ずっと俺の隣に居てくれる?」
まるでプロポーズだった。
不安げな目の勇斗がたまらなく愛おしくなる。そんなの、答えは決まってる。
「1番高い結婚指輪、買ってもらうわ」
跪いて、愛を誓え 終
snjn厨なjyu様大活躍でした
割と私の小説に登場しがちです
ついつい長くなってしまうもので💦
読んでいただきありがとうございました
コメント
1件
かなさん、読了しました…🥀 仁人の不安な気持ちに胸がぎゅってなった…「不毛な関係」ってあの子に言われたシーン、ほんと心臓掴まれる感じだったよ。 でも柔太朗の神対応と、勇斗がちゃんと動いて向き合ってくれたのが救いで、ベッドの上で泣きながら告白するシーンで私も泣きそうになった… 最後のプロポーズ、めちゃくちゃ良かった。ずっとふたりで幸せでいてほしいです。 読めてよかった、ありがとうございます🤍