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mogyumogyuGemi
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mogyumogyuGemi
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#AI
みら

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みら

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第三十六話 選択の重さ
沈黙は、長い時間を持っていた。
誰も急かさない。
でも、逃げ道もない。
図書館全体が、こちらの“意思”という一点に収束している。
⸻
澪が小さく息を吸う。
『消えたくない』
その声は震えていたけど、はっきりしていた。
『でも』
少し間。
『誰かが消えるのも、やだ』
⸻
渚が視線を落とす。
『統合したら、全部ひとつになるんだよね』
「うん」
私はそう答えるしかなかった。
『じゃあ今の“わたし”はどうなるの』
その問いは、ずしりと重い。
⸻
伊織が静かに言う。
「記憶として再配置される」
「でもそれは“同じあなた”かは分からない」
言いながら、自分でもその不確かさを噛みしめている顔だった。
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栞が補足する。
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『統合後の個体は連続性を保持しません』
『構造上、“再編成された存在”になります』
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澪が小さく呟く。
『それって……私じゃなくなるかもしれないってこと?』
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栞は否定しない。
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『可能性:あり』
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空気がさらに静かになる。
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その時だった。
中央恒星庫の光が、ふっと弱くなる。
まるで“待つことに疲れた”みたいに。
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そして、また声。
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『怖いですか』
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その問いは優しかった。
責める感じはない。
ただ、確認しているだけ。
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澪がゆっくり頷く。
『うん』
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『それでも、存在を続けたいですか』
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その言葉で、空間が少し揺れる。
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私は気づく。
これは“選ばせている”んじゃない。
この図書館はずっと、同じことをしている。
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「存在を続けるか」
「意味を変えてでも残るか」
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伊織が低く言う。
「これは統合じゃない」
「存在の再定義だ」
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栞が静かに続ける。
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『選択内容は三つに分類されます』
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空間に文字が浮かぶ。
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【選択肢A:統合受諾】
【選択肢B:分離維持(崩壊リスク)】
【選択肢C:未定義継続(保留)】
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渚が小さく息を呑む。
『保留ってなに』
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栞は淡々と答える。
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『決定を遅延させる状態』
『ただし構造は不安定化します』
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伊織が呟く。
「どれも完璧じゃない」
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その時。
私はようやく気づく。
どの選択肢も、“正解”じゃない。
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ただ。
何を失ってもいいかを選ぶ問題だ。
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澪がこちらを見る。
『ねえ』
小さな声。
『彩乃は、どうしたい?』
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一瞬、図書館の時間が止まる。
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すべての視線が、私に集まる。
星も。
本も。
未練も。
司書も。
もう一つの世界も。
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中央恒星庫が、静かに光を揺らす。
答えを待っている。
⸻
選択の中心に、私は立っている。
コメント
1件
いやー、今回も重かった…。でもその重さがめちゃくちゃ刺さったわ。どの選択肢も“正解じゃない”って、まさに「何を失ってもいいかを選ぶ問題」って表現がズシリときた。澪の「消えたくない」の震えとか、彩乃に視線が集まるラストの静けさが忘れられない。この図書館の空気、ずっと味わってたい🔥