テラーノベル
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翌日。
こさめは朝から机に突っ伏していた。
🦈「むぅ……」
なつが通り過ぎながら言う。
🍍「何だその顔」
🦈「考えごと」
🍍「珍しいな」
🦈「失礼」
こさめは頬を膨らませた。
昨日のことが頭から離れない。
知らない少年。
『約束だよ』
そして。
すちの反応。
明らかに何か知っている顔だった。
🦈「……」
こさめはちらりと部屋の隅を見る。
すちは書類整理をしていた。
相変わらず穏やかだ。
優しそうだ。
のんびりしている。
でも。
隠しごとをしている。
そんな気がしてならなかった。
🦈「すちー」
🍵「なに?」
🦈「こさめのこと知ってる?」
いきなりだった。
なつが盛大にむせた。
🍍「ぶっ」
いるまも顔を上げる。
すちは一瞬だけ固まった。
けれどすぐに微笑む。
🍵「昨日も聞いてたね」
🦈「聞いた」
🍵「どうして?」
🦈「なんとなく」
こさめは椅子の背にもたれた。
🦈「すち、何か隠してる顔してる」
🍵「そんな顔してるかな」
🦈「してる」
🍵「そっか」
相変わらず否定しない。
肯定もしない。
その態度が余計怪しい。
こさめがじーっと見つめる。
すちも微笑む。
じー。
にこ。
じーー。
にこ。
🍵「……」
🦈「……」
🍵「勝負?」
🦈「違うよ」
結局すちは何も話さなかった。
その時。
警報が鳴る。
ピコン。
『監査局より緊急要請』
全員が顔を上げる。
監査局から直接の呼び出し。
珍しい。
すちが端末を確認する。
そして珍しくため息をついた。
📢「どうした?」
いるまが聞く。
🍵「会議」
🍍「可哀想に」
なつが即答した。
🦈「会議嫌いなんだ?」
こさめが聞く。
すちは少し困ったように笑う。
🍵「長いからね」
📢「わかる」
🍍「こさめは出たことないでしょ」
🦈「ない」
🍵「じゃあ分からないと思うなあ」
🦈「たしかに」
こさめは納得した。
そしてなぜか得意げだった。
意味は分からない。
そのまま、すちは監査局へ向かうことになった。
部屋を出る前。
ふと振り返る。
🍵「こさめちゃん」
🦈「なに?」
🍵「危ないことしないでね」
🦈「しない」
即答だった。
すると。
なつといるまが同時に吹き出した。
🍍「信用ねぇ」
📢「全く信用できねぇ」
🦈「なんで!?」
こさめが抗議する。
すちは笑った。
🍵「じゃあ行ってくるね」
🦈「いってらっしゃーい」
手を振るこさめ。
その姿を見ながら。
すちは少しだけ表情を曇らせた。
まるで。
最後になるかもしれないものを見るように。
監査局本部。
最上階。
特級会議室。
重い扉の向こうには、監査局幹部たちが集まっていた。
空気は重い。
誰も笑っていない。
机の中央には資料が置かれている。
表紙には大きく書かれていた。
**【人類の未来】**
すちが席に着く。
すると議長が口を開いた。
「調査結果が出た」
部屋が静まり返る。
「対象者こさめ」
その名前が出た瞬間。
すちの手が僅かに強張った。
議長は続ける。
「記録照合完了」
「未来管理計画第零号」
「本人である可能性は九十九・九九%」
ざわめきが起こる。
幹部の一人が言った。
「封印すべきでは?」
別の者が頷く。
「記憶が戻れば危険だ」
「世界そのものに影響が出る」
「前回と同じことになる」
前回。
その言葉にすちは顔を上げた。
🍵「まだ決まったわけじゃない」
珍しく強い口調だった。
会議室が静まる。
すちは続けた。
「彼は何も知らない」
「だからこそ危険だ」
幹部が言う。
「もし全て思い出したら?」
🍵「……」
答えられない。
なぜなら。
すち自身も分からないからだ。
議長が静かに告げた。
「最悪の場合」
資料が開かれる。
そこには古い記録。
数千年前の災害報告書。
**【未来消失事件】**
その文字を見て、すちは目を閉じた。
議長が続ける。
「世界が崩壊しかけた原因は、第零号だった」
その頃。
もちろん。
こさめはそんな話を知らない。
🦈「暇だな〜」
管理課でごろごろしていた。
📢「仕事しろ」
いるまに怒られた。
🦈「してるもん」
📢「してない」
🦈「してる」
📢「床で転がるのは仕事じゃねぇ」
そんなやり取りをしていた時。
ふと。
こさめの視線が棚の奥へ向く。
そこには。
見覚えのない扉があった。
今まで気づかなかった。
白い扉。
鍵がかかっている。
扉には小さな文字。
**【未来管理室】**
🦈「……?」
こさめは首を傾げた。
なぜだろう。
その扉を見た瞬間。
胸がどくんと鳴った。
まるで。
ずっと昔から知っている場所みたいに。
コメント
4件
おっ,,,,,とこれはやばいのでは,,,,,
第9話読み終えたわ〜! こさめの「すち、何か隠してる顔してる」ってストレートな問い方、めっちゃ彼女らしくて好き。すちの「勝負?」でずらそうとする返しも笑ったけど、そのあとの監査局の会議シーンで一気に空気変わったな…「未来消失事件」「第零号」っていう単語が重すぎて震えたわ。 そして最後の**未来管理室**の扉。こさめが「ずっと昔から知ってる場所みたい」って感じるところ、背筋がゾクッとした。記憶と世界の謎が絡み始めて、次が気になりすぎる🔥
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