スマブラ組
《聖なる夜のプレゼント》
※長いです
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…………“同性愛者”。
………自分には関係のない言葉だと思ってた。
……だけど、そんなことは全くなくて。
…恋とは、無慈悲にも…叶わぬようになっているのか?…そう、問いたくなるようだった。
君が好きだと気づいたあの日。
君に好きな人が居ると…知った、あの日。
そう…、俺は
初めて人に恋したその日に、その恋は無慈悲にも…終わってしまったのだ。
彼を好きになったことは、いけないことだったのだろうか。
ふわふわとした、赤みがかった彼の髪を好きになったのは
少したれ目な美しい空色の彼の瞳を好きになったのは
少し高い、彼の背丈を好きになったのは
俺よりも大きくて暖かい彼の手を好きになったのは
柔らかくて甘い彼の声を好きになったのは
…他にも、たくさん………………
彼の、全てを好きになってしまったのは、
いけないことだったのだろうか…………………?
彼の全てを好きになってしまった俺は、これから、どうしていけば良いのだろうか………
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一目惚れ。
君のことが、大好きだった。
…自分が、同性を好きになるなんて、思ってもいなかったけどw
君が好きだから、仕方がない。
………恋って、不思議だね。
君のことになると、僕が僕じゃないみたいで。
君が笑えば、自然と僕は幸せになる。
君が喋れば、僕は楽しくて仕方がなくなる。
君が僕の隣にいれば、僕は嬉しくて堪らない。
君のその声は、僕の癒しになっていて。
………僕の持っている“人に与えるための愛”は、君へための“愛”だったと、そう、思った。
だけど、君は…
僕の愛を、受け取ってくれなかった。
……君は、僕からの愛を受け取れなかった。
……………僕らは、いわゆる“運命の相手”同士じゃなかったんだ。
だけども僕は、君が好きだ。
好きで好きで、堪らない。
僕の愛は、君以外の誰のものでもないんだ。
………君に、好きな人が居るのは、知っている。
君の恋は、応援するよ。
大好きだから。
幸せになって、欲しいから。
……君の恋人になれる人は、幸せ者だね。
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『イルミネーションやってるみたいなんだけど、2人で見に行かない?』
急に…彼から、そんな連絡が来た。
“2人で”
その言葉に、思わず口角が上がる。
それだけで、幸せだと思える。
………………好きだなぁ………
…窓の外では、雪がちらちらと降っていて。
家と家の間からちらりと覗く、藍色の空には、美しい星が、瞬いていた。
クローゼットからタートルネックの服を取り出して、着替えて。
ハンガーからコートを取って、バサリとはおる。
いそいそと玄関へいけば、夜だからか、外が思いの外寒いことに気がついて。
彼の色をしたマフラーを自らの首に巻き、俺は家の外に出た。
…“2人で”
この言葉は、まるで、デートの誘いのようにさえも
感じられた。
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今日はちょうど、クリスマス。
コンビニに行って、帰る途中、大通りの方に、人だかりがあった。
…男女のペアが、沢山いる。
………………カップルか。
ちょうど彼への想いを馳せていた僕は、ふと
彼と一緒にこの美しい光を見たいと思った。
LINEで誘ってみれば、
『行く。場所分かんないから迎えに来て欲しいんだけど』
と、返ってきた。
…嬉しい。
僕の口角がふわっ、と緩む。
僕の足取りが、自然と速くなる。
君に会いたい。
そんな思いで、
あわよくば…告白したい。
そんな気持ちで、
僕は足早に、家へ帰った。
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はーっ…と、白い息を吐き出して、君が来るのを待っていた。
君のことを考えて、幸せな気分になっていれば、
遠くから、ザクザクと君の足音が聞こえてきた。
彼が、俺の存在に気がついた。
br)スマさん‼︎
sm)…Broooock
お互いの名を、呼び合って互いに寄り合う。
Broooockは小走りで、
俺は、ゆっくりと
br)…ごめんね、遅れて。
彼の白い息が、キラキラと空に吸われてく。
sm)…全然。
sm)行こ。…どこらへんなの?イルミネーション
緩む頬を、彼色の暖かな布で隠して。
br)僕んちの近くだね〜
br)ちな…さっきめっちゃいっぱいカップル居たよw
sm)マジかよw
sm)馬鹿気まずいじゃねぇかw
br)それなあ〜ww
彼の隣を歩く。
前を見ている彼の横顔を見れば…、心が満たされて…。
………この時間が、ずっと続けば良いのになぁ………
………………なんて…
………………………………考えてた。
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sm)…ぁ
スマイルの瞳に、色とりどり…色鮮やかな光の玉が、ちらちらと映った。
歩を進め、大通りに入っていく。
sm)きれい………
綺麗なのは、スマイルの方なのに。
そう思いながら、彼が柄にもなく瞳を輝かせるところをぼうっと眺める。
足元に落ちては溶ける、積もることはないようなそれが、彼のマフラーにぴとりとくっついて。
それはまるで…スマイルを引き立てるための光のようで。
僕にとっては、綺麗なはずのイルミネーションの光でさえも、君に劣っているように思えた。
br)…向こうにツリーあった気がするんだけど…見に行く?
sm)!
スマイルが微笑んだ。
sm)行く…!
イルミネーション、好きなんだ。知らなかったなぁ。
来年も、また誘おうっと…!
そうすれば、また
君の笑顔が見れるでしょ…?
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ツリーの前には、たくさんの人が居た。
その人たちは、主に男女のペアになっていて。
br)カップル多いね〜w
sm)そうだな…
ピンク色の雰囲気が、あたりに漂う。
俺も、Broooockとこうなりたかったなぁ
そう、
思った。
br)………ぇ?
Broooockがふと、俺の方を見た。
信じられない、とでも言うかのような顔をしていた。
sm)…?
br)スマさん…今の、ほんと?
br)こうなりたかったって…
Broooockの瞳に、熱が帯びていく。
br)僕、期待しちゃって………いいの?
その言葉で、やっとわかった。
「Broooockとこうなりたかった」
sm)…聞こえてた……?
br)……ばっちりね
Broooockが、俺の手を包み込むように握った。
br)…ね、スマさん。
br)僕、期待しちゃってもいいの?
…「期待しちゃってもいいの?」、それってさ、
俺のこと、好きってこと?
俺、そう、捉えちゃうよ?
俺…、諦められなくなっちゃうよ…?
sm)…俺、Broooockのこと…
sm)………………すき
br)………!
ぐっとBroooockに、引き寄せられて。
俺は、Broooockに
抱きしめられた。
br)…僕も…!
br)僕も‼︎スマイルの事大好き‼︎
すき
だいすき
Broooock。
………だいすき。
Broooockも、俺の事がすき…?
sm)……ほんとに?
br)うん!…大好き。愛してる
Broooockの大きな手が、今度は俺の頬を包む。
br)…ふふ。…スマさん、僕に好きって言われたの…
br)……そんなに嬉しかった?
br)……可愛いねぇ
甘い、甘い、蜂蜜のような声。
視界が滲んで、彼の顔がよく見えなくなる。
彼の体温が、瞳の前に、感じられた。
俺の視界が、暗くなる。
………唇に、何かが触れた。
視界がまた、きら、と開ける。
俺は、Broooockの胸にぐ、と顔をうずめた。
sm)…………だいすき
Broooockは、一瞬、息を呑んで、戸惑っていた。
そしてすぐに、俺をぎゅっと抱きしめて、俺に問いた。
br)スマさん…今年のクリスマスプレゼントは、何がいい?
br)僕…スマさんに最高のプレゼント貰っちゃったからさ〜、なんかあげなきゃ!
br)…って思っちゃってさ〜
br)………………何が欲しい?
俺は俯き、こう、答えた。
sm)………Broooockが、…欲しい
コメント
2件
無事に口角破壊されました( -`ω-)b