テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
青×赤
夜も更けた東京の一角。防音の効いたリビングには、空になった缶やグラスが並び、心地よい酔いと賑やかな笑い声が充満していた。
🐤「……う、……ぅぷ」
不意に、ソファの端で小さくうめき声が漏れた。
グラスを片手に笑っていたいふが、隣に座るりうらの異変に気づく。
🤪「りうら? 顔色悪いな……飲みすぎたか?」
最年少のりうらは、青ざめた顔で口元を押さえ、何度も浅く呼吸を繰り返している。
🐤「ちょっと、トイレ……」
と言いかけて立ち上がろうとした瞬間、彼は激しくえずいていた。
しかし、胃の内容物が中途半端に喉元を塞いでしまったのか、戻そうとする音は途切れた。
代わりに、喉を掻きむしるような動作と共に、ヒュー、ヒューと細く苦しげな音が漏れ始める。
🤪「……っ! りうら!? 出せ、吐き出せ!」
いふの声が鋭く響き、室内の空気が凍りついた。
他のメンバーも慌てて駆け寄るが、りうらの顔はみるみるうちにどす黒い赤紫色に変色していく。声が出ない。完全に気道が塞がっていた。
🤪「どけ! 窒息しとる!」
いふは瞬時に判断した。
うずくまろうとするりうらの体を無理やり引き起こし、背後から抱きしめるように腕を回す。
🤪「りうら、力抜け! 任せろ!」
いふは片手で拳を作り、もう片方の手でその拳を握り込む。
りうらの鳩尾のすぐ下あたりに拳を当てると、全体重を乗せて後上方へ一気に突き上げた。
一度、二度。
渾身の力で腹部を圧迫する。
三度目、内臓を押し上げるような衝撃がいふの腕に伝わった直後、りうらの口から詰まっていたものが勢いよく吐き出された。
🐤「……っは! げほっ、……おえっ、はぁ、はぁ……!」
喉の奥に空気がなだれ込み、りうらは激しく咳き込みながら崩れ落ちる。
いふはその体を支えたまま、震える手で彼の背中を優しく、何度もさすった。
🤪「……大丈夫や、呼吸しろ。ゆっくりな」
🐤「まろ、……っ、ありがと……ごめん……」
涙目で震えるりうらの言葉に、いふは大きく安堵の溜息をつき、乱れた髪を乱暴に撫でた。
🤪「謝んな。……心臓止まるかと思ったわ、ボケ」
静まり返った部屋に、ようやく安堵の空気が戻り始めた。
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!