心の奥で

「ねぇねぇ」

藤澤さんと別れた後

「さっきあった人って3年生だよね？」

そう若井に問われる

「え、そうなの？」

そう返す

「だって上履き黄色だったもん」

「確かに」

この高校は赤が1年生、青が2年生、黄色が３年生と決められているのだ

言われてみれば藤澤さんの上履きは黄色だった

「元貴に年上の友達かぁ」

そう若井が呟く

「いやいや、知り合いだよ」

だって昨日会ったばっかりだし

年上だし

「え〜？でもめっちゃ話しやすそうな人だったよ？」

「それはお前が陽キャだからだよ、ばーか」

「あっ！今バカって言ったなっ！？」

「本当のことだろ」

「くっ…」

だってこいつ普通に数学のテストで2点取ってたし

そんなことを話していたら教室に着いてしまった

「はぁ…」

ため息を漏らす

「どうしたの？」

何も知らないこいつのアホ面

「なんでもない」

そう言い教室に入る