「あの……さ」
「うん」
何て言ったら納得してもらえるだろう。
あの日捕まってから、アイツ の家で
過ごしていた。
「まず、何も言わず出てってごめん」
「うん」
「友達が出来たんだ」
「友達?」
「あの日しんどくなって外に出て、この公園でそいつと話して意気投合して」
「それで?」
「家に泊まったんだ」
「……」
無理がある……分かってる。
でも正直に言ったら連れ戻される。
こっちに来れなくなる。
アイツは俺に優しかった、別に何をするでもなく。
性処理をして欲しいと言われた。
はじめはよく分からなかったけど、急にされるんじゃなくて、ちゃんとトイレに行かせてくれたし、しばらくはゆっくり解してくれた。
ジンジンするって言えば止めて、俺の好きな音楽の世界を広げてくれた。
音楽に関わった仕事をしてるらしい。
二週間の間、挿れられたことはなかった。
ただ解すだけ。
終わったらアイスとか、なんか旨いやつを作ってくれた。
俺は何もされてない。
「うり?」
「んぁ……え?」
「大丈夫?」
ドクンッ
「えぁ……ダイジョブ」
「そっか……次からちゃんとスマホに連絡しろよ?」
「うん……ごめん」
「今まで何しとったん!!!」
「……ごめん」
「何で……アホ!!」
「……たっつんすごく心配してた」
「……」
「ちゃんと連絡せぇよ……ぐすっ」
「……ごめんなさい」
夜、もう一度アイツのことを考える。
ダメなことしたかなぁ?
「うり……」
彼の声がする……いつものそれよりも弱々しい彼の声。
「……ん?」
「こっち向いてや」
「……ん」
ゴソゴソ……
彼の顔が見える。
今日は一度も見てなかったなぁ
彼が近づいてきて、俺にキスをおとす。
チュ
「寂しかった… 」
「……」
久しぶりの彼の匂い、声、柔らかい表情。
あぁ……好きだなぁ。
チュックチュッペロッ
「んへ?」
「フフ……ただいま」
「……ぐすっ……アホ」
「……」
「おかえり」
チュッ
久しぶりの学校はやっぱり長くて、しんどかった。
でもたっつんが傍にいてくれるから、自然と頑張れた。
たっつんは本当に離れなくて、正直笑っちゃった。
あの後どぬくはいなくなったと聞いた。
何か原因があるだろうがまだ見つかってないらしい。
噂で聞いたがどぬくは学校にたまに来ているらしいのでゆあんは玄関で待っとくと言ってた。
俺はまた何処かに行かれると困るとたっつんに席まで付き添われた。
休憩時間になると急に体調が悪くなって、保健室に付き添ってもらった。
「おぉ!ヤッホー」
「……誰?」
「ひどいなぁ一応生徒会長何だけど?」
「生徒会長ってそんな権限ないでしょ」
「バレた?」
「うちら空気??」
「ごめんごめんw」
「皆さん保健室ですか?」
「いや、うりだけやな」
すると白いのが前に出てきて、俺の手を掴んで言った。
「俺が付き添うよ!」
「なんやと?離せや!!」
「君に関係ないでしょ?」
「あ”ぁ?」
何してんだか、保健室行こ。
「あぁ……!待って!」
「ぁ、おい!!」
ガシッ
「ストーップ!ヒロは危ないヤツじゃないしほっとこ?」
……ギリ
「触んな!!ほっとけるかよ!仲間なんに!」
「じゃぁもっと仲間のこと見とかないとね?」
「あ”ぁ? 」
タッタッタッ……
「……ぇあ」
「どぬ……」
「ゆあんくん……たっつん」
ギュゥゥ(抱きしめる)
「何処に行ってたの?」
「ごっごめん」
「とりあえず話は後やな」
「えぇ!」
「授業時間」
「そっか……行こ!」
タッタッタッ……
「あぁあ……どうしよ……」
「どしたの、じゃっぴ」
「ちょっと良いと思っちゃったぁ……」
家に帰って話し合いをした。
その時どぬはいじめられてたらしく、どんどん怖くなってしんどくなって、逃げ出したという。
うりは友達が出来て浮かれてそのまま友達の家に泊まったらしい。
……なんやそれ!!!
んな訳あるかアホ!
ホンマにそうならちゃんとそう連絡出来たやろうし、もっと早く帰れたやろ!!
誰かに脅されとるんか?
ゆあんも同じく疑っとるし、白状した方が楽やと思うけどなぁ
夜、布団に入るとたっつんが腕枕をしてくれた。
いつもしないのに不思議に思ってると、どぬが入ってきて抱きしめてきた。
大きめのベッドだからといって多すぎるよw
ゆあんも入ってきて、ぎゅうぎゅうになる。
「狭いw」
「良いじゃんたまには」
「お前ななチキの食いすぎで太ったか~?」
「うわっデリカシーな!」
「お前にデリカシーも何もないやろw」
「ふはっww」
「あははw」
その日の夜は途中で二人とも部屋に戻ったけど、すごく楽しかった。
たっつんとはそのままキスをして、たっつんの体温で眠りに落ちた。
朝起きるとどぬは胃が痛いと泣き出したので、休ませることにした。
たっつんはまた同じことになるのが怖いのか、スマホを傍に置き、寂しくなったら連絡せぇよ!と強めに言っていた。
どぬは嬉しそうにうん!と返事をして、眠りについた。
たまに唸っているのでかなり痛いらしい。
心配だからLINEのメッセージに苦しくなっても大丈夫。お前は一人じゃないよと絵文字と共に送った。
俺ら三人で学校に行くと、教室に入った瞬間うりが囲まれて、警戒しとったらただ心配しとっただけらしい。
紛らわしいねん、ホンマに。
寂しくなってスマホを見ると、たくさんメッセージが来ていた。
時間を見ると授業時間に入ってるので、LINEすることは出来ないみたい。
お昼ごはんを買ったらすぐに帰るとLINEを入れて、コンビニへ出かけた。
コンビニで急に声をかけられて、振り向くと先輩がいた。
驚いている俺を横目に、俺が選んだごはんを引ったくって、そのまま路地裏のようなところに引っ張られた。
「何で休んだの?怖くなっちゃった??」
「……」
「ごめんねぇwwばぶちゃんだもんね?」
「その耳さぁ」
先輩が近づいてきて、言った。
「いらなくね」
怒りなのか恐怖なのか俺は震えていて、先輩はそのまま耳を切り付けた。
こんな耳いらないとは思ったけど、それでも痛いから踠いて踠いて惨めで悔しくて。
死にたくなった。
「うるせぇんだよ!!」
ドカッッ!!
「いつも勝手に心配して怒鳴るババアも!!何の価値もないお前も!!全部全部クソばっかりだ!!!」
ドンッッバンッドカッ ……ドサッ
「うへぇっきったねw……良いサンドバッグになったわwwこれからもよろしく」
「ゴフッゴホッゴホッ」
ん?何か怒鳴り声が聞こえるな……
たっつんたちは気にしてないし、とりあえずななチキ食べるか!
ポタッポタットコトコ
「イヤ~マジ疲れた~」
「お疲れじゃっぴ」
「生徒会長も楽じゃないね~」
「そりゃそうですよ」
「まぁ、良い経験になったんじゃない?」
「でも!!全部押し付けることなくね!?」
「あははww」
「ん……ねぇじゃっぴ、あれ!」
「あぁ……噂の?」
「めっちゃ血出てんじゃん!!」
何か周りが騒がしいなぁ。
早く帰らないと怒られる。
約束したのには何で俺は守れないんだろう。
こんなんだから虐められるんだろうなぁ
「ねぇ!大丈夫……じゃないよね!」
「病院行こう!背負って行く!」
「病院に一応連絡してみる!」
「とりあえず急がないと」
「ダメ……帰らないと……みんな……待ってる 」
ガクッ
「おゎ……じゃあ背負って行きますね!」
「とりあえず病院に急いで!!」
「うん!」
今日はみんな別々で帰らんといかん日らしい。
どぬからは昼ごはん買いに行った連絡から途絶えとる。
寝とるだけか、それとも、。
ん?あれって……猫!?
おばあさん家の猫やん……誰アイツ、あんな掴み方して親戚か?
猫も威嚇しとるし、良い空気やないな。
「おい!!何しとんねん!!」
今日は少し遅くなった。
みんなには先に帰ってもらって、いつもの公園に行く。
いつものベンチで待ってると……アイツがやってくる。
今日は特に嬉しそうな顔をしてる。
「やぁ♡来てくれたんだね♡♡」
「……ん」
「おいで♡」
…………んぇ?
いつも通り家に行って解してもらって終わりかとぼーっとしてると、急にローションを塗りたくって的確に良いところを指でトントンされる。
圧迫されてマッサージみたいに気持ち良い。
でもそれだけじゃなくて、お腹の奥がキュンキュンして何か足りなくて、モゾモゾしてしまう。
するとアイツは指をぬく、少し物足りなくて自分がどうなってるか考えてなかった。
「ねぇ♡」
「ん?」
「たってる?」
「……んぇ?」
スリスリ……ビクッ
カチャカチャ(ベルトを外して脱ぐ)
「もう……いいよね♡」
「んへ……へぁ」
急な衝動にビクリとする。
脳が溶けたみたいに考えれなくなって、急に怖くなる。
俺は情けないけど泣き叫んだ。
いつもなら止めてくれるのに止めてくれなくてそれがもっと恐怖を煽った。
ローションを塗りたくっていたから痛くなかったが、ずっとしていると変な感覚に陥る。
声は我慢できるけど喉の奥から意識していない声が急に出て、びっくりして動揺して泣き出す。
気持ち良いところに当たりまくって、そのままイッてしまった。
涙目で息が荒い俺を見て興奮したのか、ローションを足して、激しく叩きつける。
アイツから奥に暖かいものが流れて、キュンキュンして気持ち悪くなって、抵抗する。
そんなのが続いて、いつの間にか寝ていた。
これは飛んだのだろうか?
寝る前が思い出せないのでたぶんそうなんだろう。
まだ心臓がドキドキしていて、抵抗した跡がアイツの体中についていた。
俺の腕は赤くなっていて、痛かったのを思い出す。
「はぁ……気持ち悪」
今日は宿題をしてなかったから、先生の説教を食らった。
どぬは連絡なしだし。
うりも見てないのか、無視か……
たっつんも連絡してこない。
……帰りたくないなぁ
ちょっとだけ冒険してもいいよね?
ななチキ冒険レッツゴー!!
いつの間にか病院のベッドで眠っていた。
みんなには何も言わなかったから、連絡するけど誰も既読がつかない。
「……ぁ起きた?」
「だれ?」
「もふって言うんだ、生徒会のメンバー」
「あぁ……あの時の……」
「覚えてくれてたんだ……嬉しい」
「うん……フフ」
「完全に蚊帳の外」
「えぁ……ごめんなさいっ」
「あぁ……全然大丈夫大丈夫!」
「じゃっぴ変なこと言わないでよ!!」
「ごめんごめんw」
みんなから呆れられたかな?
だから誰も連絡してこないのかな?
「……」
「どしたの?」
「連絡がないの」
「ん?」
「たっつんたちから連絡が来ないの」
「まぁ……住んでる場所が違うとそんなもんだよ」
「シェアハウスしてるの」
「シェアハウスって四人で?」
「うん……連絡はなるべくするようにって言われてるし……何かない限り連絡が来るはず何だけど……」
「来ないって訳か……ねぇ!LINE教えてよ!もしかしたら連絡とれるかもだし……それとできれば家も」
「今は動けませんもんね…僕たちが確認しに行きますよ!」
「……」
「信じて大丈夫ですよ! 」
「……じゃあこれ鍵……LINEは……住所が」
「よし!!行ってくる!」
「うん……ありがと」
「もふくんはどうする?」
「俺は待っとく!どぬくさんのこともっと知りたいし」
「ここだよね?」
「そうですね。間違いないです。」
「じゃあ開けるよ?」
「うん」
「はい」
カチャカチャ……ガチャ
色んな部屋をまわったが誰もいなかった。
特に散らかってる様子もなく、拐われたとかそういうのではなさそうだ。
家の外に出て家を一周して確認した後、みんなそれぞれ別の場所を探すことになった。
とりあえず僕は狭い道を探したり、森のようなところに行ったりして探した。
途中でゆあんくんが眠っていて、ゆあんくんを背負って一度家に帰ることにした。
今日はよく人を背負うなぁ
ずっと探しているけど、誰も見つからない。
時間は刻一刻と過ぎているのに。
連絡が来て一度家に戻ることになった。
もう一度注意深く辺りを見回してから走って家の方向へ向かう。
何で見つけられないんだろう
とりあえず辺り周辺と学校への道を軽く進んだ。
途中で人影が現れて、猫を抱いていた。
「たっつん?何してるの?」
「別に、お前に関係ないやろ」
「関係あるよ!とりあえず一度家に帰ろう?」
「んなこと分かっとるわ、猫が拐われそうになっとったけん助けに行っとっただけや」
「それは偉いね」
「うるせぇ、子供扱いやめい」
「あれっやっぱりうりくんが帰って来ないみたいですね」
「またか……」
「また?」
「アイツいっつも帰って来ないんだよね」
「……そうですか」
その後、少しだけみんなでうりを探して、やっぱりいないので連絡だけして終わった。
やっぱりアイツおかしいわ
何で毎回毎回帰って来んのや!
もう……疲れたわ
ホンマ……
次の朝学校に行くと普通にうりの席にうりがいて、泣きそうになった。
俺たちボロボロなんだなと改めて思った。
うりは俺たちに気づくと少し迷った素振りを見せた後、そのまま走って逃げ出した。
追いかけたけどアイツは案外足が早くてなかなか追い付かない。
色んな物を駆使して逃げるから見失ってしまった。
たっつんは明らかに苛立っていて、その苛立ちを隠そうともしていなかった。
とりあえず周りに聞き込みした。
「さっき走ってんの見たよ~!」
「音楽室に入ってったよ 」
「校長室で先生と話してたよ」
「校庭を走ってたよ」
「図書館で隠れてたよ」
「生徒会室に入ってったの見たよ! 」
「音楽室からピアノの音が聞こえたよ 」
とりあえずみんな適当やけど、音楽室が最優先
図書室はたくさん人がいるはずやから、居ったらみんな気づくはずやのに、言っとるヤツがほとんど居らん。
俺らから逃げとるのに先生と話すんはおかしいし、あんまり信憑性がない。
校庭を走っとるってのはたぶんつまらんボケやろな
ガラガラ……
「よっしゃ……合っとった……良かった」
「……」
「とりあえず今日は早退しようや……ええな?」
「……ん」
「んで、何処に行っとったん?もちろん友達何かではないよな?」
「……誰?」
「うりのこと一緒に探してくれてた生徒会の人 」
「へぇ……とりあえず俺は別にやましいこともないし単に遊んでただけだよ」
ギリ……
「おかしいやろ!!!今さらもう嘘はやめぇ!潔く話せや!」
彼が怒ってる。
何で?別にやましいことないのに、俺はダイジョブなのに。
何で……
「そもそもなぁ!!やましいことないんやったらそんなこと言わんし、何もないなら連絡ぐらい出来たやろ!!」
「……」
「夜遅くでも帰ってくることぐらい出来たやろうし、暗くなるまで何しとったん!!!」
急に全身が熱くなって、泣きそうなのに怒りが抑えられなくて彼をおもいっきり突飛ばした。
ドカッッ!!
「うるさい!!うるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさい!!お前らに何が分かるって言うんだよ!!」
「ただちょっとだけ一緒に居るからって!!ほっとけよ!!別に俺が何処にいようと関係ねぇだろ!!」
「なんやと?そもそもなぁ!!」
「黙れ!!お前なんか嫌いだ!!大ッ嫌いだ!!」
バタンッッ!!……
「たっつん……?」
「……悪いちょぉ……頭冷やしてくるわ」
トットットッ……バタン
シーン
「ねぇ、ゆあんくん……しばらくここにいても良い?」
「うん…………んぇ?」
「このままだと危ないから」
「ん、まぁ俺は良いけど……」
「ありがとう」
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!