浮気
彼奴に限ってそんなことをする筈が無い。あの近づくだけで頬を染め、手を握ると少し震えながらも優しく握り返してくる。首元にキスを落とせば甘く掠れた嬌声を挙げ、たまにではあるがもっと、と強請ることもある。
順風満帆だ。そう信じて疑うことは無かった。
ある日、彼奴の鞄から出てきたあの手紙を見るまでは。
『ドットくんへ、 この間はありがとう。本当に楽しかったよ!お揃いのマグカップ大切にするね♡』
見た時の衝撃といったら、到底言葉で表せる様なものでは無かった。お揃いのマグカップがどれだか分からなかった為全て割った。
俺は彼奴を愛している。それは彼奴も同じだと思っていた。でも違かった。
その日から距離を詰めた。此奴の近くに害虫を寄せ付けない為に。此奴に視線を向けてくる奴にはそれ相応の視線を返したし、話す、触れる者など問答無用でグラビオルだ。マッシュやフィン達は戸惑い、俺を止めようとしてきたが当の本人である彼奴は何もしなかった。
それが無性に頭に来た。
俺なんかにはもう興味が無いのか?だから何もしなかったんだろう?ふざけるなよ。俺は愛してるのに。勝手に離れるなんて許さないからな。
…離れる?
そういえば彼奴は別れ話などしてこないな。俺も浮気について問い詰めていないし。 俺が浮気に勘づいていることを知らない訳は無いだろう。こんなに牽制しているのだから。なら何故別れを切り出してこない?別れる気が無いのか?浮気相手のほうと別れて俺と一緒に居る選択をしたのか?
彼奴にそんなことができるのか?
騙してきた相手に謝罪もなしに今まで通り一緒に居るなんて彼奴らしくない。彼奴ならきっと罪悪感にから別れを切り出す。そうではなくても謝罪はするだろう。
話してみるか。
思い立ったが吉日。早速彼奴の元へ向かう。
別れを切り出されても絶対に別れてやらない
コメント
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あ、ヤベェすんごい性癖?に刺さるゥ泣神過ぎる続きありますか?泣