テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
#オリキャラ注意
🖤月影紫音🌙
19
時代の流れは早く、自分が思っている数倍技術も進んでいて…
ソレを実感したのは「最新のVRでエンドラ討伐をしませんか」とMOD開発チームと最新VRの開発会社の企業案件も含めたプロジェクトの発案からだった。
何にでも挑戦すべし!と常に貪欲に物事を取り組む事に力を抜かない自分的にはとてもいい話で、メンバーにも相談したら皆口を合わせて賛成してくれた。
そこからはトントン拍子で話が進み、会社の大きな会議室をまるまる使い、様々な機材と専門の技術スタッフを入れて大きな企画がスタートした。
テストプレイをするために、手首や足首、鎖骨、腰、項、こめかみに眉間にまで、まるで電流マッサージみたいな物を取り付けていく。ぺたぺたと張り付き、少しの動きでは外れないようになっていて、重々しいVRゴーグルとは違いメガネのような、軽く出来ているそれをかける。
「では、ベッドへ横になってください」
開発者がニコニコと微笑み、会議室の中央に準備された5つのベッドを指さす。
最新のVRはすごいな、まるでいつぞやのアニメのようだ。と口々に感心していると我先にとぼんさんが「寝ながらできるとか最高!」と1番真ん中のベッドへと横になり目をつぶった。
それを皮切りに、自分がぼんさんの隣に寝る!とメンバーが慌ててぼんさんの隣のベッドを取り合い、それに勝利した俺とおんりーは優越感たっぷりで横になった。
数名のスタッフから説明を受けてこめかみにセットされたボタンを押すと、ピリッとした小さな電気の後、目の前のメガネが黒くなりロード中の文字が浮かぶ。
「すっげーー!」
俺の隣のベッドからMENが興奮したように声を上げて、おんりー側の一番端のベッドからおらふくんが続くように叫んでいる。
「痛みも感じるので、注意してくださいよ!」
予めテストプレイを経験したネコおじは、まじ痛いから!と注意してきて、それにMENが「またまた〜大袈裟ですって」とわざとフラグを立てた、毎回のお決まりの流れ、ぼんさんは一足先にワールドに入ったみたいで静かになっていた。
「さて、では、みなさんもヘッドホンしますね。」
良い旅を!
とスタッフから見送られ、眠るように…夢のような世界へと旅立った。
「すごい…」
リアルMODを入れ込んだマイクラの世界だ、辺りを見渡すとメェ〜と高く鳴く四角いがフサフサした羊がいて、その隣に先にログインしていたぼんさんが、遠くを見たまま立っていた。
「僕達はリアルな姿なんだ…」
「そうッスね」
俺とMENの会話にハッとしたぼんさんが、自身の体をクルクル回しながら見渡していて、それを横目に「可愛いなぁ」とMENが自身の顎に手を置き眺めている。
おんりーは慣れない感覚を掴むために近くの土や草を採取しようとしていて、おらふくんはジャンプしたりしゃがんだりを繰り返している。
「すごっ…リアルな動きだ…」
自分たちの見た目はリアル世界の人間の姿だが、周りはマイクラのそれでなんだか違和感がすごい。動きも走れば息が上がり、空腹感も、喉の乾きすらも感じる。
「リアルな俺達が、ただマイクラの世界に入っただけっすね…」
「そうだね、おんりー…どう?」
「ドズルさん…これ、クラフトレシピは手持ちの本からしか見れませんよ」
マイクラの手持ち欄も無ければ、便利なクラフト画面もない
持たされたのは分厚いリアル攻略本のみで…となると
「素手で木は…切れんか…?」
「いやいやいや、リアル寄りすぎじゃね!?」
MENがコツコツと近くの木をノックするがビクともしない。
「とりあえず、村を探そう…そこの宝箱から何か手に入るかも」
「そうッスね」
俺の指示にメンバーが賛同し、散り散りに村探しへと旅立つ。
「ねぇ、ねぇ!俺怖いんだけど!」
ぼんさんはポツンと残され誰について行こうかメンバーの背中を見ていて、それに男達は「俺の方に来い!」と心の中で願う。
まるでぼんさんの行動を試すように、聞こえないふりをしてゆっくりと離れていくと、ぼんさんは「おんりーー!」と最年少を選んだ。
「…チッ」
誰からの舌打ちかは分からないが、選ばれなかった男達はそれはそれは落胆し各々の行動へと集中することにした、
「素材集めだけだね…大変なのは、ちゃんと適正ツールで突かないと破壊されないみたい…」
攻略本を呼んだおんりーは、隣のぼんさんへ視線を寄越しにこりと微笑む。
「マジかぁ、…クラフトは?」
「クラフトはマイクラみたいに枠内にしっかり置けばあとは自然とできるってさ…やってみる?」
「え?」
ぼんさんの手を掴んだおんりーは、声を張り上げて「村見つけたよー」とそれぞれの方角へと知らせてくれて、まだそう遠くへ行っていないメンバーは振り返り2人へと歩みを向ける
「おんりー、これやばい!声、遠くになると聞こえない!座標も開けないから迷子になったら合流むずくね!?」
MENが息を切らしながら報告し、俺も「リスポーンってどうなるんだ?」と少し怖いことを言う。
「……とりあえず、村のベッド借りようか」
「そ、うだね」
ぼんさんはおんりーの服の袖をキュッと掴むと激しく頷く。
「みんなー!これ食べれると思う?」
遅れて合流したおらふくんは、鶏の卵を手にワクワクと聞いてきて、それに答えるべくおんりーとMENは攻略本を隅々まで読みながら村へと歩きだした。
「おらふくん、リアル世界で食べれる食材はこっちでも食べれるって書いてるから、卵単品でもいけると思う…ただ、生卵を丸呑みは…気持ち悪くなりそう…」
「そ、そうやね」
「ロッキーじゃ、ねぇんだから…そんなファイトしなくていいでしょーが」
ぼんさんがボヤきながら、怯えたように辺りを見渡す。
「てか、皆怖くないの?俺、めちゃくちゃ怖いんだが!?だって、痛みも感じるって言ってたし…」
確かに、リアルな所とゲーム仕様な所が入り交じっていて忘れがちだ。
「一旦、あそこの村に行きがてら状況を整理しようか」
俺が提案すると「お願いドズさん」とぼんさんがぺしょぺしょと返事をしてきた。
「えーっとまず……」
◯自分たちの見た目はリアル
◯ワールドの見た目はリアル寄りのゲーム世界
◯素材集めは適正ツールで触らないと採取出来ない
◯クラフトはクラフト台の上の枠に、素材を正確な位置に置きクラフト台側面のボタンを押すと完成する
◯焼物は完成時間が側面の小さな時計に表示され、大幅に過ぎると燃えカスになる
◯食材はリアル世界で食べれる物はなんでも食べれる&ゲーム世界で食べれるのも大丈夫
◯痛みをリアルに感じる
◯ログアウトしたい時はこめかみのボタンを3秒長押し
◯装備品の重さはそれぞれ変わり、強くなればなるほど重くなる
◯敵のドロップ品はゲーム仕様
◯死体は一定時間で土へと変換される
◯ボイスチャット使用不可
◯チャット欄もなし
◯連絡ツールは看板や紙、直接の会話のみ
◯時間の進みはこちらの世界での1日がリアル世界では1時間程
◯リスポーンは出来るが……
「と、こんな感じかな?リスポーンは、うん、怖いからなるべく試したくないね…」
「ドズさぁん、俺何も出来なさそうなんだけど!居る!?」
まぁまぁぼんさん、そうぺしょりなさんなって!とMENが横からゲラゲラ笑っていて、おんりーがよしよしと頭を撫でている。
腰を限界まで曲げて、ビクビクと怯えながら最年少の背後に隠れながら進む。
「ふぅ、着いたね…」
「遠かったァー!めっちゃ、リアルにキツイやん!」
おんりーが村の入り口を見て一息つくと、背後からMENが「マジかぁ」と絶望に染まる声を出す
「ドズルさん、これ廃村だ…誰もいねぇ、どんなレア引いてんだか…」
「…そうみたいだね、運がいいのか悪いのか……さて、敵に注意しながら中を調べようか、MENとおらふくんは一緒に時計回りに散策、おりんーとぼんさんは反時計回りに、僕は中心部を散策するよ、…太陽見える?あれが地平線に消える前までに散策が途中でも中央の噴水に集合して…それか、ここの鐘が三回鳴ったら直ぐに集まること!ここではボイチャもチャット欄もないからね……いい?」
皆が力強く頷き、「ご武運を!」と揃って声を上げた。
直ぐに背中を向けてそれぞれが行動を開始する。
(今は昼過ぎかな、太陽の暑さも感じる。すごい時代になったな本当に……)
俺は噴水の周りをくまなく調べ、何もないと分かると辺りを見渡す。
村の出口あたりは大きな崖になっていて、実質入ってきた入口のみしか使えない、村を囲むように大きな山…後ろは崖…もし夜になって敵が来るなら入口からになるだろう…それも踏まえて資材調達しなければ…と近くに落ちていた枝を拾い上げ噴水前の地面にガリガリと計画を書き示す
①夜を過ごせる場所の確保
②水源、食材の確保
③防衛線の確保
④テストプレイはこの世界の明日の昼まで、それまで色々な事を試しログアウトする事
「ざっとこんなものか……よし、僕も何かないか探しますかね」
「ぼんさーん、歩きずらいって!」
(嬉しいけど少し動きにくい!)
ぼんさんが終始ビクビクしながら俺の背後についてまわる、明らかにその怯え様は異常で屋根の半分抜けている家の中に入りながら「何かあったの?」と聞いた。
「え?逆にみんな、何もないの?」
「はぁ?」
「俺だけ?ログインした時、丘の上に人影があったの…」
「……え?ほ、ホラー?やめてよ!」
「いやいやいや、俺が聞きたいよ!んで、皆がログインした瞬間消えんたんだよ!」
「え、エンダーマンじゃないの?」
「燃えてなかったもん…しかも、俺を見て笑ってた…」
「…ちょっ、ちょっと本当にやめてよ!俺怖いの無理だって!」
「……俺と同じくらいの背丈で…俺に似てた…ドッペルゲンガーみたいな……」
「ぼんさんやめてよ!本当に!もう!」
少し前にやった企画で確かにそういうのもあった、シャンシャンとどこからか音が聞こえそうで俺も怖くなってくる。
でも身体から伸びる鎖も無ければ音もしない…なのにぼんさんにだけソレが見えたという。
「早速バグ見つけたのかもね、終わったら報告しよう」
「う、うん…おんりーちゃん、離れないでね…」
相当怖いのだろう、ぼんさんはお願いと瞳を潤ませ俺の背中にピタリと身体を寄せる
(…本当に、この人は人の気も知らないで……)
「動きにくいから少しだけ離れててよね…」
「ご、ごめん」
照れからつい素っ気ない態度が出てしまい、気まずさを隠すように見つけたチェストを開けた。
「あ!」
「え!なになになに!!」
「ぼんさん、パンに小麦…エメラルド…鉄のブーツ…金塊…りんごもある…当たりですね」
そうなんだ良かった、とぼんさんはパァと頬をあげて横からチェストの中を覗き込んできた。
「チェストごと、持ってく?」
「出来るんですかね?」
「ん、持ち上げられたよ?」
ぼんさんはチェストを抱えてニコッと笑うと「一旦噴水のとこに置きに行こう」と提案し、それに頷いた。
「重いですか?」
「んー?それがさ、軽い軽い…これもバグなのか…仕様なのか…報告しなきゃね」
「そうですね、装備は着用時重くなるみたいなので…チェストも入れる数によって本来重くなるのかもしれませんね…」
「うんうん、まだ始まったばかりだけど報告する事が沢山だ〜」
ぼんさんはうげぇ〜と顔を顰めて、到着した噴水の前に箱を置く
「ドズさんの字だね…なになに?」
地面に書かれた計画をぼんさんが見つけ読み上げると、俺は「なら、とりあえず基本ツール頑張って作らなきゃ…」とまだ回りきれていない家々を見渡す
(それにしても…うん……広いな、広すぎる、マイクラの世界の村で、合ってる…よな?)
「ぼんさん…とりあえずあと3箇所ほど回って集合の合図かけましょう…ちょっとここ、異様ですよ…」
「え?なんで?」
「広すぎます…マイクラの村って…こんなに…家ありました?」
「…もしかしたら村と村が重なって生成されてるとか?」
「ダブル廃村で??それに、ぼんさんが言った人影も気になる…日が地平線へ沈む前だと、時間も危うい…」
「…そう、だね、なら、サクッと回ろう」
チェストの中を整理して、りんごを2つ、パンを4つ拝借しそれをぼんさんへ半分渡す。
「何か、入れるものもいるなコレ」
「そうですね…インベントリがないのがキツイ…」
りんごをポケットに、パンをひとつ齧りながらまだ回っていない家へと入る。
床が所々抜けていて軋む。
「…おんりーちゃん!いいの見つけたよ!」
部屋の隅に置いてあるベッドのシーツをぼんさんは数回はたいて風呂敷のようにしてチェストごと包むと、ヨイショと肩から下げる。
「ど?これ、使えそうじゃね?俺が荷物持つよ!」
嬉しそうに片手を伸ばしてきたので、ぼんさん作のチェスト付きショルダーの中へと収穫した品々をありがたく入れされてもらう。チェストだけだと両手が塞がり、もしもの時危ない…からこの作戦はとても良い。
「この調子で行きましょう」
「うん!」
「おらふくん、そっちなんかあった?」
「ないなぁ〜」
こりゃ、この家はハズレだな…と何もない家の中をぐるりと見渡す。
おらふくんは既に見切りをつけて外へと出ていて、次へ行こうと手招きをしている。
「…このまま夜を越すのきちぃな」
「せやね…どこか泊まれる位、綺麗な家探さなき」
「そうだな…と、この家割かし綺麗だな、あ、ダメだここ屋根がないから敵入ってくるな」
2つ目の家の中は屋根が大きく抜けていたが、その他は綺麗に残っている。
「チェストの中、は……んー、食糧はありがたいな」
「鉄のヘルメットやん、ラッキー!」
さてどうやって運ぶかなと周りを見渡し、抜けた屋根の廃材に埋もれるように設置してあるクラフト台を見る
「おらふくん!クラフト台ある!」
「まじで!?クラフトしよ!」
もしかしたら使えるか?と屋根の崩れた廃材を掴みクラフト台へと広げ、側面のボタンを押すと…ビンゴ!ボフンと小さな音と煙がたち木材へと変換された。
「き、キタキタキタ!勝ったなこれ!」
「やったな、めん!とりあえず斧やね!」
「ああ、人数分の斧とツルハシ作って集合かけよう」
おらふくんと2人、次々に散乱した素材をかき集め出来るだけの装備を作る。そして後悔した、
「持てへん…重すぎる…」
「くっそ、ここはリアルなのかよ!」
そう、5本の石の斧と5本の石のツルハシ、それから何十個もある木材と棒…を2人で運ぶのは不可能だった。
「と、とりあえず、そこのチェストに1時保存して、最低限持てるのだけ持ってこうぜ」
「せやな…」
チェストへ作ったツールと、素材を入れ込み…さて出ようと身を動かした時
コツン…
おらふくんの足がチェストの角にあたり軽い音を響かせ少し傾き戻った…。
それを黙って見た2人は…ニヤリと頬を上げ「ははぁ〜ん?みぃーつけたァ」と悪い顔をする
「キタキタキタ、これだよこれ!おらふくんもっと色々作ってこーぜ!」
「てか、めん!これクラフト台も入れれんちゃう?」
「おっ!どれどれ〜?」
なぜだか不思議、重いものが沢山入ったはずのチェストは片手で持てるほど軽い。ソレをクラフト台へと近付けコツンと触れるとシュッと風切り音を響かせ消えた。
恐る恐るチェストの中を見て、また2人はふへへへと笑い出す。
「勝った…おらふくん、こりゃ勝ったぜぇ?」
「めん、いかんよ?ここで歯茎出したら…ふへへへ」
おらふくんこそ、と2人でニヤニヤしながら噴水のある広場へと戻る事にした。
その時、
カーン…カーン…カーンッ…
「鐘の音だ!」
「おらふくん走るぞ!!」
集合を伝える鐘の音が響いた。
.
コメント
1件

リアルなメンバーの会話が最高に可愛いですね♪🍆さんが可愛い🩷メンバー皆んな的確ですね👍物語の展開を楽しみにしています❤️\(//∇//)\❤️