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第2章:見えない暗殺者
警察の初期捜査により、不知火教授の死因は「窒息死(急性低酸素脳症)」と判明した。遺体の死亡推定時刻は、午後1時半から2時の間。現場は完全な密室。部屋の唯一の出入口であるドアは内側から施錠されており、換気口には格子が嵌め込まれ、人間はおろか小さな動物すら通れない。容疑者は、事件当時に現場付近の廊下にいた3人に絞られた。雨宮 涼:次期学部長の座を不知火と争っていたライバル。午後1時半頃、現場の廊下を歩いている姿が目撃されているが、「自分の研究室へ戻る途中だった」と主張。巽 晴人:第一発見者。午後1時半からラウンジで資料を読んでいたと主張するが、証明する者はいない。白石 奈緒(前作の管理マネージャー。今回は別件で大学を訪れていた):午後1時40分頃、研究室の近くで「奇妙な高い音」を聞いたと証言。「外傷なしの窒息死、そして密室ですか……」玲香は現場の光学実験室で、神崎と共に頭を抱えていた。「犯人はどうやって教授の息の根を止めたんでしょう。毒ガスを送り込んだ形跡も、換気口を細工した形跡もありません」神崎は部屋の隅に置かれた、大型のレーザー発振器と、壁に設置された不自然な形の「凹面鏡(パラボラミラー)」をじっと見つめていた。そして、机の上のワイングラスに目を移す。グラスは高級なクリスタルガラス製だった。「玲香、このグラスに入っている液体は何だと思う?」「ただの水……に見えますが、匂いはありませんね」「いや、これは水じゃない。指につけて少し蒸発させてみろ。気化する速度が早すぎる。これは『液化炭酸ガス(あるいは特殊な不活性液体)』、いや……」神崎はピンと閃き、部屋の天井にある火災報知器(煙感知式)を見上げた。「そうか、そういうことか! すべてのパズルが繋がった」神崎の目が鋭く光る。「犯人は、光と音の性質を悪用して、一歩も部屋に入らずに教授を『処刑』したんだ」
コメント
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くまさん、第6話読了しました!密室と「見えない暗殺者」というタイトルに惹かれて一気に読み進めました。神崎刑事がレーザー発振器と凹面鏡、そしてワイングラスの液体からトリックを見抜くシーン、とても鮮やかで痺れました。「光と音の性質を悪用した」という閃きは、物理的な仕掛けへの興味を掻き立てられますね。まだ容疑者が3人に絞られた段階で、次が本当に気になります。続きを楽しみにしています!