キキィーッ…ドンッ..
「ピーポーピーポー」 そんな音だけが俺の頭の中に響いて赤色のランプが消える頃にはもう一日をまたいでいた.
ランプが消えると中から医者らしき人物が出てきて私に一言告げた「○月×日○時○○分に息を引き取りました…ご冥福をお祈りします…」その後の俺がどうやって家に帰ったのかは全く分からなかった.
「ふぁ~….」
重い瞼を開けて時計を見るともう9時を過ぎていた
「..っ….」
そう、いつもは彼女が暖かいコーヒーを用意して起こしに来てくれる.
でも今、そんな彼女は昏睡状態.
外に出てもあの日怒った光景が重なりパニックにおちいり、家事をしようと思えばいつも隣にいた彼女が居なくて何もすることが出来なかった.
毎日毎日生きているのに生きている心地がしなくて、人ひとりが居なくなるだけでこんなにも人間はダメになるんだな、そう痛感した.
いつもの様にベッドでくるまりながらスマホを弄っていると、「プルルル、プルルル」そんな音がなった.
そんな音が鳴って数分後、俺は扉をぶち破るかのように家を出た.
「はぁはぁ…」息を切らして着いた先は彼女が眠っている病室.
今までずっと、今ある現実から目を背けるために来なかった病室は「ピッピッピッピッ」そんな音を響かせていた.
ベッドの方に向かうと、しばらく会っていなかった彼女が静かに眠っていた.
しばらく彼女の手を握りながらいると、「コンコン」と静かに病室の扉が叩かれた.
「ガラガラガラ」そんな音を立てながら開く扉の向こうには、きっと俺の代わりにいつも彼女の部屋に来てくれていたのであろう、医者が立っていた.
「お久しぶりですね」
優しく微笑む医者に俺も優しく微笑み返し、「お久しぶりです」
そう言った.
「あの…どうして俺を病室に呼んだんですか..?」
そう問いかける俺に医者は目の色を変えた.
その目の色はどこか切なく、悲しい色をしていた.
「言い難いのですが…きっと今日が山になります」
「や..ま..?」
繰り返し言う俺に医者はこくりと頷いた.
「なので、今日はずっと一緒に居てあげてください」
「っ…」
俺の膝は「ぽつんっ」そんな音を立てながら涙がこぼれ落ちた.
その後、時間はあっという間に過ぎてしまい、もう少しで日付が変わる、そんな時間帯になった.
時計の針が右へと進む事にだんだんと涙がこぼれ落ちるスピードが増してきて、最終的には止まることのない涙となった.
かち..かち..かち..かちん…
針全てが12の方を向いた.
「あ..ぁ..ぁ~..っ..赤..っ..赤..っ~…」
俺はそんな声をあげた.
今、目の前にいる彼女がこの世を去った.
そう考えるだけで生きるのが嫌になって、俺も彼女の元へ行こう、そんなことを思い体を動かそうと思っても、俺の体は一切動くことはなく、ただただ涙をこぼすことしか出来なかった.
「橙くんっ!」
そんな懐かしい声で俺の名前を呼ぶ声が何処かから聞こえてきた
.「空を見上げてみて、」
何故かその声にだけは俺の体が反応した.
「沢山の星があるでしょ、あれは全員私たちの仲間なんだよ」
「辛い時や悲しい時、いつも私たちのことを慰めて、励ましてくれる」
「だからこの世の人たちみーんな、1人じゃないんだよ」
「そう思うとなんだか心が暖かくなるね」
あぁ…そっか、俺はひとりじゃなかったんだ.
だって君が言うんだから、「信じてるよ、、その言葉」
君のその言葉を俺は強く抱きしめた.
ℯ𝓃𝒹
ノベルの使い方よくわからん.
コメント
1件
感動するしかないじゃん😭