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翠
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夏休みが終わって、久しぶりの学校。
すち「……久しぶりだな」
教室に入ると、見慣れた顔が並んでいた。
らん「すち、おはよ!」
すち「おはよ、らんらん」
こさめ「すっちー! 久しぶり!」
すち「こさめちゃんも久しぶり」
なつ「夏休み長かったなー!」
すち「ほんとそれ」
久しぶりにみんなで話していると――
みこと「すっちー、おはよ」
すち「……みこちゃん」
夏休み中にも何度も会っていたはずなのに。
久しぶりに学校で会うと、なんとなく嬉しかった。
(……なんでだろ)
そんなことを考えていると――
女子「みことくん!」
みこと「ん?」
女子「夏休みの宿題、ちょっと見せてほしいんだけど」
みこと「いいよ」
みことは、その女の子のところへ行った。
女子「ありがとう!」
みこと「ここ、たぶんこうやって解くんだと思う」
女子「え、すご……! ありがとう!」
みこと「どういたしまして」
すち「…………」
なつ「すち?」
すち「……ん?」
なつ「どうした?」
すち「……別に」
なつ「そう?」
すち「うん」
そう答えたけど。
なんとなく、みことの方を見てしまう。
女子と話している
みことが笑っている。
それだけなのに――
(……なんだろ)
胸の奥が、少しだけざわついた。
女子「みことくんって、夏休みどこか行った?」
みこと「みんなと海行ったよ」
女子「いいなー!」
みこと「楽しかったよ」
女子「私も行きたかった!」
みこと「今度みんなで行けばいいじゃん」
すち「…………」
(……嫌だ)
その瞬間。
すち「……え?」
自分で驚いた。
(今、俺……)
(嫌だって思った?)
みことが女の子と話しているのが。
みことが楽しそうに笑っているのが。
なんとなく、嫌だった。
すち「…………」
(なんで?)
胸がざわざわする。
さっきまで普通だったのに。
みことがこっちを向く。
みこと「すっちー?」
すち「っ!」
慌てて目を逸らした。
みこと「どうしたの?」
すち「な、なんでもない」
みこと「ほんと?」
すち「……うん」
みことは少し不思議そうにしながら、また女の子と話し始めた。
その瞬間。
すち「…………」
また、胸がざわついた。
(……あ)
(これ……)
夏休みの海。
お泊まり会。
みことが近くにいると、胸がうるさくなった。
みことに近づかれると、変な感じがした。
そして今。
みことが誰かと話していると、嫌だと思った。
(……もしかして)
すち「……これが」
(好き?)
その答えが頭に浮かんだ瞬間――
すち「……っ!」
顔が一気に熱くなった。
すち「う、嘘でしょ……//」
慌てて両手で顔を隠す。
こさめ「え、すっちー!?」
なつ「どうした!?」
すち「な、なんでもない!」
らん「顔真っ赤じゃん!」
すち「暑いだけ!」
いるま「今日そんな暑くねぇだろ」
すち「…………」
言い返せない。
少し離れたところから、みことがこっちを見る。
みこと「すっちー?」
すち「っ……!」
また顔が熱くなる。
(やっぱり……)
(みこちゃんを見るだけで、こんなになる)
(……嘘)
すち「…………」
(俺、みこちゃんのこと――)
そこまで考えて、また顔を隠した。
すち「……無理……//」
まだ、はっきりと言葉にはできない。
でも。
今まで分からなかった「好き」が、
初めて少しだけ――形になった気がした。
コメント
1件
読んだよ…🥺 夏休み明けの空気感、めっちゃ伝わってきた。 すちがみことと他の子のやりとり見て「嫌だ」って思った瞬間、胸がぎゅってなったよ…。 自覚してないのに心がざわつく感じ、すごくリアルだった。 顔真っ赤にして「暑いだけ」って言い訳するとことか、青春の照れが詰まってて可愛すぎる。 すちの恋、ちゃんと育ってるね…碧さんの書く心情の変化、丁寧で好きだな。 次、どうなるんだろう…楽しみにしてるね🌙