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5 - 5,wes x rdo「あの夏が飽禾ロする」※歌パロ、死ネタ

♥

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2024年07月27日

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どうもー!

他の話期待してたらすみません

また、検索よけの関係でタイトルとかいろいろ読みにくかったらすみません

死ネタです

自殺の表現がありますので、センシティブにさせていただきました

だいぶ改変されております!

曲パロなんで、元の曲を聴くか、歌詞に目を通してから読むことをおすすめします!!

・・・で視点が変わっています


wes x rdo「あの夏が飽禾ロする」

wes視点



「昨日人を殺したんだ」


カジノで組織の金を全て使い果たし、このまま消えてやろうかと思いながら街を彷徨い歩いている時のことだった。

泣きながらそういうrdoくんと出会った。

梅雨だからか雨が降っていて、二人ともずぶ濡れのままだった。


「いつもいじめてくる警察官がいて、もう耐えられなくて、嫌になっちゃって、肩を突き飛ばしたんだ。

そしたら、、死んじゃった」

「…」


君は少しテンションが高くなっているように見えた。本来敵であるはずの私に向かってずっと話し続けている。

夜でも随分と暖かくなったと言うのに、君はひどく震えていた。

普段は肌身離さずつけている鬼の仮面もなくて、瞳のハイライトも消えている。


「人殺しに警察は続けられない。どっか遠いとこで死んでくるよ。」


そんな君に私は言った。


「じゃあ、私も連れてって」




ナイフ、携帯ゲーム、少しの食糧と、水、それだけをカバンに詰めて、再び君の元へ戻る。

その前に。

また金を溶かしてしまった私に、彼らは今度こそ愛想を尽かしてしまっただろう。

写真も、プレゼントも、ライターで燃やした。

灰を床に捨てながら思う、

大切だった彼らとの大切な思い出をこんなゴミにしてしまうなんて、私はなんて非道なんだろう。

でももう、思い出はいらない。


私と君の、

人殺しとダメ人間の、旅が始まる。


まさかあの君がいじめられていたなんて、気づかなかった自分が憎い。

でも君とともに歩けることが嬉しくて。


「rdoくん、暑くない?体調は悪くない?ねえ、どこに行きたい?」

「大丈夫だよ、wesっさん、…おれね、海に行きたい」

「うん、行こう。逃げよう、この狭い世界から、全部捨てて」

「…ありがとう」


やっと、少しだけ笑ってくれた。

梅雨の時期の割にはよく晴れた、暑い日のことだった。



海岸について、しばらく波打ち際を歩いた。

やがて誰かに打ち捨てられた古い木の小舟を見つける。


「…これ沈まない?」

「一回浮かべてみよっか」


何とか浮かんだ。見た目に反して結構丈夫だったようだ。

まずは私が乗り込んで、しばらく飛び跳ねてみる。


「っふは、wesっさん、はしゃいでる」

「私は至って真面目ですけどね」


君の笑顔もようやく増えてきた。


「さ、どうぞお嬢さん」

「ふふ、ありがと」


手を差し伸べて、君を舟に引っ張り上げる。

いつの間にか、君の手の震えも無くなっていた。


「あ、ニュースになってる」

「rdoくんが?」

「いや、事故ってことになってるっぽい」

「………rdoくん、今なら、帰れるよ。事故のままなら、警察に戻れる」

「ううん、いいんだ。おれ、手紙も残してきちゃったし。そのうちバレる」

「そうか」


オールを漕いで沖へと舟を進める。幸い波風はほとんどなくて、すぐに私たちがいた街、口スサントスは小さくなっていった。

とても澄んだ空、海、まるで君のような色。

たとえ命綱が古い小舟だとしても、私たちに怖いものはなかった。

汗で私のアイデンティティーだったサングラスがずり落ちて、視界が酷く明るくなる。


「wesっさん、サングラスが落ちそうだよ」

「今更だよ、rdoくん。こんなもの、もう意味がないんだ。これは逃避行の旅だから」


「ねえrdoくん。もしも、完璧なヒーローがいたら、こんな私たちでも救ってくれたかな」

「そんな人はいないよ、いたらおれたちは、こんな所にいない」

「…そうか」

「きっと、みんな『自分は何も悪くない』って思ってるんだ」


やがて君の携帯が鳴り始めて、それを皮切りに私のものもひっきりなしに電話がかかってくる。

あまりにうるさいので、君とせーので海に投げ捨てた。


ただただ青に囲まれて、一体どれだけの時間が経っただろう。一週間、いやもっと短かったのだろうか。

いっぱい話して、笑い合って、悲しんで、喜んで、この時間は本当に大切な、私の宝物になった。


でも、

食料が尽きた。水も無くなった。視界が揺らぐ。

恐らく、最後の時は近づいている。


突然君が空の一点を指差して声を漏らした。

目を凝らすとうんと遠くにゴマのように小さなヘリが見えた。なぜ君はこんな小さな影に気づけたのだろうか。


いや、そんなことよりもどうやってここがわかったんだ。もうあの街は海の彼方に消えてしまったと言うのに。

すると君はこの不安定な舟の上で立ち上がり、話し始める。


「wes っさん、貴方がいたから、おれはここまで来れた」

「本当にありがとう」

「だから」

「だからね」


私には君が次に続けようとする言葉がわかった。

何も言えなかった。

喉が渇いていく。唾すら飲み込めず、君の言葉をただ待つしかなかった。


「もういいよ」

「死ぬのは、おれだけでいい」


少し屈んでカバンからナイフを取り出す君。それを首に当てる。どこか懐かしいような色が飛び散って、後ろに倒れていく。

まるで映画のワンシーンのようなスローモーションに見えた。


眩暈がする。

誰かの叫び声が、たくさん聞こえる。

誰かに胸ぐらを掴まれて、そのまま私は舟から引き剥がされた。


そして。

どこを探しても、君は見つからなかった。

君だけが、どこにもいなかった。





やっと見つけたボスの憔悴ぶりは酷いものだった。食事は喉を通らず、ずっと暗い部屋で引きこもる。話は聞いてくれるのに、ボス自身の心には響かなくて、深い絶望を秘めた瞳をしている。

ずっとあの人の名前を呼んでいる。


その人はというと、見つからなかった。


あの日、ボスが消えた日のこと。床に散らばった写真の燃え残りを見た。

嘘だ、と思った。

誰かが、

「それはないでしょ、」

と誰に言うともなくつぶやいていた。

それから、ボスを探すために警察署へ行って、あの人がいなくなっていたことを知った。


ボスが消えたことと、あの人が消えたこと、無関係とは思えず、街の人全員が探し続けた。警察やギャング、白市民総出で協力体制を築いた。


一週間と少しして、ようやく小さい舟を見つけたとき、その上には見慣れた背中と、空を仰ぎ見るあの人がいて、

それから、あの人は海に消えていった。

舟に辿り着いてすぐに警察の人たちと数名のギャングが海に飛び込んで探していたが、あの人は霧のように消えていたそうだ。


「ボス、花をおくりにいきましょう」

「嫌だ」

「っなんでですか!」

「…そんなことしても、戻ってこないんだぞ。意味ないじゃないか」

「そうですけど、でも!」

「いい、私は行かない。お前たちだけでも行ってきなさい」


どうにかボスを外に出したくて誘ったが、断られてしまう。

あの人にはお世話になっていたので、ボス抜きで花とクマのぬいぐるみを持って警察署へ行く。あの人がいつも座っていたベンチは大量の花で埋め尽くされていた。

あの人が愛されていたことを、思い出す。


でも、ここにいるみんなは、あの人ではなくて、ボスのことを一番に愛しているのに。




時が過ぎた。

夏が過ぎて、秋になった。

みんな、近くにいる。あんなに酷いことをしたのに、まだここにいて、私に声をかけてくれる。

もちろん嬉しいことだ。


でも、君がいない。


あの時君に言いたかったことがあるんだ。


あの青い夏の日を思い出しては、君の顔が脳裏にちらつく。

君の笑顔が、その無邪気さが、頭の中を飽和している。


「誰も何も悪くないよ」

「君は何も悪くはないから」

「もういいよ、投げ出してしまおう」


そう言って欲しかったんじゃないのか?


なぁ、

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コメント

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今までコメントしないって決めてたんですけど、流石に作品が良すぎて初めてコメントさせてもらいます!テラーノベルで初めてうるっとしました、🥹‎💓‪感情を揺さぶられる作品に出会うのが久々です。本当に好きです!代わりといってはなんですが、いいね大量にぽちぽちさせて頂きました!笑 書いて下さりありがとうございます!!へびまるさんの作品が色んな人へ届きますように🙌🏻︎‪

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