テラーノベル
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【注意事項】
こちらの作品は、実在する方々のお名前と、一部容姿をお借りした二次創作作品です。
公式様方と一切の関係はございません。
また、こちらの作品には
・ケーキバース
・腐要素
が含まれています。
そして何から何まで捏造です。
誤字脱字などありましても、暖かい目で見守っていただけますと幸いです。
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あの日から一ヶ月。
zmは約束を守っていた。
自覚あるのなら、できるのなら、甘い日は外に出ない。
衝動が出そうな日は、誰とも会わない。
けれど、約束は破りたくなってしまうものだ。
夕方。
人通りの少ない時間帯なら、と外に出たのが間違いだった。
「…あの、zmさんですよね。」
背後から聞こえた声に、心臓がドキリと跳ねる。
振り返ると、そこにはsypがいた。
「しょ、sypくん」
「匂い出てますけど」
「きょ、今日はちょっと、な…?」
否定しなかった。
今日は自分でも分かるくらいに甘い。
「…一人ですか」
「見ての通りです。」
両手をパッと上げる。
sypは一度溜息をついて、目を伏せた。
「…帰りましょう」
「…どこに?」
「言ったでしょ。連れて帰りますって」
◆
sypの家は静かだった。
ドアが完全に閉まった瞬間、空気が変わった。
(まって、あかん…これミスった…)
匂いが、籠もる。
逃げ場がない。
「zmさん…」
「言わんで…分かっとる」
自嘲気味に笑うと、sypの表情がわずかに歪んだ。
「この状況で言うのもアレなんですけど、結構限界近いです」
「…我慢は」
「無理そうです」
正直な声だった。隠そうともしていない。
「俺が帰った方がええ?」
「そっちの方が危険です」
静かに距離が詰まる。
一歩、また一歩。
「近いんやけど」
「そりゃ近づきに行ってますからね」
喉が鳴る音がした。sypのものだ。
zmは一瞬だけ迷って___それから、覚悟を決めた。
「…なぁ、sypくん」
「はい」
「止まれられへんのよな…?」
「…はい」
「噛むんやったら」
ゆっくりと、緑色のフードを下ろす。
「ちゃんと、俺がええって言うたときだけや。あ、あと優しくな」
sypが大きく目を見開いた。
「!…いいんですか」
「怖ない言うたら嘘やけど」
また、一歩近づく。
「今外に出て、知らん奴に食われるくらいなら」
視線を逸らさずに言った。
「信頼しとる相手の方が、まだマシや」
sypの呼吸が、深くなる。
「…約束します」
「何を」
「必要以上は、しない」
今はただ、その言葉を信じるしかなかった。
静かに、首元に気配が落ちる。
歯が触れた瞬間、ぞくりと背筋が震えた。
噛まれる。
痛みは一瞬だった。
ゆっくりと熱が広がっていく。
「…っ」
声が漏れた瞬間、sypの動きが止まる。
「ほんまに、大丈夫ですか」
首元から目を覗かせてこちらを見つめる。
「大丈夫や。気にせんでええよ」
掠れた声でそう返す。
見つめ合いが始まった。
だかそれも数秒。
それ以上は、続かなかった。
首元から離れたときのsypの顔色は悪かった。
「…すみません」
「謝らんでええ」
ソファにもたれながら、zmは息を整える。
「約束、守ったやろ」
「……」
完全沈黙。
噛まれた場所が、じんわりと脈打っている。
それでも、恐怖より先に来たのは不思議な安心だった。
「……なぁ」
「はい」
「次」
今日もまた、少しだけ、冗談めかして言う。
「ちゃんと話、せなあかんな」
sypは、ゆっくりと頷いた。
「…そうですね」
「もう、曖昧なんは無しや」
その言葉が、この関係の終わりなのか、始まりなのかは、二人はまだわかっていなかった。
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