鳳蝶が落ちる頃にリメイク版(仮)
(edd視点)
僕は好きな人がいた。その人はいつも僕にやさしくて、ひとりぼっちの僕を救ってくれた。でも、あの人には病気があった。肺あたりにあり、もう治ることはないと知っていた。
ある日あの子は倒れた。僕は急いで病院へ向かった。ベッドに寝るあの子の姿、なんだか懐かしい気がした。医者は言う、彼の状態が悪化している。そう言われた時、かすかに外の風が病室にはいってきた。
結局病院を出ることはできた。でもあの子がいつ倒れるかはわからないから、僕が一緒に住んで見ておくことにした。
ねぇedd?
どうしたの?
eddって僕のことどう思ってる?
大好きな親友だよ!
そっか!ありがとう
ただの日常らしい会話が、僕はすごく楽しかった。あの子がいつ喋れなくなるかもわからないからだ。
最近は夢にあの子が出てくるようになった。しかも、ひどく悪い夢。僕に似た何かがいて、あの子は毎回殺されていた。首を絞め、ナイフを刺し、どんな方法だとしても、僕にとって悪夢だ。朝からそんな話はしたくないから、あの子には言わなかった。
あの子の目は綺麗だ。人はみんな呪われる、そう馬鹿にしていたが僕はあの子の黒い目が大好きだった。
僕はあの子への想いを言えずにいた。あの子が死んだら、僕も死のうとおもった。どうせあの子以外はいらないから。
ねぇtom
なに?
君がもしいなくなってしまったら、追いかけていいかな?
嬉しいけど、これはお願い。死んだとしても代わりに生きてくれない?
え?
僕はもっとあなたと生きていたいけど、eddが死んじゃうのはいやなんだ。あ、事故とかなら大丈夫だよ。自分からは死なないでほしいな?
…わかった!大丈夫!絶対生きてる!
あの子とずっと暮らして、おなじベッドで寝て、共にご飯を食べて、そんな幸せな毎日は
夏の終わりと共に、終わってしまった。
ある日目覚めると、隣にいたはずのあの子がいなくて。焦って起か上がると、床には血を吐いたあの子の姿があった。急いで救急車を呼んで、死んではいなかったが、もう一日ももたないようになってしまった。
消えかけた夏の日差しが窓の外から入っていた。病室のあの子は寝たままで、僕は怖くておかしくなりそうだった。ベッドの隣にある椅子に座り、あの子の手をとった。かすかに温かい手は、なんだか安心できた。あの子の目が少しあいた。もうここしかない、そう思い僕はあの子に想いを伝えた
言えなくてごめんね、
僕はtomが好きだ。こんな遅くなったが…
…僕も
eddが好き
そう言うと、あの子はかすかに笑い、もう一度目を閉じた
鳳蝶が外で飛んでいた
tomも一緒に飛び立ったのかな
夕暮れ時の中、あの子は僕の手を握ったまま、深い眠りについた。
おやすみなさい。tom
僕は決めた。
あの子がもっと生きていたかった分、僕が生きると
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