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なっちゃん
849
泡沫
23
『えぇ、私でよろしければ。』
私は差し出された貴族の手をとった。
会場に優雅な音楽が流れる。二人で空いているところへ移動し、ワルツを踊り始めた。
「ワルツ、お上手ですね。あなたには驚かされてばかりだ。ところで主殿、お名前をお聞きしていませんでしたね。私はフィロティモ・ノクス・リドルと申します。私の名は長いですから、ノクスでも愛称のフィロとでもお好きにお呼びください。貴方は?」
『ではノクス様とおよびいたしますね。私はリズ・シグレです。私のことはリズとお呼びください。特に面白味のある愛称は生憎持ち合わせておりませんので。』
「ハハッ、これ程くどくない、ジョークを華麗に言えるようなご令嬢がこの会場にいったい何人いるのやら…」
『あら?私はジョークを言ったつもりはないのですが、無意識に相手からの好感度を得られるとは、実に美味しいですね?フフッ、』
「これは参った。私にも少しその会話術を分けてもらいたいくらいだ。決してなめていたわけではないが、想像以上で正直驚いているよ、」
私たちはワルツを躍りながら会話を進めていた。私の一言でノクスが笑ったり、ノクスの会話から彼の聡明さが見えたりと、充実した時間が流れていった。
そうして結局ノクスとは4曲も踊っていた。
「ありがとう、リズ。とても楽しかったよ。君みたいな人が主で私も心底嬉しいよ。私の領地に来る際はぜひ顔を出してくれ、盛大に歓迎させてもらうよ。」
『えぇ、ありがとうございます。そうしますね。ノクス様、ワルツに誘っていただきありがとうございました。私もとても楽しかったです。』
こうして私はノクスと離れ、先程まで一緒にいたハウレスの元へ向かう。
「主様、ワルツ、とても素晴らしかったです。貴族の方とも楽しくやれたようで安心いたしました。」
言葉とは裏腹に、ハウレスはとても心配そうな顔をしている。おそらく、私が始めての舞踏会で貴族に誘われたあげく、ワルツも共に踊ったからだろう。少し申し訳なく思いつつも、改めて私はとても大事に思われているんだと実感し嬉しくなった。
『ハウレス。さっきも言ったけど、私があの方についていったのは、何かあってもきっとみんなが助けてくれるって信じていたからだよ。だから、そんな顔しないで?』
「!!、主様。はい、そうですね。ありがとうございます。さあ、そろそろお開きの時間です。他の執事たちと合流して屋敷に帰りましょう。」
『うん、そうだね。今日も依頼お疲れさま。』
こうして私の始めての舞踏会は無事に終わったのだった。
これからも何度かノクスさん出すつもりでいるので、ぜひ覚えていてあげてくださいね♪
コメント
1件
みぅだよ🤍🥀 第4話、読んだよ〜! ノクス様とのワルツ、すごく優雅でドキドキした…!リズのジョーク気味の返し、ちゃんと通じ合えてる感じがおしゃれでいいなって思ったよ。4曲も踊るって、結構な信頼感だよね✨ 最後のハウレスの心配そうな顔と「ありがとう」のやり取りがじんわりきたし、ノクス様がまた出てくるって知ってちょっと嬉しいかも。次も楽しみにしてるね🌙