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その日は、夏の暑さが少し和らいでいた。
彼女は1人ベッドから動けず窓に目を写す。
青々とした田んぼと子どもの無邪気な笑い声。
彼女はそれすらも聞こえず見えず
涙を流していた。
やっと身体を動かせたのは午後の3時を廻ったところ。
顔を洗い、服を着替え
ただ待つ。
ピーンポーン
チャイムが鳴る。
「行くよ。」
彼女の友人が彼女を連れ出す。
重い腰をあげて彼女はやっと外に出れた。
彼女にとって友人は外に行く機会をくれる人。
彼女はもう1人では外に出れなくなっていた。
買い物だとしても遊びだとしても…
「今日、何買うー?」
友人だけを見る。
友人とだけ話せば余計な世界を見ずに済むからだ。
買い物をし、友人と談笑を済ませて家に入る。
彼女は冷蔵庫に物を詰めてはまた定位置に戻る。
もう外は暗かった。
彼女はもう昼夜の感覚は無かった。
この頃からもう壊れていた。