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「フルーツがいいから、ありがとう。紅茶もいい香り…お兄ちゃん?難しい…お父さんとお兄ちゃん…お兄ちゃん、お父さん…言える?言えるか…」

「言えてる、言えてる…ブッ…めちゃくちゃ練習するじゃん、才花ちゃん…ウケる…」


タクがケラケラと笑うけれど、結構難しいんだから。


「笑っている奴は置いておいて、俺とScenic Gemに行くのはどうですか?」


一樹さん、あ…お兄ちゃんが聞くけど、さっき羅依に聞いていたので羅依を見る。


「一樹と動くのは大丈夫だ」

「うん…でも…堅いよね、言葉が…」

「誰にでもあんな感じだ」

「仕方ないか…個性だもんね。ん…このメロン、ホテルの味」

「そうか。良かったな」

「うん」

「はっ?二人の会話はおかしいって。ホテル味のメロンって何?」

「タク、分からないの?お父さんは分かる?」

「分かるよ。甘くて柔らかで美味しいってことだ」

「正解」

「俺も分かりましたよ」

「さすが…お兄ちゃん…Scenic Gemは、一度見学に遊びに連れてってもらおうかな?前に二度行った時は、ダンス目的で行ったから、他を全然見てないの」

「やっぱりガチ踊りに来たんじゃん」

「…タク、昔のことをねちっこく指摘するのは嫌われるよ?」

「ねちっこい奴は置いておいて、膝が日常生活に支障がなくなればScenic Gemに行きましょう」

「うん」

「連絡先の交換をしましょう」


お兄ちゃんとは連絡先の交換をしたけれど、お父さんとはしなかった。

スマホにそれもない方がいいだろうと言う。


「お父さんに、このお母さんからの手紙をあげる」

「才花あてだよ?」

「ちゃんと受け取って読んだし、お母さんも見てたみたいだからもういいの。お父さん…お母さんとも私とも会わないようにしてたら寂しくなるから、それあげるね」


父がグッと奥歯を噛みしめ、大きく喉仏を上下させるのを見て、私はゆっくりと続けた。


「私はお母さんとの写真とかあるの。今度、もしお父さんに会うことがあれば持って来るね」


涙を堪える父にこれ以上の声は掛けない方がいいと思ったので紅茶を手にする。

今度お兄ちゃんに、父の誕生日を聞こう。

これまで不自由なく生活させてもらったお礼に、一度くらいプレゼントをしよう。


「羅依、タク、今日は連れて来てくれてありがとう」


ん?タクがおとなしい…泣いてる?


「タク…使う?」


私が使っていたお兄ちゃんのハンカチを差し出すと、羅依が自分のポケットに入れる。


「小さいな、羅依。ヤキモチか?」

「めちゃくちゃ濡れてるから役に立たない」

「ふーん…一気に手紙の感動の涙が引っ込んだ」


相変わらず仲良く話す二人を見てから


「膝以外で、いまの不自由はないか?」


父が私を見る。


「うん、ない。でも仕事を探したいと思ってる」

「まだ回復期だろう?」

「そうだけど、ケガしてもみんな学校や職場復帰しながらリハビリに通うんだよ?私も出来ると思うの」


父と母の愛情をしっかりと感じたこと。


皆のサポートを理解したこと。


世界大会優勝なんてどうでもいいや、と一気に思えるわけではないけれど、もう絶対に無理なステージだと切り替えを出来る気がした。

Kingの寵愛 ~一夜のお仕事だったのに…捕獲されたの?~

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コメント

1

ユーザー

アハハ〜(◍˃̵͈̑ᴗ˂̵͈̑)ァ,、やっぱり親子だ〜タクわかるんだよ〜同じ血流れてるからね😉 あぁーそっか、お父さんとは交換できないんだね😢でもお兄ちゃんを通せばいいもんね!お誕生日には何プレゼントする?選ぶの楽しいよー🎵お父さん想像して💭 お父さんに自分宛ての手紙をあげた才花ちゃん😭きっとまたいつか会える…そんな願いもこもってると思う。タク一緒に泣こう😭えっ引っ込んだ?羅依め…😆

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