⚠︎注意
・iris 青桃 BL
・赤桃少し含みます
・人外パロ
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🤪side
何となく、懐かしい気持ちになった。
人外である自分にもそういう人間的な感情があることに一抹の感動すら覚えながら、長年連れ添ってきた社の縁側へと向かう。
空は真っ暗。星も見えないほどの暗闇の中に、ピンク色の髪を風に靡かせて彼は座っていた。
そう、ちょうどあの日も、こんな暗闇が広がっていて。
きっと彼にとっては最悪なことで、地獄の始まりだったんだろうけど。
目を閉じれば蘇る。
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🍣side
🍣「ここ、どこかなぁ…」
ある夏の日の夜のこと。
何も見えないほど暗い夜の中で、ブラブラと散歩をしにきた俺…ないこは、すっかり帰る道を見失ってしまっていた。
🍣(しまったなぁ、散歩のつもりだったから携帯すら持ってきてなかった。)
もはやどこか他人事のように後悔しながら、闇の中をずんずんと突き進む。
しばらく歩き続けると、開いた場所に出た。
🍣(こんなところ、近所にあったっけ?)
漸く目も暗さに慣れてきて、俺は今自分がいる場所の異様性に気が付いていた。
🍣(まるで現世じゃないどこかに来たみたいだな。)
ふと顔を上げると、目前に壮大な湖が広がっているのが見えた。
🍣「っ……」
俺は言葉を失った。その湖に対してではない。
その上空に、人型の何者かが浮遊していたからだ。
これが所謂、幽霊とかお化けとかいうやつだろうか。
それも2人いて、一人は暗い色の髪──青色だろうか、そしてもう一人は恐らく髪の色が赤い。
向こうはどうやら俺が見ていることに気付いたようで、気怠げに口を開いた。
🤪「…ん?あれ、もうそんな時期やったっけか?」
🐤「え〜、まだだった気がするけど。」
🤪「まだそんな腹減ってへんしなあ。」
🐤「迷っただけじゃない?」
🤪「こんなところに迷い込む馬鹿な人間なんておらんやろ。」
一体何のことを話しているのかは分からないが、とりあえず俺が馬鹿にされるようなことをしでかしたことは理解した。
明らかに彼らは人間ではない。それは分かっているが、今の俺には頼れるものが何もないので、一先ず彼らに状況の説明を求めるべきだと判断した。
🍣「あの、ここは一体どこなんですか?」
🐤「ほら言ったじゃん。迷っただけだって。」
🤪「え〜相当ヤバいやつやん。ほっとこ。」
🐤「ちょっと可哀想じゃない?」
2人はこちらには返事せずに淡々と会話を続ける。
流石に無視されるのは癪に障ったので、俺は語気を強くして要求を放った。
🍣「すいません、ここから出して欲しいんですけど。」
🤪「……それ本気で言ってるん?」
🍣「もちろんです。」
🐤「…って言ってるけど、まろ、どうする?」
🤪「……」
「まろ」と呼ばれた青い髪の人は、すうっと風を切って俺の方へ向かってきた。
それに続くように赤髪の人もこちらへ滑ってくる。
青髪の人は俺の顔の一寸先というところまで迫ってきて、少し屈んで俺の顔を覗き込んだ。
近くに来られると体格の差を思い知らされたと同時に、思っていたよりも端正な顔立ちをしており、その瞳に惹き込まれて尻込みしてしまった。
🤪「ふーん……悪くない顔しとるやん。」
🐤「…え、もしかして持って帰っちゃう感じ?」
🤪「…ま、1匹くらいええんちゃう?」
「1匹」という表現にイラっときたが、ここから出してくれるようなのでそんなことはあまり気にならなかった。
🤪「じゃあ、俺たちの“家”に案内しよか。」
そう言うと彼は指をパチンと鳴らして、視覚が急に奪われたように真っ暗になった。
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そして、次の瞬間には視界がガラッと変わって古びた木造の柱が目に入った。
🍣「え?…えっ、え?」
🤪「驚かせたか。ここな、俺らの家。」
辺りを見渡すと、手入れが行き届ききらない程度の清潔さを保った古風な和室の中にいるらしいことが分かった。
俺はあまり詳しくないが、一度だけこのような部屋に足を踏み入れたことがある。
🍣「…神社?」
🤪「正解。俺たちは神社で暮らしてる。人間の言う、『神様』的な存在かな。」
🍣「はぁ…。」
神様だとか、現実味が無さすぎて実感が湧かない。もしかしたらこれは夢かもしれない、と思った。
🐤「…てか!まだ自己紹介してなくない?」
🤪「あぁ、せやった。俺はいふ。よろしく。」
🐤「俺はりうら。よろしくね。」
🍣「俺は…ないこです。よろしく…?」
よろしくって言ったって、何をよろしくするんだろうか。
俺は早く家に帰りたいのであって、この神様たちとよろしくしたいわけじゃない。
🤪「連れてきたはいいものの、何にもすることあらへんな。」
🐤「そうだね〜。」
🍣「…」
神様でもこんな中身のない言葉の往来をするもんなんだ。
これ、帰って小説にしたら誰も信じてくれないだろうなぁ。
しかし、そんな俺のどうでもいい思考は次の爆弾発言により吹っ飛ばされた。
🤪「せっかく人間と過ごせる時間ならさ、あのー、人間がよく言う、『まぐわい』ってやつやってみーへん?」
🍣「ッッッはぁ!?」
🐤「まぐわい?何それ。」
🤪「なんか、服を脱いで体を密着させる…?みたいな。」
🐤「いや、よく分かんないんだけど…。」
🤪「気持ち良いらしいけど、そもそもやり方が分からへんのよなぁ…。」
🐤「へぇ。それさ、『インターネット』ってやつで調べられないの?」
🤪「確かに。ちょっと待ってや、『すまほ』取ってくるわ。」
その会話を横で聞いていた俺はわなわなと口を震わせていた。
神様ともあろうお方がそんな、人間の下品な行為に興味を持つなんて…下品と言ったら失礼ではあるけど…
けれど、意味の知らない言葉を一生懸命時代の危機で調べている神様を見ていたら、なんだか可愛いなと思えた。
🤪「何々……ほう、『性器』を人間の下半身にある穴?に突っ込めばええんか。」
🐤「性器って、あの棒みたいな?使い方分からなかったけど、このためなんだ〜。」
🍣(普通は排尿目的だと思いますけど…。)
まあでもなんだかんだ2人の会話が面白いので事実を教えるのはなんだか勿体なく、躊躇われた。
どうせそんなことここでは試せないし、すぐに違う話題に進むだろう。
🤪「ふーん。じゃあ、ないこ。ズボン脱いで?」
🍣「…………へ?」
🤪「へ?やなくて。『まぐわい』を試したいねん。」
🍣「いやそれは文脈から分かりますけど。何で俺?」
🤪「だって他に人おらへんし。」
🍣「お二人方でやればいいのでは…?」
🤪「俺もりうらも『性器』っての付いてるし。」
🍣「俺も一応その棒が付いている側の人間なんですけども…」
🐤「えー?でも、それを入れる方は優勢らしいよ?」
🤪「そうや。神様に入れてもらえることをありがたく思え!」
🍣「すごい暴論」
しかしなかなかに頑固なこの神様。どうやら譲る気がないらしい。
仕方ない。ここは俺が人間代表として人肌脱ぐか。
…多分、こんな小さな人間の娯楽なんて神様はすぐに飽きてしまうだろうけど。
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🐤「なんか…不思議な光景だね。」
そう思うのも無理はない。男3人(恐らく)が裸で向き合って座っているなんて奇妙すぎる。
想像以上に神様の体は人間にそっくりで、確かにこれは男の体だと思わざるを得ない。
そしてその神様のブツがデカ過ぎて俺は不安もあるし、正直引いている。
🤪「じゃあまずは…。ないこ、こんな感じで足開いてくれる?」
神様は丁寧にスマホの画面を見せて指示をしてくれる。
俺だって男だからAVの一つや二つ見たことある。
けど、流石に最初からM字開脚させてくるのは如何なものかと思う。
こんな性交は見たことがないし、ムードもへったくれもない、なんとも滑稽な状況だ。
まあ彼らには人間の常識なぞ通用しないので、素直に足を開く。
🍣(あー、スースーする。)
🤪「…で、この『性器』を……ないこの穴に突っ込めばええんか。」
🐤「これさ、本当に入るの?」
🤪「やってる人がいるってことはいけるんやろ。」
こんな茶番がいつまで続くのか…と思い始めた頃、いふさんは遂に俺の穴にその立派な棒を充てがった。
流石にその行動には突っ込まざるを得なかった。
🍣「いやいやいや!流石にそのままは入りませんって!ローションとかないんですか!?」
🐤「やっぱり入らないんだ。」
🤪「ローションって……なんや?」
🍣(そこからかよ!)
🍣「ドロドロした、スライムみたいなやつですよ!」
🤪「うーん……こんなやつ?」
いふさんがパチンと指を鳴らすと、そこには文字通りのローションが現れた。
もう物が急に現れたことには突っ込まないことにする。
🍣「それです!」
🤪「ほえー。これを、どうするん?」
🍣「はぁ…。もう、いいです、自分でやりますから。」
🍣「それと!まず、あなたたちが興味を持っている快感というのがなんたるかを知るべきですね。」
🐤「どうやって?」
🍣「黙っててください。今やりますから。」
そう言い放って俺は手始めにいふさんのモノを持ち、それを根本から、ゆっくりと丁寧に扱き始めた。
🤪「んな…っ?//」
🍣(あれ…思ってたより良い反応するな。)
頃合いを見て扱くのを速めると、みるみるうちにブツは固くなって持ち上がり、しばらくして「ヒュッ…」という息と共にいふさんは達した。
🍣「この感覚ですよ、分かりましたか?」
🤪「うん…気持ちよかった。」
🐤「えー、りうらにもやって!」
🍣「はいはい…」
りうらさんにも同じようにしてやると、いふさんと同じようにこちらも存外すぐに達した。
🐤「ほへー、こんな感じなんだ//」
🍣「はい。じゃあ、これから俺はローションで穴を解しますので。」
🤪「見てろ、ってことな。」
それに頷いて、俺はローションを手に取り、自分の穴に指を差し込んだ。
ひんやりと冷たい感触がナカを撫でる。
正直、まだ気持ち悪くて不思議な感覚だ。
しかし、自分で探りながら触っていくうちに、段々それを気持ち良いと感じるようになってきた。
🍣「ふっ、……ん……ぁ…/」
声が漏れ出るのも構わず、快感を追い求める。しかし、あと一歩のところで届かない、もどかしい感覚が残る。
🍣(しかたない、この辺にしておくか…)
そう思って指を抜いた次の瞬間、また別の長い指が俺の穴に突っ込まれた。
🍣「ん”っ!?/」
その指は探りながら、しかし俺の指が届かなかった奥の方を確かに開拓していく。
🍣「うぁ//…あっ、ぁっ/」
その指が何かしこりのようなものと擦れるのを感じた次の瞬間、俺は恐ろしい快感に包まれ、頭も真っ白なまま絶頂した。
🍣「はぁっ//、はぁっ…」
🤪「こういうことね。大体わかったわ。」
🐤「まろすごーい!りうらも後でやらして。」
🤪「んじゃ、ないこ。今度こそ入れるけど、いい?」
🍣「っはぁ、あっ、はい、大丈夫です…っ、」
🤪「ん、始めるな。」
それから、俺はありえないほど絶頂させられて、ゴムの説明を忘れていたから勿論中にも出されて、今まで経験したことのない快楽に溺れた一夜を過ごしたのだった。
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🤪side
神というのは、事細かに正確とまでは言わないが、ある程度人間の思考を読むことができる。
ないこも、あの日のことを思い出しているらしい。
恐らくこちらには気付いているが、何を言うということもなく足をぶらぶらさせているないこ。
そんな彼を見て思わず目が細まるのを感じながら、俺も随分と変わってしまったな、と思う。
あの時はほんの気まぐれで連れ帰っただけなのに。
今となっては、誰にも…りうらにさえないこのことを渡したくないと強く思っている。
これが所謂、「愛してる」ってやつなんかな。
そういう風に考えるようになってから俺は、ないこが人間であることをとても憎らしいと思うようになった。
人間であれば老いてしまう。老いた先に待っているのは死だ。
人間ではない俺は歳を取らない。だから死なない。
……もしないこが死んでしまったら、俺は取り残されてしまう。愛しい彼に。
🤪「…なーいこ。」
🍣「ん、まろ。どうかした?」
🤪「なんにも。ちょっと構いたくなっただけ?」
🍣「何それ笑」
数ヶ月前から全く変わってないないこの笑顔を見て、自然と口角が上がってしまう。
ないこがここに来てから3年ほど経っているはずだ。
ここは神社だからそもそも鏡はほとんど必要がなかったのだが、唯一残っていた鏡も1年前頃に撤去した。
それから、像を反射しそうな物も片っ端から取り除いた。
俺はないこに秘密にしていることがある。
人でないモノと長い期間深い関係にいると、人間ではなくなってしまうこと。
ないこの頭から顔を覗かせ始めた可愛らしい突起物。
今はまだ、そのことは言わへんけど。
俺はないこを、そっと両腕で抱きしめた。
end
コメント
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初コメ失礼いたします、! おすすめで流れてきて夢中になって見てしまいました……✨✨ 天才という言葉しか出ないです😭︎💕︎✨ フォローも失礼いたします、!
ほわっっ!?ノベル書くの天才すぎませんか??好きです…😭😭