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「綺麗な花だったね」
そう微笑んだ
「そうね。とても。綺麗だったわ。」
そう、俺を見つめて微笑んだ。
俺がもし 話さなければよかった。 もし、もし、俺が 危ないなんて言えてたら。
第1話 〜赤い衣装〜
「そうね。とても。綺麗だったわ。」
そう、俺を見つめて微笑んだ
俺はお母さんの微笑みがとても美しいと思った。その時 お母さんの後ろでナイフを持った男性が来てるのが見えた。
「お母さん。危ない」
そう言えていたら 俺は良かったのかもしれない
ヒューッ…パァンッ と 花火が鳴った 終わったはずの花火が。爆発音と共に母は倒れた
幼い俺は 何も理解が出来なかった。何一つ。
母さんが死んだことさえ 理解出来なかった。
俺の手から 母さんの手は地面へと落ちた。
周りが叫び スマホを取り出している事に 周りが騒がしいとは思えなかった。
何も感じなかった。
静かな 世界で 俺の目には 真っ赤な衣装になった母しか映らなかった。
母は 喋らなかった。
心臓を一突き 即死だった。
男は逃げて行った。
誰も。男を止めようとはせず 道を開けただけだった。
その日から俺は 花火と 赤が苦手になった。