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がち大好き
『愛重恋愛-アイジュウ レンアイ-』〜愛が彼を狂わせる〜
第6話 禁句の言葉
3階執事部屋
『ん……。あれ、私…。』
『気が付いたか、主様。』
『ボスキ……?私……。』
『気を失ったんだ。まぁ無理もねぇよ。あんな惨い死体をみちゃ…』
『気を失った…うっ!!』
吐き気が催して口を抑える。
『主様!』
『っ…あの子…ロレッタって名前の子だったんだ…。』
『ん…?あぁ、そう言ってたな。』
『あの子…悪魔執事のファンで…色紙のサインは私が書いたの…。それが真っ赤に染って…っ。』
『主様…。』
コンコンっ。
ガチャ
『ボスキ君、主様は――』
『今目が覚めたところです。』
『良かった。主様。具合の方は…』
グイッ!
私はルカスの袖を掴む。
『…あの子…裏路地で遺体で見つかった子…どうなったの?』
『…フィンレイ様からの上方では胸をひと月…即死だと…。』
『っ…。どうして…。あの子が死ななきゃいけないの…っ?あの子はただ純粋に私達のことを…っ。あんな…フルーレと年齢も変わらないような青年が…どうしてあんな惨い姿で殺されなきゃいけないの…っ!!』
『主様…。』
『う、う、うわぁぁぁんっ!!』
私は2人の前で泣き喚いた。
『……。』
(殺されたのは昨日の夜。昨日…ベリアンは
屋敷にいなかった。…私と話をしたのは夕方。つまりその後に…)
私は昨日のベリアンのセリフを思い出す。
『私は私のすべきことをしますから。』
『……!』
(あれが今回の事件の切り札だとしたら…次に狙われるのは――!!)
私は急いで3階執事部屋から出る。
『ルカス!?\ルカスさん!?』
一方その頃――
裏山にて。
『はぁ、はぁ…っ!!』
『ロノ、大丈夫っすか!?』
『っ、なんとか…っ。』
『なんで、こんなことするんすか…!』
『『ベリアンさん…っ!!』』
『…あぁ、残念です。2人とも手にかけることになるなんて。可愛い私の後輩を…殺してしまうなんてとても胸が痛みます。』
ヒュンっ
ベリアンさんは双槍を振り回す。
『ルカスさんに告げ口するなんていけない子達です。ロノ君もアモン君も若いのに命を散らすなんて…。』
『っ…。ルカスさんと話をしたんじゃないんですか! 』
『えぇ、しましたよ。でもこのモヤモヤが消えないんです。主様のことを一番好きなのは私なのに…っ。』
『っ、何度でも言うっすよ。おかしいのは…ベリアンさんの方っす!』
『愛で縛り付けることが正しいと思ってるならそれは間違いです!』
『ベリアンさんの主様に対する愛は偽物です!本物の愛じゃない!!』
『…私の主様への気持ちが…嘘?偽り?…あああああああああああぁぁぁッ!!!!!』
わたしの中で何かが壊れた音がした。
『2人とも…残念です。』
『『!!!!』』
『はぁ、はぁ…間に合ってくれ…っ!』
私は鎌を抱えて裏山へ走る。
『アモン君、ロノ君……!!!!』
そこでルカスが見た光景とは――。
次回
第7話 悪魔は目を覚ます